ミュージカル「神が僕を創る時」
竹中さんがやるミュージカルなんて最高じゃないか??と思って見てきた。
あと滅亡迅雷の亡がいたし…
端的に言ってめちゃくちゃ面白かった!の話。
以下ネタバレ
30歳の人生で一番ラッキーだった瞬間に死んだ主人公「林」が自分の人生ずっと不運だったのは神様が作った時に何かミスがあったに違いない!と談判しに行く話。
享年は30だけど遺影は高校生の時の写真だったので高校生の姿。まあ竹中さん実際31だけどお顔が永遠に若々しいので全然高校生に見えるんだけど…潔くんやってるし…
セリフと歌の導入がスムーズで聴きやすい。
最初の神様の人間作成ソングはちょっと自分の準備不足でちゃんと聞き取れなかったけど、まあいろんな要素が入ったフラスコからボールに適量それを入れて人間にするんだなってのはわかったので問題ない。
神様、宝塚の方ではちゃめちゃ神様感がすごい。やっぱ宝塚の方ってパッと雰囲気違うから映え方がすごい。マント捌きがめちゃくちゃかっこいい。ターンするだけなのに花が散るような幻覚が見える。
神様を認証させる?ポーズも体感がビシッと決まっていて本当に美しい。竹中さん対応しきれなくてブレブレになってたのちょっとおもしろかったな。あ、これ打ち合わせしてないやつだな、って感じで。
アフタートークでやっぱり急遽体が勝手に動いちゃってwと仰っていたが勝手に動いたポーズがバチバチに決まってるのかっこいいな。
女子は乃木坂の子だったみたいですね。溌剌とした喋りと綺麗な歌声がすごく素敵だった。あとおばあさんになった後の演技がすごく良かった。元気で溌剌だった少女が老いて戦場で遺影を撮っている。神様の気紛れで生き直した少女。作中の全員を救ってた。
亡…もとい中山さんはゼロワン以来だったのだけど、相変わらずのミステリアスイケメンと思わせてのコメディーパートが印象的だった。
ゼロワン円盤の特典映像でキャッキャしてるところは見ていたけど演技で見るのは初めてだったので…というかもうめちゃくちゃイケメンに成長したなあって…ミステリアスで性別不明(そもそもアンドロイドなので性別はない)美少年だった亡が…
何でも持っている人間として生まれて生きてきたけれど、頂点の栄光を維持できずに挫折からの自死、地獄の獄卒かアンチウィルスソフトみたいな仕事をしている。
最後、自死した自分を思い出して打ちひしがれる流れがとても切ない。
何でも持っているように見せて足りないものもあったんだねえ。なんだかバンプの「66号線」を思い出した。
そして竹中さん。お席が花道のすぐ脇で走り込まれると風圧がくる距離。ちっかい。すごい演技いっぱいみれるじゃん。とか思っていたけどそれ以上にいろんなパフォーマンスが見られる今作、めちゃくちゃ良いところ全部見れるじゃん最高!って思ってた。珍しく愚痴っぽく、やいやい言う感じの役だったのも面白かった。
にしてもこの人、やっぱり歌声綺麗だしダンスも美しいしほんと見惚れる瞬間に事欠かないな…
神様を出し抜いて、幼馴染のスペックを強奪して最高の人生をやり直すんだ!という意気込みから、生き直すにしても今の自分のスペックを見つめ直して生かしていこう、という心境の変化がとても丁寧。
このシステムのウイルスになってやろうぜ!の曲のダンスが良すぎる。ああいうちょっとヒップホップっぽいの?ボクマダの時とかも思ったけどマジで似合うというかバチバチに決まるな…すごい良い。
話はファンタジーでコメディーな感じかと思ったらかなり重めの話が入ってきたりしてなんだかアレン座の舞台っぽいかも、と思えたのが親しみやすかったのかもしれない。「秘密基地」っぽかった。
見る前は小説「カラフル」を思い浮かべてたので良い予想外だった。
韓国ミュージカルって聞いてどんなものが出てくるの?って思っていたけどめちゃくちゃ楽しめたな…
最後後ろ手に手を振って「バイバイクラウド」って言うの、ほんとラストとして良すぎた…次の人生はその嫉妬深くてクレイジーで意地っ張りで諦めが悪い自分で幸せになってくれ…
そういや終盤、階段をめちゃくちゃ登ってきたからシステム側に侵入出来たんだ、他のやつはエレベーターに乗ったから即ゴミ箱行きだったけど。の話、すごい昔に細美さんが「自分は遠回りだってわかってても一段づつ階段を登るしかないんだ」みたいな話をしていたのを思い出したなあ。
なんだか見ている瞬間瞬間からどんどんいろんな今まで見てきたものが浮かぶ、面白い舞台だった。