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さよならのラブソング - episode 19

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>> episode 18

「普段はわき水を飲んだりはするかなぁ。ワシは沢でゆったり歌でも歌うのが好きじゃから。」
緑の三角帽子を被った老人が考え込む姿勢で答えた。エリさんがその老人の方を向いて
「サマルさんはそうね。沢に行ったらいつもいるわね。住んでるみたい。ウフフ。」
と笑った。
「わき水のエネルギーはなんだかこう、シャッキリなれるのでな。そのときは若い身体になれるんじゃよ。」
と老人サマルさんも軽快に笑った。
「それ…だけ?お腹は空かないんですか?」
と訊くと、ダリアンが察したように答えた。
「お腹は空かないよ。基本的に食べ物は要らないんだ。こうやって、時々他の生き物が分けてくれたものをみんなで食べたりはするよ?だけど、これはお腹を満たすためじゃないんだ。」

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463字
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” …忘れないで。 …誇り高き時代があったことを。 …温かく優しい世界を。 ” ある日を境に見たこともない地図にもない島に来てしまった主人…

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