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パズルのひとピースでありたい

文章の書き出しってすごく迷いますね。
何か特定の挨拶的なものがあれば書き出しがスムーズに行くかもしれないなと思って書いてます。どうも私です。

1日に何度も投稿したくないのですが、有り余る時間と書きたい欲を抑えられず「ストック」という形をとっています。
鉄も書も熱いうちに撃つのがいいと思う。
書きたい時に書く、言葉にするというのがこんなにも気持ちのいいことだとは分からなかった。こそこそ隠れながら文章を書いていた中学生の頃の私に伝えたいと思う。(そして誰かに見てもらうというのがすごく嬉しいということも…見てくれた方ありがとうございます)

前回の投稿

でもお話しした自己肯定感、自己承認にしっかりと繋げられており、今までなんとなく薄らぼんやり暗かった人生にパッと色が添えられた気がする。(と、大袈裟なことを言ってみましたが本当に嬉しいですありがとうございます)

さて、今回もまた読んだ本の話。

記事を読んでくれた友人が乙一が好き!ということでおすすめを聞いてみたところ、

暗いところで待ち合わせ
著:乙一

私はこのタイトルを聞いた途端に「あ、それ知ってるめっちゃ表紙怖いやつだ」と思った。
なにせ表紙が怖すぎて手元に置くことすら躊躇ったため、読むのを最初から放棄した作品である。

しかし友人からの「ラストでにっこりした」との感想と大電子書籍時代である現代、表紙を見ることも少なかろう、と今回読んでみることにした。

余談であるが、未読時の妄想あらすじとして…
「小学一年生のよしおくんは、友人のあきらっちょと一緒にふざけ半分で深夜の学校に侵入してしまう。深夜徘徊を楽しんでいた二人を待ち構えていたのは影しか見えない不思議な生き物だった」みたいな最初ハートフルに見せかけて結局は皆殺しエンドのイメージ。どうせ怖いんでしょ!暗いところで待ち合わせしてたのは人を誘うために人の言葉を覚えた化け物なんでしょ!!!と某フリーレンを見ていた私はありもしない妄想を膨らませておりました。

んで、実際読んでみてなんですけど…

めっちゃ面白い!!!!

めっちゃ面白いだけだと「そんなの知ってるわ!!」とクレームを入れられそうなのでしっかり面白いポイントを語ることする。

あらすじ

目の見えないミチルの家に、殺人容疑で警察に追われたアキヒロという男が逃げ込み、気付かれないように潜み始める。数日後、ミチルは誰かがいることを確信するが、「もし悪い人で、襲われるようなことがあったら、舌を噛み切って死ねばいい」と思い、気付かないふりを続ける。

Wikipedia

読み終わったあと、「暗いところで待ち合わせ」というタイトルのイメージが変わった。
物語は「ミチル」と「アキヒロ」の視点で交互に語られていく。一方の目線でしかわからなかった行動の意味がもう一方の視点で解説されていくというパズルのピースを埋めて行くようなしっかりと答え合わせされるような気持ちよさを感じる話だったし、状況的にはかなり不気味な話なのに、どこかほんのり温かさを感じる物語だった。(バスで読んだのですがちょっと泣いた)

ミチルとアキヒロはお互いの経歴に多少違いはあるけど共通点が多くて、植物のような生き方を受け入れ、「そう生きるべきなのだ自分は」とどこか達観してしまっている。私はそれを読んでなんとなく自分も持っている痛みの隠し方だなと思った。だからこの主人公の二人に深く感情移入してしまったのだなと思う。

痛みを隠すために人間はよく痛みを受け入れる理由を探してしまう。この痛みは正しい反応だと思っていないと心がやられてしまうから。痛かったら痛いって言えばい〜じゃないの〜なんてズケズケ踏み込んで自分を救い出してくれる大阪のお母さんなんて居ない。
ただ、この二人はその痛みから目を逸らさなかった自分を変えようとして…そして変えた。よく、主人公が仲間のピンチを目の前に覚醒して敵を倒すというシーンを見たことがあるが、そんな綺麗な展開ではない。過去のトラウマ、平然を装っていてもじんわりと滲む手のひらの汗、一度挑戦に対する挫折を「二人で」乗り越えて二人は自分で自分自身を救うのだ。泥臭くてかっこいい!

暗いところで待ち合わせ、最初は仄暗い気持ちを持った者たちが光を避けながら過ごして行くダークネスな話かと思っていた。
詳しくは言えないけれど、この待ち合わせは二人にとってハッピーな待ち合わせを意味しているのだと読んで思った。

と、真面目な感想を書いてしまった。
私はもう一つこの話の好きなところがあって、ミチルとその友達とのやりとりである。
ミチルの友達めっちゃ明るい!!!!!多分ミチルにとっての太陽みたいな存在なんだろうな…と思いながら読んでましたね。
ただ暗闇の中を生きるミチルにとって本当に必要なものって太陽じゃなくて月だったのかな…みたいなことを思った。太陽は自分を照らしてはくれるけどやっぱり照らされた自分が立ち上がらなければ照らしてることに意味がなくなってしまう。なんなら這いつくばっている自分をありありと見せてくる。でも、月は自分じゃなくて自分が進む道を照らしてくれる(という私の偏見的意見ですが)ので、這いずりながらも心の暗闇の中を抜け出すことができたんじゃないかな〜みたいなねっ!
なんかね〜ミチルが一人で歩いていくためにアキヒロの存在が絶対不可欠だったし、その後の人生を歩いて行くためにさミチルの友達の存在も不可欠。

多分みんな誰かの何かのためのひとピースなんだなと思う。自分が立ち上がるために、進むために、誰かと生きていきたいし、私がその誰かが進むためのひとピースであればいいな、と思った。

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ちなみにこれを機に乙一もっと読みたい!になったのでおすすめいっぱい教えてもらいました。
人生が充実している音が最近するよ。

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