小川さん
ジムの会員に消防士さんがいます。
息子の同級生のお父さんです。
YouTubeの練習動画にもコメントを入れましたが、
数少ない僕の運動会の弁当を見ている人物です。
もう、二度とあの頃に戻りたいと思いませんが、
でも一杯一杯やっていました。
いつも周りの目を気にして小さく、でも、虚勢を張って
胸を張っていた頃です。
別に周りの目を気にしてのことではありませんが、自分が
父親になったらこういうことをしたいという想いがいくつか
ありました。
女性がいつか母親になることを夢見たように、僕にもいつか
父親になったらこういうことがしたいという様な想いがありました。
その中の1つが弁当です。
親としてしてあげられることは、思い出作りです。
他にはない、自分だけの思い出作りです。
時間は戻せません。
だから、周りにはない息子だけの思い出作りが必要だと考えました。
運動会で他人とは違う弁当、後に笑い話になる様な個性的な、
でも、ユーモアのある弁当を父親になるずっと前から考えて
きました。
ええ、それが素麺です。
素麺がまだ、コンビニの弁当になかった頃です。
既にあったとしても店頭になかった時期です。
もう、5月が運動会になっていた時期です。
昔と同様な時期だったとしても、10月には店頭から素麺は
消えています。
コンビニで袋詰の氷を2袋買い、淹れたコーヒーを
持参して、紙コップでホットのままだったり、その中の
氷を出してアイスコーヒーを作ったりして運動会を眺めます。
勿論、溶けた水は捨てません。
昼時、溶けた冷水を素麺にかけ麺を解し、麺汁に足して
冷たいつけ汁を作ります。
晴れていたら勿論ですが、曇っていたって初夏の外に居っぱなしは
日疲れするのです。
なので、さっぱりしたいのです。
でも、昔からそうですが、見渡すと唐揚げとかいなり寿司とか
食欲の失せるのもばかりで皆さん賑わっています。
昔ながらに並行したのでしょうが、「他人は他人自分は自分」です。
自分の親を否定しませんが、でも、自分がいつか親になったら
こういう弁当を作ってあげようと思ってきました。
それが素麺です。
視線はいつも感じます。
訝しげな視線です。
「あんなもの食べて。」
とでもいいたかったのでしょう。
でも、それは怪訝な視線からすぐに羨望の視線へと変わるのです。
「うちも来年、あれしよう。」
そんな声が幾度も聞こえました。
校庭で素麺を啜る僕らを誰も振り返ります。
そして、その後にその氷で冷やした小玉西瓜を切って齧りつきます。
温いオレンジとかあれば食べるでしょうが、あえて食べたいとは
子供心に思わないのです。
欲しいのは温度です。
オレンジだって冷えていればよかったのかもしれませんが、
やはり西瓜です。
水分が豊富で、冷えていたらなお美味しい果物といえばやはり
西瓜です。
冷たい西瓜を齧りつく僕らを見て周囲は以下同文。
卑屈な人は目立とうとしてとか精一杯の僻みをいうのでしょうが、
残念ながら理にかなっているので仕方ありません。
運動した子供も、ずっと外にいる親にもさっぱりしたものが
欲しいはずなのです。
運動会の弁当とはこうあるべきだみたいな概念を捨てれば。
そんな時代を見ている会員です。
勿論、当時はお互いのことを知りませんし、僕もただのコンビニの
倉庫とか警備員でした。
ジムを開いても数年の間は。
何回か近所のコンビニ等や駅周辺で顔を合わせたことはあるのです。
でも、それだけでした。
少しして、会員になりました。
以前、「働くおじさん」について記したと思います。
幼少期、そういう番組を見て育ったという様な記述です。
だから、他人様の仕事の話を聞くことが好きだという内容です。
小川さんは消防士です。
バックドラフトやめ組の大吾など、映画や漫画しか知りませんが、
大変な仕事だなと思います。
警察官、自衛官、消防士、国民のために大変な仕事だなと思います。
僕には出来ません。
電車の車掌している会員もいます。
轢死の遺体処理は車掌や消防士などだそうです。
そんな些細なことすら知らないまま素通りしてきました。
その時の模様を顔をしかめながら伺います。
それだけではないですが、大変な仕事だなと思います。
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キックボクサーな日常と、立嶋な日常
100戦してこれまでの減量や試合にまつわる客席からは 感じることのできないことなどを 綴れたらなと思います。 なんの参考にはならないけれ…
これがなんのことやらか、ようやく 理解しました。 どうもです。 頑張ってホームラン打とうと 思います。