明晰夢は現実にならない

皆さんは明晰夢というものを知っているだろうか…

明晰夢というものは、睡眠中の夢を夢だと自覚している夢のことである

しかし、明晰夢の経験者はこう語るらしい

『明晰夢は夢の状況を思うがままにコントロールできる』と…

俺四宮○○はもちろん明晰夢を見ることはできない

でも寝る前にこういう夢が見たいと願ったことは幾度とある

願う夢とは幼なじみの井上和が登場する夢である

和は俺の好きな人であるが、和は俺のことをただの幼なじみとしか見ていないようだ…

学校にて…

○○:おはよ、和

和:ねえ○○、私には家の近く以外で話しかけないでって言ってるよね？

○○:ごめん、挨拶ぐらいは良いかなって…

和:良くないから…周りに勘違いされるし…

○○:そう…だよね…

もしかしたら和は幼なじみどころかもう俺のことを友達とも思っていないかもしれませんが…

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○○:今日はどんな夢が見れるかな…

俺にとって夢を見ることは1つの娯楽みたいなもので、いい夢でも怖い夢でも楽しむことができる

○○:いい夢が見れるといいな…

そんなことを思いながら眠りについた

和:ねえ、○○？

○○:なに？

和:私今日水族館に行きたい気分なんだけど…どうかな？

○○:(今日の夢は和が出てくるのか…)

和:嫌かな？

○○:全然嫌じゃないよ？行こうよ！

和:やった！

○○:(俺もこんな生活したいな…)

和:○○？ さっきからボーッとしてるけど大丈夫？

○○:だ、大丈夫だよ！(この夢、なんか少しおかしい…)

和:ならいいんだけど…熱とかないよね？

夢の中の和は俺のおでこに手を当てる

和:体調が悪いってことではないか…ってなんで顔赤くしてるの？

○○:いや…近いから…//

和:た、たしかに//

どこか少しリアリティがあるこの夢

この夢の和は少し押しに弱そうなのでなにかちょっかいを出してみたいと思う…

和:ほら行くよ！

○○:和？

和:もうなに？早く行こうよ！

○○:今日ちょっと手繋ぎたいかも…//

和:え//

○○:い、嫌ならいいんだ…

和:わ、私はいいよ…//

そっと手を繋ぐ

和:○○の手って大きいんだね…//

○○:それは男子だからね笑 和は可愛い手してるね？

和:な// やめてぇ…//

なんか思い通りに行き過ぎている…

これってまさか

明晰夢を見てる！？！？

和:○○？だから大丈夫？

○○:何が？

和:私今話振ってるじゃん！

○○:なんだっけ…

和:もうちゃんと聞いててよ！ ﾌﾟｸｯ

○○:ごめんって…

少しでも考えてしまうと現実の時間と同じで夢の時間にも反映されるみたいです…

和:この大きな水槽綺麗だね…

○○:ほんと…この青色が幻想的だよね…(和の顔見たいな…)

隣を見ると水槽に見とれている和の横顔が瞳に映る…

○○:綺麗…

和:どっち見て言ってんの//

○○:ごめん…//

和に見ていることがバレてしまった…

○○:ジロジロ見られると嫌だよね…

和:○○ならいいよ… ﾎﾞｿｯ

○○:え？

和:なんでもない！

和:今日は付き合ってくれてありがと！

○○:俺も楽しかったよ！水族館なんて久しぶりだったし

和:前一緒に行ったのって小学生のときだもんね…

○○:覚えてたんだ…

和:当たり前じゃん…だって私さ…

ﾄﾞﾝｯ

○○:いった…朝から何するんだよ…

和:起きろ！

○○:な、和！

和:何時だと思ってるの！

○○:やば！遅刻じゃん！

和:ほんと最悪…久しぶりに一緒に行ってあげようと思ったのに…

○○:え！すぐ準備するから待ってて！

和:そういうところも好きなんだけどね…// ﾎﾞｿｯ

○○:なんか言った？

和:なんでもないから早く準備しろ！

○○:はーい笑

和:なんか○○上機嫌だね

○○:だって和と久しぶりに登校できるんだもん笑

和:何言ってるの…//

○○:なんで和が照れてるんだよ笑

和:いやお願いしたいことがあってさ…

○○:なに？

和:私この間水族館のペアチケット当たってさ、一緒に来てくれない？

○○:和…俺のことつねってくれ

和:は？何言ってんの？

○○:とりあえずお願い

和:はい！これで満足？

○○:夢じゃない…

和:当たり前でしょ、何言ってるの？笑

○○:俺も行きたい！今週末でいいか？

和:うん！

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デート当日

○○:(マジで夢じゃないよな…)

和:ごめん待った？

○○:全然待ってないよ…

いつもより少し大人っぽい和にドキッとする

和:ジロジロ見るな！//

○○:いや可愛いなって思って…//

和:あ、ありがと// もう行くよ！

○○:はーい笑

しばらく歩くと夢に出てきた水槽と同じような大きな水槽に着いた

和:す、すごーい！

○○:和興奮しすぎだって笑

和:だってすごいじゃん！

○○:たしかに綺麗ではあるけど…

大人っぽい服装を身にまとった和に少しペースを乱されてたけどいつもの子供っぽいところを見られて少し安心する…

○○:やっぱ綺麗だな…

和:どっち見て言ってんの//

○○:ご、ごめん…

和:○○ならいいけどね…// ﾎﾞｿｯ

○○:なんか言った？

和:絶対に許さないって言ったの！

○○:え！ひど！

和:もう！ご飯食べに行くよ！

○・和:いただきます！

和:う、美味い！

○○:こういうところで食べるご飯って普段より美味しく感じるよね笑

和:やっぱ○○は分かってるねえ笑

○○:これからどうする？

和:イルカショーも見たし、あの大きな水槽も見たしお土産買って帰ろうかなー

○○:家族に何買っていこうかな…

和:… ｼﾞｰ

○○:これ食うか？

和:い、いや大丈夫…

明らかに和の様子がおかしい

○○:体調悪いのか？

和:い、いやそんなことは…

○○はおでこに手を当てる

○○:熱はなさそうだな…

和:や、やめろ！//

○○:近かったな…ごめん…

和:全然大丈夫なんだけどさ…

お土産コーナー

○○:何買っていこうかな…

和:ねえ○○…

○○:どうした？

和:今日楽しかったし、記念にお揃いのもの買お？//

和は色違いのキーホルダーを俺に差し出す

○○:買いたい！嬉しいな…

和:喜んでもらえてよかった！ ﾆｺｯ

○○:う、うん…//

和:私先買ってるからゆっくり選んでていいよ！

○○:うん…

○○:待たせちゃってごめんね💦

和:全然大丈夫だよ！帰ろっか！

○○:そうだね！

○・和:…

帰りは静かに手と手が触れそうな距離でゆっくり歩いている

夢とほぼ同じ内容だったけど、唯一違う点は手を繋がなかったこと

やっぱり和は俺のことを幼なじみとしか思ってないだろうし、距離感が近いのもそのせいだろう…

和:あのさ！

○○:ﾋﾞｸｯ どうした？

和:今日は付き合ってくれてありがと…

○○:俺も今日楽しかった、誘ってくれてありがとね

和:前一緒に行ったのって小学生のときだもんね…

○○:覚えてたんだ…

和:当たり前じゃん…だって…

ここまではあの夢と同じ

和はこの後なんて言うんだろう
夢の正解がここで見れるなんて…

和:だって…○○のこと好きだから…

○○:え//

和:○○のことがずっと好きだったの！

○○:学校で話しかけちゃいけなかったのは…？

和:○○と話すの恥ずかしいし、○○は私と噂されるの嫌かなって思って…

○○:嫌なんて思うわけないじゃん…和に嫌われたのかと思ってた…

和:なんでよ…

○○:毎回学校で話しかけようとすると睨んできてたし…

和:だって…

○○:もう理由はわかったから大丈夫…

○○は和の手を握る

和:…//

○○:和…俺も和のこと好き…大好き！

和:…ならここで証明できる？

○○:え？

和:好きってことをここで証明できる？

○○は和の唇を奪う

和:な、何してるの！//

○○:いや、証明しろって…

和:は、ハグでいいだろ//

○○:たしかに// でもこれでわかったでしょ？

和:うん…// ○○大好き！

明晰夢が“正夢”になった○○でした…

fin

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今回の作品は不思議のおもちさんの企画作品でした！

不思議のおもちさんの中編は、4期がメインの印象があって特にやんちゃんの作品が私は好きです！

4期の作品にしようと思ったのですが、想像しやすい5期のメンバーにしてしまいました…

まあ楽しんでいただければ嬉しいです！

ヒロインは井上和ちゃんです！

ツンデレ要素を増やそうと思ったのですがどうでしたか？私的には満足です笑

ご覧頂きありがとうございました！

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