ゆったり姫と王子様
菅原:ねえ、奈央!起きて!
冨里:なに…さっちゃん… ムニャムニャ まだ1時間目で…
菅原:もう放課後だよ!
冨里:そっか…放課後か…ほ、放課後!もうそんな時間なの!
菅原:そうだよー、ずっと寝てたんだからさー
冨里:やってしまったー…まあいいかー…おやすみ…ムニャムニャ
菅原:寝ない!帰るよ!
冨里:はーい…
私冨里奈央は周りからゆったりしていると言われる
たしかにおっとりしてるかもしれないけど、体は早く動くしポンコツではありません!
菅原:ねえ奈央あれ見て
冨里:なにー… ムニャムニャ
女1:○○くーん、こっち見てー!
女2:○○くーん、頑張ってね!
謎の集団が「○○」と呼ばれる人間に歓声を上げる
○○: フリフリ
一同:キャーー!
菅原:なにあれ…女の子にチヤホヤされただけで王子様気取りかよ…
冨里:口調悪いよ、さっちゃん…まあいいじゃん、顔かっこいいんだから
あの人は手嶋○○、学校中から「王子様」と呼ばれていて多くのファンがいる
手嶋くんはハンドボール部に所属しており、ハンドボールコートの金網の外には毎日何十人もの女の子が張り付いている
菅原:でもさ、噂で聞いたんだけどチヤホヤされてる王子様にも好きな人がいるみたいだよ?
冨里:そーなんだー… ムニャムニャ
菅原:もっと興味持ってよ!
冨里:なんで手嶋くんと関係ないさっちゃんが怒ってるの…まさか好きなのー…
菅原:ち、違うよ!// あんなチヤホヤされてるやつ…//
冨里:分かりやすいねー…いいと思うよー… ムニャムニャ
菅原:違って!//
冨里:さっちゃん、手嶋くんと幼なじみだもんね… ムニャムニャ
菅原:だからって…まああんなチヤホヤされてるやつが本命の人に想いを寄せてることなんて気が付かれないと思うけどねえ…
冨里:可哀想だねー、王子様も… ムニャムニャ
菅原:もう、なんかムカついてきたよ…あいつにガツンと言ってくる、デレデレしてんじゃねえって!おい、手嶋!
冨里:行ってきなー… ムニャムニャ
さっちゃんは手嶋くんのもとへ走って行った
さっちゃんは手嶋くんに話しかけに行くとき、面倒くさがりながら走っていく
いつも目をときめかせて恋する乙女となっている
本当に彼を好きなんだろう
私にもそういう人ができるのかな…
そんなこと気にしてもしょうがないんだ…
私は「ゆったり姫」なんだから…
菅原:おい、手嶋!
私菅原咲月は幼なじみの手嶋○○の恋を応援している
私が手嶋のことをどう思ってるのかと言われると何も言えないけど、手嶋が真面目な顔で応援してほしいとお願いしてきたから断る訳にはいかなかった…
○○:なに、咲月 ニヤニヤ
菅原:何ニヤニヤしてんの…キモイ…
○○:そんなこと言いに来たんじゃないでしょ笑
手嶋は奈央に想いを寄せていて、手嶋が奈央のことを話すときは幸せいっぱいな表情で話してくる
手嶋が幸せならいいけど、私は…
菅原:そうだよ!あんなに周りの人に愛想振りまいて奈央に気づいてもらえないよ!
○○:咲月!声でかいって!聞こえたらどうすんの…
菅原:バレるくらいじゃないと奈央に気づいてもらえないよ!だって「ゆったり姫」って呼ばれてるんだよ?
○○:「ゆったり姫」ねー…結構分かりやすくアピールしなきゃいけないよね…
菅原:そうだよ!奈央チア部だから見に行ったら?明日はアリーナで練習するみたいだよ?
○○:そうなんだ…見に行ってみるよ!冨里さんに気づいてもらえるように話しかけてみる、いつもありがと!
話しかけないでほしいって言えない…
言ってしまったら彼の恋愛を妨害してしまうから…
私は彼に嫌われたくないし、奈央と付き合ってほしいとも思う…そう思ってしまうんだ…
菅原:どういたしまして、頑張ってね?
○○:ありがと、咲月!
菅原:うん…
今私笑えてるかな…
彼のこと応援できてるかな…
部長:一旦休憩ね!
私は今日アリーナで文化祭の発表に向けてチア部の練習をしてる
普段はチア部の発表について休憩のときでも意見を出し合っている
でも今日のチア部は違う話で持ち切りだった
女:ねえ奈央!ギャラリーにさ「王子様」が友達連れて練習見に来てるの!
冨里:へー…そうなんだ…
女:もっと興味持ってよー、先輩たちもその話で持ち切りだよ?
私は少し疑問に思っている
彼はほんとに「王子様」なのか
みんなに手を振る、このチア部に顔を出す
先輩にでもお目当ての人がいる「狩人」、いや「狼」と言っても過言では無い
捕食されてしまう人は気の毒だな…
奈央:私はゆっくりしてるねー
女:もうだから「ゆったり姫」って言われるんだよ!
彼がほんとは「王子様」なのか疑問だけど、私はほんとは「ゆったり姫」では無い
こうやってチア部に入って早く激しい踊りだって踊れる
周りの人よりもいち早く何かに気づくことだってできる
そんな私はなんで「ゆったり姫」なんだろうか…
女:じゃあね奈央!
冨里:おつかれー、××
今日の部活は超ハードモードだったけど終わった
私は帰ってゆっくり休むことに…
○○:ねえ冨里さん、今大丈夫?
冨里:は、はい…
なんかゆっくり休めない展開になってしまった
なんで「王子様」が話しかけてきたんだろう…
○○:冨里さん、チア部のダンスすごいね!
冨里:ありがとうございます…
○○:なんで敬語なの笑 まあいいや、冨里さんって「ゆったり姫」って呼ばれてるじゃん?
彼も私のこと「ゆったり姫」って思ってるんだ…
○○:冨里さんはさ…
冨里:あの…あなたはなんで「王子様」なんですか?
○○:え?
冨里:い、いやなんでもないです…すみません…
やってしまったー…
もしかしたら私みたいにコンプレックスかもしれないのに…
○○:あなたじゃなくて手嶋!手嶋○○ね!笑
冨里:手嶋くん…
○○:それでよろしい!笑 それで俺は「王子様」じゃないよ?
冨里:そうなんですか?
○○:そうだよー笑 だって俺大勢の前出るの嫌だもん!笑
冨里:じゃあなんで手振って…
○○:それは照れ隠しだよ笑 あと嫌われたくないしなー…「王子様」っていう名前も好きではないよね
冨里:じゃあ私も「ゆったり姫」っていう名前嫌です!
○○:そうだと思ってたよ笑 だって毎回冨里さんはその呼び方されると嫌がってるもん!
毎回?まあその辺の違和感には気づかないでおこう…
○○:冨里さんはさ、「ゆったり姫」って呼ばれるに相応しくない人間だと思ってる!
冨里:え?
初めて言われた…
これまでおっとりとかゆったりとか周りに言われてそれが正しい私の評価だと思ってた
それなのにこの人は…
○○:だってさチアのダンスって激しいし早いしキレキレじゃん!さらに冨里さんのことまだあまり知らないけどそういう人に見えないんだよねー、さらにさつ…
冨里:さつ?
○○:なんでもない!気にしなくていいから!
ほんとにこの人急に話しかけてきてなんなんだって思う
でも…
冨里:ありがとうございます…
○○:ありがとうございます?
冨里:あの、初めて「ゆったり姫」のこと否定してくれる人がいるんだって思うと嬉しくてなんというか私の存在価値認めてくれたんだなって…
○○:何言ってんのさ、冨里さん…いや奈央ちゃんの存在価値は周りの評価なんかで測れないんだよ?
な、奈央ちゃん…
馴れ馴れしいけど悪い気はなぜかしない…
○○:奈央ちゃんは奈央ちゃんらしく、めんどくさいときは寝たり何しなくてもいい、嫌なときは嫌って言っていいんだよ?
なんか「狩人」とか「狼」とか、特に「王子様」なんていう雑な括りにして申し訳ないと思った
人としてできすぎている
この人はこうやって有象無象の片思いをする女子を築き上げたんだな、そう思った
冨里:なんか、思ってたよりいい人なんですね!
○○:思ってたよりって…笑 でもなんか奈央ちゃんが元気になってよかった!
冨里:私元気なかったですか?
○○:うん…だから声掛けたんだよ?咲月の友達だしね!
そっかさっちゃんの幼なじみだったよね
でもなんかこの人となら仲良くなれそうだな…
冨里:元気づけてくださりありがとうございます
○○:どういたしまして!って敬語じゃん!
私たちは別れるまで話して帰った…
私は1か月前に手嶋○○という人間と知り合った
1週間前ほどから昼休みになると2人で集まってご飯を食べるようになった
互いが互いの素性を知ってる者同士話せることがたくさんある
彼の前で素を出せる…
そんな“素の私”が私は好きになっていた…
そんなある日
菅原:私ね今日手嶋のこと文化祭誘おうって思ってるんだ!
冨里:…そうなの?いいんじゃないかな…
菅原:絶対無理矢理にでも連れ回してやる!
冨里:頑張ってねー… スゥ-
さっちゃんが手嶋くんを誘おうとしたとき心がモヤっとした
心のどこかでさっちゃんを止めようとしてしまった
私はさっちゃんの恋を応援しなければいけない、でも手嶋くんとの時間が無くならないでほしかった
私はこの“特別な”気持ちに気づきたくなかった
今頃さっちゃんは…
菅原:私ね今日手嶋のこと文化祭誘おうって思ってるんだ!
私は今日奈央に宣戦布告とも言える行動をした
最近手嶋と奈央が親しいのに気づいていた
おそらく手嶋と奈央のコンプレックスについての話で意気投合したのだろう
手嶋の恋を応援していたけど、やっぱり私は彼のことが好きだ
親友には申し訳ないけど、この臆病な「王子様」を譲る訳にはいけないんだ
放課後
菅原:ねえ手嶋!一緒に帰ろ!
○○:咲月…俺がさ奈央ちゃ…
菅原:いいから!相談したいの!
私は強引にでも手を掴んで手嶋を引っ張る
○○:ちょっと!咲月!
手嶋の呼び止めも聞かずに教室を飛び出した
菅原:…
私は無心に手嶋の手を握り私の家へと向かっていた
○○:咲月!ここまで来たらいいでしょ!
菅原:ご、ごめん!
○○:もう…相談って何?
菅原:そこの公園行かない?
私は馴染み深い地元の公園で“人生最大”の大勝負に挑むことになった
○○:それで相談って?
菅原:相談っていうかさ…
○○:相談じゃないなら俺の話聞いてよ!奈央ちゃんがさ…
菅原:聞いて、手嶋!
○○:あ、うん…
思わず大声を出してしまった
今だけは私だけを見ていてほしくて
言わなければいけない
「文化祭一緒に周りたい」って言わないと…
菅原:好き…
○○:え?
菅原:好きなの!手嶋のことが!「王子様」って言われてチヤホヤされてニヤニヤしてる手嶋が!私に頼ってくれる手島のことが!
○○:そっか…そうだったんだ…
私ったら突拍子もなくこういうことを…
なんとなく言ってしまいそうだったけど…
でも後戻りはできない…
○○:ねえ咲月、俺さ咲月のことは好き…
菅原:え…じゃあ!
○○:でもさ、咲月にも言った通り奈央ちゃんが好き…大好き!
ギュッ
○○:ちょっと咲月!
私は手嶋に抱きついてしまった…
そして私は手嶋の胸で…
菅原:なんで!なんで!ずっと昔から一緒にいて手嶋のことも1番してる私じゃダメなの!なんでよ…
静かに手嶋は私の背をさすってくれた
こういう優しいところに惚れたんだろうな…
菅原:○○…付き合ってよ…
○○:ごめん…ほんとにごめんね、咲月…
菅原:ねえ奈央!正直さ手嶋のことどう思ってるの?
冨里:どう…
さっちゃんは文化祭に誘うと言った日から毎日この質問をしてくる
いつもさっちゃんの邪魔はしちゃいけないと思い黙ってしまう
菅原:もうこのままだと他の子に取られちゃうよ!
冨里:他の子?さっちゃんは?
菅原:しまった!言ってしまった…
そこからことの詳細を根掘り葉掘り聞くことになった
冨里:そうだったんだ…
菅原:他に好きな子でもいるのかって感じだったよ!だからさ急がないと!
冨里:でもさっちゃんは!
菅原:奈央…もしほんとに手嶋のこと好きだったら私のこと気にせず行ってほしいな…
今日は文化祭2日前
たしかにさっちゃんが急いでた理由もさっちゃんの話を聞くと分かる
私は絶対思ってしまってはいけないけど、この「手嶋攻略戦争」に光明を見出してしまった…
冨里:ご、ごめん、さっちゃん!
私はさっちゃんに申し訳ないと思いつつも、無意識に走り出してしまっていた
ほらみんな、私「ゆったり姫」なんかじゃないよ!
なにかに夢中になるとゆったりなんかじゃなくなるから!
菅原:頑張れ手嶋…奈央…私はできることはしたよね…
ホントの気持ちに気づいた奈央を見ながら、咲月は1人寂しく手嶋と奈央の恋の行方を見守ることになった…
冨里:(どこかな…手嶋くん…)
探して数十分、なかなか手嶋くんを見つけられないでいた
走って手嶋くんを探す私を見て、陰口をたたく人もいるみたいだけど気にならない
どこか視界がクリアになったような気がする
そうしてくれたのはそう…
冨里:手嶋くん!
○○:奈央ちゃんじゃん!走ってどうしたの?
手嶋くんの周りには女の子が大勢いた
でもそんなのにへこたれてる場合じゃない
冨里:手嶋くん!私ね!手嶋くんと文化祭周りたい!
女1:私が先にはな…
○○:奈央ちゃん、俺も君と周りたい…
というと手嶋くんは私に近づいて
○○:いいかな、奈央ちゃん?
少し静かで落ち着いていて、そして甘い声色が私の心を弄ぶ
この動作といい口調といいほんとに「王子様」なんだなって思う…
冨里:ぜひ…お願いしたいです…//
○○:良かった!文化祭一日だけだけど楽しもうね!
冨里:うん!…ってあれ私手嶋くんと周る時間あるのかな…
チア部のときに書いたメモ帳を取りだし予定を確認する
冨里:文化祭は9:00-17:00…練習は9:00-12:00…本番は14:00からの1時間… ブツブツ
○○:奈央ちゃん?
冨里:手嶋くん…すみません…一緒に回る時間全然ないです!
ほんとに私ってドジだな…
周りが見えなくなるってこういうことだったんだな…
クリアになったのなんて…
○○:俺は全然なくても会えたら嬉しいよ?それまで部活の人と周ってるし、チアも見に行くからさ!
冨里:あ、ありがとうございます…
○○:奈央ちゃん!泣かなくていいからさ…大丈夫だからさ
私泣いてたんだ…
でもやっぱりこうやって優しくしてくれる
彼は私にとっての「王子様」なんだな…
文化祭当日
私はチア部のパフォーマンスの直前になり準備を始めていた
冨里:(よしボンボンもある…緊張もしてない…大丈夫…手嶋くんに最高のパフォーマンスを見せよう!)
女:奈央、準備万端みたいだね!
冨里:うん!私のダンス見せたい人もいるし…
女:分かりやす…ってねえ奈央、髪留めのリボンは?
冨里:えっ!うそ!忘れてた…最悪…
やっぱりこういうときに私はダメなんだ…
忘れっぽいところが…
女:もう!ネガティブになってる場合じゃないよ!誰かに頼まないと!
誰か…誰か…
○○:ねえ冨里さん、今大丈夫?
○○:元気になって良かった!
○○:チアも見に行くからさ!
手嶋くんしかいない!
彼なら私に…
冨里L:『手嶋くん!お願いがあって…私のバッグから赤と青の髪留めのリボンを持ってきてほしいの!』
お願い手嶋くん!LINE見て…
○○L:『わかった、机どこの席?』
よかった…手嶋くんに頼んでよかった…
その後彼に席の位置とかどのバッグに入ってるとか連絡して彼を待つだけになった
スタッフ:スタンバイお願いしまーす!
私たちはもう呼ばれてしまった…
スタンバイからは2分ほどで本番が始まってしまう…
もってあと1分ほどなんだろう…
○○:奈央ちゃん!
冨里:てじ…
一同:「王子様」!?!?
○○:ああ…えーっと…
冨里:ありがと、髪飾り届けてくれて…//
○○:うん…
冨里:ほんとにありがと…
嬉しさのあまり涙が流れてしまいそう…
○○:大丈夫だよ、奈央ちゃん…奈央ちゃんなら頑張れるよ!
こういうところがずるいんだ…
鼓動が早くなるのを感じる
かっこいいな手嶋くん…
奈央:うん…頑張る!//
○○:じゃあ頑張って!外で見てるから!
女:ねえ奈央…やるねー ニヤニヤ
冨里:な、なにが!
女:「王子様」と知り合うなんてー笑
冨里:もう始まるよ!
本当に程なくして演目が始まった
手嶋くんがいるのは少し後ろの右側だ
少し見える手嶋くんは手拍子をして盛り上げてくれている
私を見てくれているだけ嬉しい…
私は彼のために一生懸命踊った
ずっと激しくキレキレなダンスを踊ると疲れてくる
でも片隅に見える手嶋くんを見るとなにか力が湧いてくる
不思議と湧いてくるこの力はなんだろう…
私は演目を終えた
ハプニングもあったしとても激しく踊ったのにあまり疲れていない…
これも彼のおかげなのかな…
○○:おーい!奈央ちゃん!
冨里:手嶋くん!見に来てくれて、髪飾りも届けてくれてありがとね!
○○:いえいえ全然…ダンス凄かったよ!ほんとに全部のフリが可愛くてさー
冨里:か、可愛かったかな…//
○○:可愛かったよ…//
冨里:もう!手嶋くんがそんなこと言うから!
○○:ごめんごめん…でも可愛いしかっこいいしでもう最高すぎたよ!
冨里:ありがとね…
○○:俺さ…ふたりで話したい…
冨里:うん…屋上行こっか?
○○:あそこ立ち入り禁…
冨里:今日はいいじゃん!
私たちは屋上に着いた
校庭を見下ろすとまだ文化祭の熱は残っている
○○:ねえ奈央ちゃん…早速話していいかな…
冨里:うん…
○○:なんで俺さあのとき奈央ちゃんに話しかけたか知ってる?
冨里:え…あの私が元気なかったから…
○○:奈央ちゃんのこと好きだから…
冨里:えっ!//
手嶋くんは私の顎を手で上げて私と目が合うようにしてくる
○○:俺は奈央ちゃんのこと好きだし、今日頼ってくれたのは嬉しかった…
冨里:うん…// ありがとう、嬉しい!
○○:だからさ奈央ちゃん、付き合ってほしい!
冨里:よろしくお願いします…// 嬉しい!大好き、手嶋くん!
○○:手嶋じゃなくて…
冨里:わかったよ、○○って呼ぶよ…//
○○:な、奈央…//
冨里:急にはずるい!もう!
○○:ごめんごめん笑
冨里:ねえ肩貸して…チアで疲れちゃった…
○○:うん…
私は○○の肩に頭を乗せる
冨里:私さ…○○が思ってるより好きだからね…
○○:うん…
冨里:もしかしたら…嫉妬しちゃうかも…
○○:いいよ…俺も大好きだからね………奈央?
冨里:… スゥ-
○○:寝ちゃったか…疲れてたもんな…
チユッ
○:おやすみ…奈央…
文化祭の喧騒から外れた彼らの特別な空間は誰にも邪魔されることなく2人を包み込んだ…
fin
今回のヒロインは冨里奈央ちゃんでした!
別に取り繕っている訳では無いけど周りの評価に左右されて思うように生きていけないというような現代の学生の姿を描いてみました…
たしかに周りの評価は大事だが、自分がやりたいことや自分のスキルを信じて進むことが自分自身の存在価値を証明するものだと考えています…
長くなりましたが、ご覧頂きありがとうございました!
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