【レビュー】違う冬のぼくら/BOKURA
相手と認識が嚙み合わないなかで協力して進んでいく、2人プレイ専用のパズルアドベンチャーゲーム
同じもの見てるはずだよね…?
非対称な2人用パズルゲームでは各キャラクターの固有な能力で助け合ったり、隔離されて互いの情報を共有しながら進めたりするものが多いが、このゲームでは違う。同じ場所にいるはずなのに、お互い見えているものが異なっていて、相互の認識をすり合わせながら進めていく必要がある。認識齟齬が一つのギミックとして立ちはだかり、言葉にする重要性を感じた。
見え方が違うと感じ方も違う
一方は絵本のような動物の世界、一方は近代的なロボットの世界が見えているが、この影響はパズル以外にも表れ、同じ出来事でも"有機質"的な描写と"無機質"的な描写で抱く感情が全く異なる。ロボットゲームでは普遍的な出来事も動物に置き換えると衝撃的なものになるんだな…と新たな視点に気づかされた。
総評
長所
現実の問題を考えさせられるストーリー
認識齟齬から生じる驚きが多く、飽きにくい
総プレイ時間が短く、気軽にプレイできる
短所
慣性が強く、ジャンプ関連の動作が慣れるまで少し難しい
軽度のグロテスクな描写
ロボット側の視点では、操作可能な箱などが背景と同化して見えにくい