風船
もし私が地から浮き上がり、空の果てで弾け飛んでしまったとしよう。
アナタはどう思うだろうか?
空を見上げるだろうか?行ってしまったと思うだろうか?はたまた悲しんでくれるだろうか?
なにを思ったとしても、きっと明日には何事も無く生きている事でしょう。
私という存在はそんなものなのだ。関心や執着を覚える程の個では無い。有ったとしても刹那で感情は抜け去り、忘れ去られていく。
そう、まさに風船なのだ。子どもに無料で配られる風船。貰ったら嬉しいだろう、飛んでいったら悲しいだろう。だが、その感情を何日も何年も引きずるだろうか?無いだろう
飛んでいって悲しかったとしても他の代わりの物を貰えたら、もっと可愛い物を貰えたら、その感情は上書きされるだろう。
両親はそんな物に一喜一憂する子に肩をすくめるだろう。そう、そんなものだ。
私はそんな、人の地から離れ空を漂う風船なのだ。味方はない、嘆きもない、代わりなど幾らでもある。一時の感情しかもたらさない。人足り得ぬものだ
だがもしも、私との別れを惜しみ、幾時も嘆き代わりは無いと願うあなたがいるならば、私は果ての先で木にでもかかりながら、再びまみえる事を願い、散るよりも朽ちる事を選ぶだろう。