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前代未聞のM-1グランプリ 決勝【感想】

M-1決勝戦の感想書き殴りです!

私の3連単予想はこちら

惜しい

劇場で生で観て面白くて、1番応援しているダイタクを1位にしました。双子の生き様が評価されて、ドラマチックに駆け上がるんじゃないかと。
あと2組は審査員に絶対認められるはず、と打算的に考えました。
令和ロマンは予選の時点で圧倒的なウケだったので、今年も結局、審査員に「漫才が本当に上手い、点数つけざるを得なかった」と評されるのでは?
バッテリィズはキャラクターとシステムが斬新で、去年の敗者復活を観た時にビビッと衝撃が走りました。優勝するんじゃないかと。ただ2019のぺこぱのように1本目は高評価、2本目は周りに押されそうなイメージだったのでこの順位に。

FIRST ROUND

令和ロマン

08年の敗者復活ですら顔が動じなかったあの今田さんも顔が驚愕の表情に変わるレベルの衝撃、阿部一二三のミラクル神引き、他からすれば害悪で災厄
なんで決勝の、それもあれだけ不利と言われ捨て駒のように扱われたトップバッターで、準々決勝のラパルフェクラスのビッグバンを落とせるんだよ!
今までのトップの散々な言われよう、「2連覇なんてするな!」と愚痴られ続けた結果、せり上がりママタルトが霞むレベルの前フリになり大爆発したと思ってる。
今回の審査員にも、観客にも、次の世代にも伝わる分かりやすさと、前回よりドラマ性の強い伏線回収で大笑い!
去年あまりウケてなかった小さなボケすら全部大笑いできたのも強かったなぁ。王者の貫禄か。
間違いなく空気が「2連覇」の方向に向かい出してた。

ヤーレンズ

つかみで「終わらせよう」に触れていたのは負けじと放ったものなのか。過去の大会ではほぼなかった前の組弄りをしてまで止めに行ったのか。
ただ、ピンとこない名前や歌も軸に入っていたのがちょっとハマらず。亀梨くんの歌が分からなくて笑いが静まってしまった。申し訳ない。逆にいくらのくだりとか、くだらないボケでは笑いが盛り上がった。
それなりに笑いは起こるけど、大爆笑を掻っ攫っていた令和ロマンの圧巻のパフォーマンスと比較されると、笑いの強さが足りず。そしてやや点数が下がる形に。
一緒にチャンピオンを目指して戦っていたのに、ライバルははるか上の山の天辺まで登っていってしまった…ってポケモン金銀かよ。

真空ジェシカ

ついに時代が追いついた。いや、「審査員がついに全員ボケが理解できたのでは?」と思ったけど、川北さんが僕らにちょっと寄ってくれたという方が正しい気がする。前回「もっと欲しい」と言っていたともこさんの点数が上がっていたことが嬉しい!
狂気と分かりやすさが両方とも上がっているのは流石すぎる。最初にあった「ミーム系の分かりにくさ」はあるけど、それがジャブだった分、選挙戦のくだりは話題性が抜群でめちゃくちゃ笑ったし。あと最後の方に長い「間」を取るボケも少なく、ヤーレンズみたいなスピード感を兼ね備えてきたから「もっと見たい!もっと来いよ!」と漫才中に感じるほど濃密な4分だった。じゃんけんのやつとか、迷走した店とかも笑っちゃったな。
「NHKを〜〜見る!」ポスターは良いことを言っているのにちょっと悪く聞こえるw
よく生き残ったねぇ。

マユリカ

準決勝のネタをやっちゃったか〜の印象。
前回の敗者復活の失敗を活かせてなかった。敗者復活戦の順番を見るに15〜20位くらいと評価されたネタだし、トップクラスのウケを獲るのは難しいんじゃないか。
実際、最初に爆発はしたものの、最後になるにつれて笑いが尻すぼみになっていった。「ゆでたまご」はハマらなかったな。でもいざ終わってみれば「うんこサンドイッチ」でイジられ、「大急ぎで負けに来たんですか」と審査終わりになってからも笑っちゃった。
後の組が敗退しても、ネタ終わりに盛り上げて面白くできたのは前例を作ったマユリカの功績が大きいと思う。出順は最悪クラスだろうし、この役回りはしょうがないなとも思った。

ダイタク

1番応援してた。最後の最後でやっと決勝の舞台に立てたラストチャンス
しかし出順が悪い。逆風が吹く中やったネタはウケてはいたけど令和ロマンに比べるとやや盛り上がりが足りなかった。いや、エピソードが一個一個強いというか、この2人だからこその独自性があって強烈なんだけど、準々決勝で危惧した「天丼だしもっと展開が欲しいと評されそう」が見事に当たってしまった。
あと2人の持ち味である「伝家の宝刀」は掴みだからかめっちゃウケてたけど、ネタの構成上エピソード披露後の「おい言うな〜」は全て笑いにかき消されてしまって「そこも笑えるのに!」ともどかしい気持ちになった。いつか「双子」が天下を取る日が来るのか…?

ジョックロック

なんで国家に物言う組が3組もいるんだよw
ツッコミで大爆発!を狙っていたけど、ツッコミに時間がかかると思われて爆発までで終わってしまったのが惜しい。予選だと和太鼓まで爆発してたのに。
でも「やっぱりマイナンバーカード作るの怖いなぁ!」は好きだし「ピンと来ない人は健康でよかったですねぇ!」の2段オチも良かった。
また真空ジェシカの逆バージョンで、ありふれたボケに癖のある強烈なツッコミが入る形だけど、福本さんのツッコミだけではなくゆうじろーさんのボケも評価の対象に入ってしまったことは想定外だったと思う。ベテランの真空ジェシカより前に登場したかったかも。

バッテリィズ

令和ロマン以来の大爆発。エースさんの「アホさ」が掴みで一気に浸透したのが分かった。
予選で感じた、偉人の名言を知らないと分からないかもしれない…という心配をよそに、正直でもアホな感想は「確かに!」という説得力と「何を言ってるんだw」というおかしさが混ざっていて、どんな人でも笑えてしまうパワーがあった。
塙さんも言ってたけど「細そうすぎ」ってワードなかなか出ないって。
自分としては寺家さんの畳み掛けが2度あって両方最高に笑ったんだけど、予選より大爆発ポイントを増やしてきて最高潮レベルで盛り上がってた。おバカがボケて皆に呆れられるのではなく、正論ツッコミをやって皆の共感を誘うのも真新しくて好き。
そして1st後半なことも相まって点数も爆発、ラスボス令和ロマンを抜き暫定1位に。

ママタルト

せり上がりが成功したのが1番笑ったw …のだが、そのせいで最初の大きなボケ+ツッコミの笑いが小さくなってしまった。
準々決勝では桶と子供が流れるからガラッと空気を変えていたのに、「あれ、おかしいな?」と勘づいてしまった。
あと直前のバッテリィズのおバカさに比べると意外とボケがバカになりきれないというか。体が大きいという「分かりやすさ」が求められてしまったと言うのかな?ツッコミの後に大爆発は起きてなかったのが痛いところ。
本来ならハゲが露呈したところ、もっとウケても良いのにな。自分は不憫に感じてめちゃくちゃ笑っちゃったのに残念…。
肥満さんが何度も前転するところが長くて笑いが止んでたのも惜しかった。

令和ロマンの席、今見ると2連覇の2にしか見える。

エバース

めちゃくちゃ惜しい。最初の28日と3月1日のくだりはちょっと難しくて入り込みにくかったけど、町田さんが入ってから一気にコミカルになって大笑いした。
やっぱり町田さんが不憫な目に遭ってツッコミにキレがかかっていく展開がだんだんツボにハマっていくなぁ。予想通り審査員にも高評価だけど、あと数点足りず敗退。令和ロマンの作った最初の盛り上がりが強すぎることと、バッテリィズの作った盛り上がりがママタルトで下がったことが敗因な気がする。
ネタはトップクラスの出来、でも今回は9番手ということもあって逆風だったことも考えると大健闘な気がする。点数も5位と大差つけてネタも温存。町田さんも知れた。来年は虎視眈々と優勝を狙えそう。

トム・ブラウン

準々決勝は1番ウケてたけど、昨年の敗者復活戦でシステムを知っている人が多かったからなのかも。
テレビ番組は観るけど「劇場や予選のお笑い」を知らない人から見ると、訳の分からないものを延々と見せられて、笑って良いのかどうかすらよく分からなかったらしい。(よくバラエティを観るうちの家族曰く。)
最後の方は去年よりゼーゼーしていて笑いより「頑張れ…」という応援の方が勝ってしまった。予選ではやりきれたのに。緊張か、はたまた10番手で待ちすぎたか。4番手くらいだったら台風の目になれたのかもしれない。
最後に剛力彩芽さんの名前を出したせいでトレンドに残ってるの本当にもうwww

最終決戦

真空ジェシカ

長渕剛はあまり分からないけど、アンジェラアキは流行ってたので物凄く理解できた。だから歌も発想も動きも全部狂人で面白すぎる。ヤバいやつだと思ったら本当にヤバいやつだった。ヤバさを出してくるテンポも早くて盛り上がってた。
しかも自然な伏線を張っていて、「そういえば…」と感じた時にタイミングよくネタバラシしてくれたのも気持ちいい。歌も触れてなかったけど替え歌してたのも吹いちゃった。何なん「読んで読む手紙」ってw
「分からない」という評価を押し退けて「理解が及ぶ範囲にありながら発想がぶっ飛んでいる」評価にまで変貌した感じだった。
最終決戦前のコメントで直前に敵に塩を送ってしまったのだが…。

令和ロマン

最終決戦の中で群を抜く盛り上がりで、2人が輝いて見えた。
前半の説明パートでも笑った。クマザルになるまでのくだりのところ、くどい部分はあったが去年よりもくどさがなく、むしろ1本目と同じく小さなボケでも全て笑ってしまった。
そして後半になるにつれドラマも引き込まれる。2.5次元俳優が出てくるところはアカデミー賞の映画にいきなりコスプレが出てくるみたいなおかしさでめちゃくちゃ笑った。
そして最後に全員を蹴散らしていく姿はまさに2連覇のために他の芸人を蹴散らしていく悪役らしさと、ドラマ終盤のヒーローらしさが組み合わさって最強のオチ。あそこは見ているうちに画面がオーラを纏ったように光って見えた。既に2連覇の空気を作っていたと思う。
エントリーナンバーも全部2の倍数とか、絶対偶然じゃない。

バッテリィズ

去年の敗者復活と話題が同じだったが、内容が違うブラッシュアップだった。真空ジェシカ・令和ロマンのコント漫才の圧がもの凄かった分、システマチックなキャラしゃべくりの真新しさと、漫才そのもののインパクトがやや消されたように思う。最後の墓ラッシュもピラミッドまではめちゃくちゃ想像できて笑ったんだけど、大仙公園はピンと来なくてちょっと僕は鎮まってしまった。それはすまんやけど。
ただエースさんのキャラが1本目で伝わっていたから「墓じゃん…墓じゃん…ですよねー!」という新喜劇っぽい期待の笑い方ができて楽しかった。何より3連単投票だと9位だったのにここまで来るとは。ぺこぱの様なダークホースで大会の盛り上がり方もえげつなかった。

まとめ 3部作の完結とこれから

M-1グランプリ2024で、旧・2015〜2017、2018〜2024と、まさに『漫才過剰考察』でも書かれていたような形で一区切りしてしまった。
3部作のアニメとかゲームが終わってしまった感じ。次はレインコードみたいな変わり種のドラマが始まってくるんじゃないか。
来年の注目株が準々決勝・敗者復活戦・決勝戦で見つけられたのも満足だし、令和ロマンの戦略と攻略のおかげで決勝の盛り上がりは過去最大級だった。あと敗者復活の戦略性(バレてるからボケを変えたりネタを変えるなど)がくるまさんの影響で広がっていたのも盛り上がる一因だったと思う。
審査員の代替わりも必要な一手でもあるし、また賛否両論な紳助さんの言葉も、大会の格を上げてくれたのだと僕は思う。

令和ロマンの2連覇もネタを2本見てしまえば納得の盛り上がりだった。予選でもイチウケクラス、決勝でもイチウケクラスだったが、この空気を誰も塗り替えられなかったか。次は出ないっぽいし、2025年は久々に初決勝ノーシード優勝あるかも?
さっきも言ったけど、自分としては紳助さんの言葉で松本さんのいなくなった分の格がちょっとばかし戻ったと思う。隠し味レベルだろうけど。
単なるバラエティとは一線を画すような演出で、新時代の幕開けが到来したような感じを受ける。
その後くるまさんが「終わらせよう」と言って入り口を閉ざしてたことも含めてw

自分の中での来年注目株!

来年も準々決勝みようかな。
知らない芸人さんのネタを発見できるのも楽しい!

準々決勝敗退組

イチオク、20世紀、パーティーパーティー、たくろう、からし蓮根、ケビンス、イチゴ

敗者復活戦敗退組

金魚番長、家族チャーハン、スタミナパン、ひつじねいり

決勝戦敗退組

バッテリィズ、真空ジェシカ、エバース

個人的な応援組

フースーヤ、ナイチンゲールダンス、インディアンス

M-1ツアー当たるといいなぁ。

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