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5行感情論 (56) - 言葉にできない -


器から汁を吸う。酒粕の明瞭な香りと根菜の曖昧な香りが一体となり、私の鼻に今、幸せが発生した。それを逃したくなくて本能的に息が止まる。覚悟を決めて、天井に向かって大きな息を吐いたら、箸で具をつまみ、口へ。汁を吸い込んだ油揚げは当然の如く先ほどの汁よりも美味いのだ。葱は姫・・・
粕汁は、ややこしい味がして美味しかった。

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