さよならのラブソング - episode 24
ダリアンの家に着くと、ダリアンは入り口の向かいを指差した。
「いつものところに行ってて。」
ダリアンの家の目の前は崖のような急斜面で、まばらに木が生えている。サラがヒョイとその斜面に入っていった。僕もついて行くために木をつたいながら降りていくと次第に足元がジャリジャリしてくる。砂になっていてそのあたりには木が生えていない。僕は油断して滑ってしまい、そのまま尻餅をついて下にたどり着いた。澄んだ海、白くだだっ広い砂浜、海風、波音。家の徒歩圏内にこんな場所があるとは羨ましい。このままここでボーっとして日常の喧騒を忘れたいと思った。
「たいちゃーん、大丈夫?」
先に進んでいるサラがビックリしている。いけない。ちょっとカッコ悪くて恥ずかしいのを押し殺しながら
「大丈夫だよ!滑っただけだから!」
と立ち上がった。
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さよならのラブソング
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” …忘れないで。 …誇り高き時代があったことを。 …温かく優しい世界を。 ” ある日を境に見たこともない地図にもない島に来てしまった主人…
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