BUMP OF CHICKEN「邂逅」の話
追記:自分の中でのバンプがデカすぎて作品名だけ書いてしまったがなんか違う気がするな…と思ったのでタイトルだけ差し替えました。
BUMP OF CHICKENが好きだ。
天体観測から入ったにわか新参ではありますが、彼らの唄に確実に救われて、今の自分の善性は全てバンプの唄と藤原の言葉が根底にぎっしり詰まっている。
自然喋ると会話の着地点がバンプにオチがちなので外で喋る時は気を張っている。
でも進学も転職も「バンプのためになる人間になりたいから」で全てを決定してしまった阿呆なので許して欲しい。なおその決定は自分がしたものなのでこの結果がどういう結末になろうと「自分のせい」である。
そんな彼らの新譜である。
映画の方向性からロックチューンではないだろうと思っていた。
静かに始まるメロディが今現状の気分ではすこししんどかったので少しづつ聴いている。
とりあえず歌詞を読み込んで、とにかく
「あなたのいない未来を生きろと謳う」
が刺さっている。
このワードと「静寂のけだもの」でユグドラシルのアートワークを思い出した。
確か確実な言及はなかった記憶だが、あのアートワークは禅の十牛図を模しているという話がある。あった。
悟りを開くまでの道を図解したものだ。
今回の新譜はその流れを一曲にまとめたようなものに聞こえた。ゆっくり始まり、華やかなメロディが重なり、最後は生の声ではない加工された声で唄われて終わる感じが最終的に人というか俗人ではなくなったような気がした。
いつかいなくなること、置いていかれること、置いていくこと、を折に触れて謳う人だという印象はあるので「ああやっぱり喪っても進まなくてはいけないのだなあ」と思うし、「喪ったあとも世界は続くことは恐ろしいなあ」とも改めて思う。
ライブのMCでもよく、「夢のような時間(ライブ)だったけれども、そうじゃ無かった昨日も明日も同じ今日の連続なんだ」という趣旨の話をしているが、その話だな、と思った。
楽しい時間も、しんどい時間も、同じ今日で、「あなた」が居た時間も、いなくなった後も、世界は世界なんですよねえ。
静寂のけだものは懐かないし嘲るけれども、たぶんずっと一緒なんでしょうね。