マドンナだって一目惚れするんです!
私は池田瑛紗、高校2年生、美術部に所属している
私には想いを寄せる人がいる…
○○:バックス、ライン揃えて!
サッカー部に所属する小山○○くんである
チームをまとめるキャプテンでも最前線で輝くエースストライカーでもない彼に私が想いを寄せる理由は入学式のときにある
入学式の日
池田:もうここどこ…
私は入学式の日に大きな駅で迷子になってしまっていた
池田:最悪…入学式間に合わないかな…
半泣きの状態でその駅の柱に寄りかかっていた
??:あの…大丈夫ですかね…?
池田:えっ…?
そんな悲惨な状況だった私のことを助けてくれたのは小山くんだったのだ
あの時の彼の優しい声や温かい人間性を忘れることは今まで一度もなかった…
池田:入学式のときあんな出会いしたのになんで小山くんと一緒になるタイミングがないの!
私は高校に入ってから小山くんに話すこと以前に近づくことすらできていない
もう諦めるしかないのかな…
でもそういえば…
池田:ねえ和!相談乗って!
井上:えー…まあいいけど…
このあからさまに嫌な顔をするのは同じ美術部員の井上和ちゃん
小山くんとも同じクラスなのである
和にことの詳細を話すと…
井上:なにそれ!そんなことがあったなんて運命じゃん!
池田:ちょっと和、声大きいって!
井上:ごめんごめん笑 でも話すタイミングがないと…
池田:和は小山くんの情報知らない?この2年間でさなんかなかった?
井上:…瑛紗さ、覚悟して聞いてね…
池田:うん…
井上:小山くんさ…めちゃくちゃモテるのよ
池田:やっぱりそうだよね…
小山くんはイケメンでサッカー部という学校ヒエラルキーの最上位にいる
私にはそんな小山くんと付き合える気がしない…
井上:落ち込まないで!でも小山くんさ、高校入ってから付き合ったことないみたいなの!なんか気になる人がいるらしくて…?
池田:それって誰なの?
井上:私も噂程度しか知らないからな…誰かは分からないよ…
池田:そ、そうだよね…
井上:なんかアプローチしたいとかないの?
池田:私なんて…
井上:瑛紗何言ってるの?瑛紗こそ巷でなんて言われてるか知ってるの?
池田:なんか言われてるの?悪口とか…?
井上:違う違う笑 それがさ……
まさか私が「マドンナ」だったなんてーーー!!
池田:な、なんか恥ずかしいぞ…//
フニャフニャしてる暇じゃない!
池田:このアドバンテージ活かすしかないぞ…最初は文化祭の作品だ!
愛は芸術センスまで変えてしまうのだ!!!
池田:か、完敗だー…
井上:何この絵、瑛紗…
池田:小山くんへの愛を絵で表現しようと…
井上:なにしてんのよ、瑛紗…笑 面白すぎ…笑
この子笑いすぎじゃない?
私真剣なんですけど…
井上:絵でなんて遠回しなことしないの!「マドンナ」のアドバンテージ活かさないでどうするの!
池田:だからこれを…
井上:こんなんじゃダメ!まずは……
池田:こんなのでいいのかな…
和から「まずはサッカー部を見に行こう!」と言われたから来たはいいものの…
男1:なんか池田さんこっちみてるんだけど!
男2:まさか俺の事!
そんなわけないだろ!眼中に無い!
私が興味があるのは…
○○:おい!お前ら戻ってこい!
男1:はい!
しっかり怒れる小山くんかっこいい…
○○:… ジー
池田:(なんかこっち見てない!)…//
○○:… プイッ
えーー!
完全にこっち見てたよね!
それなのに顔背けたよね!嫌われてるのかな!
なんか嫌だ!気分悪い!
でも弱音吐いてる場合じゃない…
頑張るぞ!
○○:おい!お前ら戻ってこい!
男1:はい!
俺はサッカー部に所属する小山○○
別にキャプテンとかエースストライカーってわけではないけどチームのまとめ役をよくやらされている
ボランチっていうポジション柄もあるんだろう…
池田:… ジー
マドンナと呼ばれる池田さんがサッカー部を見ている
まさか俺のこと…なんてね笑 ないない絶対ない…
池田:…ジー
完全に目合ってるし…
なんか恥ずかしくなってきた
練習戻れば見てたのバレないよね…
○○:はー、池田さんに話しかけられたらな… ボソッ
??:顔真っ赤だよ?小山くん?
○○:えっ!まじで!川崎!
川崎:なんでそこまで焦ってるの笑 てか桜って呼んでって言ったよね!
○○:ごめんごめん笑
こいつはサッカー部のマネージャーの川崎
可愛いって有名らしく川崎のおかげで今年は多くのサッカー部員が入部した
川崎:まさか池田さんのこと?
○○:…ち、違う…
川崎:最初の間はなに!笑 絶対池田さんじゃん!
○○:だから違うって//
川崎:顔真っ赤じゃーん笑
これだから勘のいいガキは嫌いだよ…
川崎:でもさよくサッカー部のこと見てるよね!
○○:そ、そうなの!
川崎:反応しすぎだよ笑 さらにエースとか見てるんじゃなくて後ろの方見てるんだよね…
まさかな…そんなはずはないよな…
川崎:もしかしたら!
○○:い、いや憶測でものを言うのはやめよう!
川崎:でももしかしたらさ!
○○:よし練習もどろう!
川崎:ねえ!話そらさないの!
もし池田さんが好きだったら…
そんなこと思ったら部活なんて手につかなくなってしまうから、それ以上考えることはやめた…
井上:そーれーで、効果は!
池田:未だに効果なし!
井上:効果なしか…
池田:なんかたまに目合うんだけどなー…
井上:それは気のせいじゃない?笑
池田:やっぱりかな…(いや、合ってます by 筆者)
井上:もう!わかった!文化祭誘お!
池田:無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!
井上:何回無理って言ったのよ笑(21回かな by筆者)
池田:無理だよ…
井上:自信もって!文化祭まで1週間絶対誘ってね!私達も時間ないんだから!
池田:わ、私作品終わってる…
井上:ねえ…瑛紗…
池田:な、なにかな…
井上:手伝ってーーー!!
文化祭準備に付き合った瑛紗でした…
文化祭当日
池田:さ、さ、さ…
誘えなかったぞーーー!
私は最低最悪最大の致命的で前人未到の大やらかしをかましてしまったのだ!
池田:さらに和はクラスの人と…私回る人いない…終わったぞ…
これによってぼっち確定
さらに…
男1:あの池田さん!
男2:あの!
男3:あ!
こんな感じで色んな男子から声をかけられる始末…
そしてようやくたどり着いたのが、部室棟裏であった
池田:こ、ここまで来れば…
普段から運動をしない私からしたら少し走っただけでも何日分かの運動になる…
??:ここまで来れば1人に…
池田:え…
ここまで逃げてきてこんな良いことがあるなんて…
○○:もう鬱陶しいな…嫌だって…って池…ど、どちら様ですかね…?
いや池まで言ったよね!
まあさすがに初対面だもんね…
池田:池田瑛紗、2年です
○○:小山○○、2年です
うん、知ってる
○○:い、池田さんはどうしてここへ?
池田:色んな男子に追い回されてここに…
○○:俺と同じだ!ほんと嫌ですよねああいうの…好意を寄せられてる人以外…
そ、そうだよね…
もし私になんか…
○○:いや別に池田さんはそうじゃないんだよね!
池田:う、うん、そうだよ!
見栄を張ってしまったな…
そこから互いのことを少し話した
何十分、いや何時間…どのくらい話してたか分からないけど、2人でいる空間が甘酸っぱくて落ち着かなかった…
○○:ねえ池田さん…
池田:な、何かな!
○○:俺たちってどこかで会ったことある?
池田:え、えーっと…
言わなきゃ…会ったことありますって言わないと…
○○:な、何言ってんだろ俺…ごめんね、俺行かないと!
池田:あ、待っ…
私が呼び止める前に行ってしまった…
これが私と彼の“高校時代”最後の会話となった…
卒業式
井上:瑛紗、卒業おめでと!
池田:和もね笑
ついに卒業式の日を迎えてしまった…
和とは同じ芸術大学に進むことになった
池田:結局小山くんとは話せずじまいでした…
井上:しょうがないよね…大学で出会い探すしかないよね…
池田:そうだよね…
井上:今からというのは…
池田:もういいかな…なんか切ない恋だったな…
井上:瑛紗…大丈夫?
池田:き、切り替えないとね!絶対大学で彼氏作ってやる!
井上:よしじゃあ別々の大学に行っても頑張ってね…バイバイ…
池田:バイバイ…って同じ大学だろ!
こうして私の高校生活は終わったのだ…
池田:そうして大学で彼氏できず、○○のことを忘れられず、久しぶりに合コンで再会し仲良くなる…なんだこのラブコメ展開は!
私はこんな調子で高校時代のまま大人になってしまった…
池田:○○は覚えているかな…初対面のこと…覚えててくれたらいいな…
私のこれからはどうなっていくんだろう…
そんなことを考えながら寝床についた…
fin
ラリラデスさんの企画に参加した作品でした!
この作品を企画で出すのは迷ったんですけど、てれぱんのことを好きになってほしいので「高校時代のマドンナシリーズ」より前の二人の関係について書きました!
ぜひラリラデスさんにこのシリーズを読んでほしくてこの作品にしたんですけど怒られますかね…
とりあえずてれぱんを推して欲しいです!
ラリラデスさんよろしくお願いします🙇♀️
というわけで、
今回のヒロインは池田瑛紗ちゃんでした!
今作は切なく始まらない恋を描いたのですが、いかがでしたか?
遠目から眺める片思いほど辛いものはないと思います…
ご覧いただきありがとうございました!
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