9月CPI発表直前:政策金利と米国株市場の今後を分析
本日10月10日(日本時間21:30)に発表される9月の消費者物価指数(CPI)には多くの投資家や経済アナリストが注目しています。
特に先週は雇用面でも堅調な米国経済が確認されたことから、インフレが想定通りに沈静化するかに市場の注目が移っています。
今回は、CPIの見通しとその結果が政策金利や株価にどのような影響を与えるかについて考察します。
9月CPIの見通し
労働省は9月CPIが前月比0.1%の上昇、前年比2.3%の上昇になると予想しています。
さらに、エネルギーや食品などの変動の大きい項目を除いたコアCPIについては前月比0.2%、前年比3.2%の上昇が見込まれています。
この予測値は、インフレ率がFRBが目指す2%という目標に徐々に近づいていることを示すものです。
FRBの金融政策はインフレ率に大きく依存しており、今回のCPIデータが今後の政策金利決定にどのように影響するかが注目されています。
CPIの結果が政策金利に与える影響
10月9日(水)に公表された9月FOMC議事録では、FRBの政策決定者たちが利下げの幅について意見が分かれていたことが明らかになりました。
0.25ポイントか0.5ポイントの利下げのどちらを選択すべきかで議論がありましたが、最終的に0.5ポイントの利下げが実施されました。
これは、経済データが弱含みつつある中で、FRBが景気を下支えする必要があると判断したためです。
しかし先週発表された雇用統計では予想以上に雇用が強かったことから、9月FOMCの大幅利下げの妥当性に疑問を抱く声も上がっています。
さらに11月FOMCに対する市場見通しでは0.5%の大幅利下げの可能性は消滅し、0.25%の利下げがメインシナリオとなっていますが、場合によっては利下げ見送りとのシナリオもわずかですが想定されています。
このような状況下ではインフレ指標が今後の政策金利の鍵を握ります。
今回、インフレが予想範囲内で推移すれば、FRBは緩やかな利下げペースが維持して、インフレ率と政策金利のギャップを徐々に埋めにいくと予測されます。
しかし、インフレが上振れした場合には、前回の大幅利下げは正当化されず、FRBは利下げペースを遅らせるか、利下げを見送る可能性も出てきます。
株価への影響
市場の反応も、CPIの結果次第で大きく変わるでしょう。
大きなサプライズがなければ、今回のCPI報告は株式市場に大きな影響を与えないと予測されています。
インフレが徐々に落ち着く中で、経済データは回復傾向にあり、これが市場の安定を支えています。
この場合には現在の強気相場が続く可能性が高いです。
しかし、もしCPIが予想を大きく上回るインフレ率を示した場合、FRBの金融政策が予想通りに進まないリスクが高まり、一時的に株価にマイナスの影響を与える可能性があります。
私はこのシナリオの可能性はそれほど高くないと考えていますが、結果には注意したいですね。
今後の見通し
9月のCPIが市場予想通りであれば、FRBは引き続き慎重に金融政策を進めるでしょう。
段階的な利下げが行われ、インフレ抑制と経済成長の両立(ソフトランディング)を目指す姿勢が維持される見通しです。
一方、インフレ率が予想外に高くなった場合、FRBの利下げペースが鈍化する可能性があり、市場にとって不確実性が増すことになります。
雇用を含め米国経済が堅調である中で、CPIとPPI(10月11日に発表)で示されるインフレの行方に注目したいですね。
米国株投資の手法はこれらの本で学びました。
特に「MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」はKIndle Unlimitedの読み放題に入っています。
毎週末週報で投資戦略をアップデートしています。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
この記事が読者の皆様がリスクとリターンを考慮したより良い投資判断を行うための手助けとなれば幸いです。
この記事が役立った場合は、スキ・コメント・フォローなど頂けますと励みになります。
*個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。
*実際の投資判断については自己責任でお願いします。