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私たちは後ろに落ちていく
夕陽が落ちていくのを見る時、
私が後ろに落ちていっていることを想像させる
全世界が後ろへ回転し、夕日は安全に見えなくなる
太陽が映す雲は最後まで赤く残り、その時振り返れば反対側にはもう漆黒の空がやってきている。赤と漆黒の中間を深く静かな濃紺の青が占領して、その青はため息が出るような美しさ
月はいつでもそこにいるわけではないことが、突き放されたような寂しさを感じさせて
地球が回るから太陽が沈むことも、
次はいつでも同じ面を地球に見せて回っていることも、「そりゃそうだ」と言いながら無碍に信じることができず、宇宙の神秘を全身に感じて地球が後ろに落ちていくことを実感する
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それは当たり前のことで、奇跡的なこと