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5行思考文 (487) - 氷の追憶 -


バケツの表面が凍っていた、小学生の頃の話だ。僕は表面の氷を上手に取り出した、指が真っ赤になった。その氷はガラスのように澄んでいて、製氷機の氷とは別物に見えた。『水全体を凍らせなければ透明な氷が作れるんだ』僕はなぜか自然とそう考え至った。ボウルに水を張り、冷凍庫で7割ほど凍らせて作った透明な氷で水割りを飲む。あの冬の僕の大発見を思い出す。




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