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ツリーに誓いを…





私は一ノ瀬美空、今年大学に入学した

大学が始まって1週間、同じ学部の子で仲良い子ができたり同じサークルで仲良くなった子がいたり私は人に恵まれていると感じている

今日はオンラインで授業のため友達と大学の図書館に集合してやることなっている



??:おはよう、美空ー


一ノ瀬:おはよう、桜!


この子は川崎桜ちゃん、同じ学部で授業がいくつか被っていたりして仲良くなった


川崎:オンライン授業の準備できてる?


一ノ瀬:まだしてない!ってか分からない!


川崎:まあ手伝うけど…


一ノ瀬:ありがと、桜!いいお嫁さんになれるよ!


川崎:はいはい…笑


こんな風に私は楽しい学校生活を送っています






教授:はい、授業始めるぞー


オンライン授業が始まった

オンライン授業は顔を映して音を切るタイプの授業が多いみたいです


画面もついてるしミュートになってる…大丈夫…


一ノ瀬:ねえ桜、ミュートにちゃんとしてる?


川崎:うん!


桜のほうを見た拍子に、画面を押してしまったのかミュートが解除されてしまった


一ノ瀬:間違えて外したりしないでね笑


教授:あなたが外れてますよ、一ノ瀬さん


一ノ瀬:すみません!…え恥ずかし…//


その時…


??:プハハッ!


私の運命の人が現れたのであった…


教授:あの、大塚さんも外れてます…


○○:え…すみません!はず…



画面に映る男の子、「大塚くん」は顔を赤らめ俯けた

しばらく彼の顔が全画面に映っていた

透き通った鼻筋と整った顔立ち、フワフワとしたくせっ毛…

全て愛くるしく感じてしまう…

私は画面に映る彼に恋をしてしまったのであった





一ノ瀬:ねえ桜!画面に映った人イケメンじゃなかった?


川崎:そうかな?


一ノ瀬:そうだよ!私あの子と付き合いたい!


川崎:急だね笑


一ノ瀬:どっかで出会わないかなー…






翌日



先生:○○!


○○:Here!


先生:Miku!


一ノ瀬:Here!


いや「Here!」じゃねえ!


なんであのイケメン、大塚くんと同じ英語のクラスなの!


どうしよ心の準備できてない…


(ここからは日本語でお送りします!)


先生:私がグループ分けするので自己紹介しあってください!……次は美空と○○のグループね


さらに急にグループワークやるなんて!


どうしよう髪の毛とか大丈夫だよね…


○○:よろしくねー


一ノ瀬:よ、よろしく…


緊張と恥ずかしさで顔が熱くなっていく

顔赤くなってないよね…


○○:俺は大塚○○


知ってます…


○○:君は?


一ノ瀬:一ノ瀬美空って言います!


○○:へー美空ちゃんか…よろしくね!


一ノ瀬:よろしく…//


この爽やかな笑顔…


ほんとカッコよすぎます…


一ノ瀬:どこ出身?


○○:俺は埼玉だよ!美空ちゃんは?


一ノ瀬:福岡です…


美空ちゃん呼びはずるいです…


○○:じゃあ美空ちゃんは一人暮らしなんだ!


一ノ瀬:そうなんです!


私の一人暮らしの話や東京の話…たくさんの話を2人でした

○○くんは私のこと覚えてくれるかな…


先生:皆さん席に戻ってください!


○○:あー終わっちゃった…楽しかったよ、美空ちゃん!これからもよろしくね!


一ノ瀬:うん!


短い時間だったけど楽しかったな…


ますます私は彼のことを好きになってしまった…







一ノ瀬:ってことがあってさ!


川崎:全部見てたよ…


そうだ、桜も同じクラスだった…


川崎:美空めちゃくちゃ可愛いかったよー


一ノ瀬:私のことはいいの!


川崎:でもまず興味持ってもらうなら見た目からだよね…男子は視覚で恋するっていうし…


一ノ瀬:そうだよね!


川崎:あとはLINEとかDMとかで連絡するしかないよな!


一ノ瀬:あ…


川崎:どうしたの、美空?


一ノ瀬:インスタとか聞くの忘れてた…


川崎:え!なにしてんの!


一ノ瀬:…


川崎:もうありえないんだけど!


ご最もです…


一ノ瀬:どうしよ…桜…


川崎:もう…自力で頑張りな…


一ノ瀬:助けて!川崎先生!



この日、大塚○○を好きにさせようと心に誓ったのだ…








ある日



一ノ瀬:今日も英語のクラス楽しみだなー!


川崎:でも何も進展なしじゃん、いいの?


一ノ瀬:今は遠目で見るだけで精一杯です!


川崎:ほんと…うかうかしてると他の子に…


一ノ瀬:え、うそ…


川崎:どうしたの、美空?


美空たちの視線の先には○○と…


菅原:今日って課題なかったよね?


○○:ないはず…


菅原:なに「ないはず」って笑


同じ英語のクラスの菅原さんと仲睦まじく話している


一ノ瀬:う、うそだ…


私が奥手だったから…

少しでも勇気出して話しかければ…


川崎:美空…


一ノ瀬:お、終わった…


川崎:で、でもさ付き合ったって決まったわけじゃ…


○○:笑うなよ「咲月」笑


完全黒です…

大塚くんはやっぱり菅原さんみたいな可愛くて積極的な子が好きなんだろうな…

私とのペアワークなんて…


一ノ瀬:終わりました…


川崎:美空…


一ノ瀬:ちょっと外の空気吸ってくるね…


美空は賑やかな教室を後にした…










前期では大塚くんというイケメンを見つけ、
彼の人柄の良さや優しさに触れて運命の人だと思ったけど
この恋は実ることは無かった…

夏休みの間、全てを忘れようと思いサークルの活動に精を出し友達ともたくさん遊んだ

大学生ということもあり多方面の男子から連絡が来るが、大塚くんを超えるような人もおらず恋愛は半ば諦めています…



川崎:おはよ!今学期もよろしくね!


一ノ瀬:おはよ!こちらこそだよ、桜!


今日から後期の授業が始まる

英語は前期とは違うクラスとなると聞いていて、メンバーも変わるだろうと噂されていた


一ノ瀬:クラスも変わるから楽しみだね!


川崎:どんな子が来るかなー…大塚くんもね…


一ノ瀬:ぐっ…もうその事は忘れてください…


川崎:気まずくないクラスになるといいね…みんなもうそろそろ入ってくるかな?


桜の言う通り、ゾロゾロとクラスメイトが教室に入ってきた

顔なじみのクラスメイトしかいなく、結局前期とクラスメイトは変わらなかった

もちろん大塚くんもいたのだが…


○○:おはよ、××!


××:おはよー、今期もよろしくー


大塚くんは菅原さんには話しかけることは無かった

それどころか目も合わせることは無かった


一ノ瀬:(大塚くん別れたのかな…)


すると…


菅原:ねえ、ちょっといいかな?


一ノ瀬:は、はい!


急に話しかけられて大きな声を出してしまった


菅原:そんな大声出さなくていいのに笑


そんなに笑わなくてもいいだろって言うくらいケタケタ笑っている


一ノ瀬:そんなに笑わなくても…


菅原:ごめんごめん笑 聞きたいことがあって…


一ノ瀬:な、なにかな?


私が大塚くんのこと好きなのバレてて、彼女だから嫌がってるとかかな…


菅原:そんなに怯えなくても笑 今日初回だけど提出する課題ないよね?


一ノ瀬:ないと思うよ!


菅原:ありがと、美空ちゃん!


一ノ瀬:私の名前知っててくれたんだ!


菅原:当たり前じゃん!クラスメイトの名前はみんな知ってるよー


すごいなこの子…コミュ力お化けかい…


一ノ瀬:でも美空でいいよ、咲月ちゃん!


菅原:私も咲月がいいなー


一ノ瀬:わかった、咲月!




そこから私と咲月は英語のクラスで話すようになった

咲月には大塚くんではなく、もう少しで別れそうな彼氏がいて、大塚くんには相談に乗ってもらっていたらしい

夏休みの間大塚くんとは連絡をとっておらず、必要最低限の会話しか今はしてないらしい


でもそれを聞いた時…



菅原:えでも、なんで私と大塚くんが付き合ってることが問題だったの?


一ノ瀬:え、えーっと…


菅原:へー ニヤニヤ


一ノ瀬:違うから!…とは、言えないけど…


菅原:…わ、私全力サポートするよ!


一ノ瀬:ありがと!


大きな味方(?)を付けることができました







ある日…


英語のクラスで好きな街をプレゼンすることになりました

これもまたペアワークで行うことになりランダムで決まるらしい…


川崎:今日決まるね ニヤニヤ


菅原:愛しいあの人と同じペアになれのかしら


いつからこの2人はこんなにコンビネーションが良くなったのか…


一ノ瀬:楽しんでるでしょ!


川崎:美空の一大イベントだもんね!


菅原:頑張ってね、美空!


一ノ瀬:はいはい…


想像以上に楽しんでるなあの2人…


一ノ瀬:まあ、このクラス20人くらいいるし同じペアになるわけないよね…





○○:よろしく、美空ちゃん!


な、なんでこうなるんですか!?!?

う、運命なんですか!神様のいたずらなんですか!

私の心臓を壊すつもりなんですか!


一ノ瀬:よ、よろしくね…大塚くん…


○○:美空ちゃんはどの街がいいかな…俺はヨーロッパが…


美空ちゃん呼びズルいって!

さらにイケメンすぎて話入ってこないし!


○○:…って感じなんだけど、美空ちゃんはなに担…おーい、美空ちゃーん聞いてる?


大塚くんは私の顔を覗き込む


一ノ瀬:は、はい!// 聞いてませんでした…


○○:時間少ないんだからちゃんと聞いててね笑


一ノ瀬:はい…


少し叱られてしまいました…





授業後…


○○:これから1週間頑張ろ!


一ノ瀬:うん!…あとさ、連絡先交換しない?情報とか交換できた方がいいかなって!ダメ…かな?


○○:いいよ、もちろん!はいQRコードね


一ノ瀬:ありがと!どうぞよろしくお願いします!


○○:こちらこそ



無事連絡先を交換するミッションを達成することができました…





ペアワークを始めてから事務連絡ではあるが少しずつ連絡を取るようになった

大塚くんは文面からも伝わるくらい優しくて、機械に疎い私を何度も助けてくれた

こういうところが好きなんだよなと改めて思う…






○○:Thank you for listening!


私たちの発表、そしてペアワークはこの言葉によって終わった

短い間だったけどこんなに幸せな思いができるんだなって思った

もう終わってしまうなんて悲しいけどね…

より大塚くんのことを好きになった…



○○:お疲れ様、美空ちゃん!


一ノ瀬:お疲れ様!ほんとに助けてもらってばかりで…


○○:ペアだから助けるのなんて当たり前でしょ?


また私に微笑みかけながら話しかけてくれる…

そんな君が好き


一ノ瀬:あ、ありがと…//


○○:美空ちゃんとの発表楽しかったなー…なんか少し寂しいかもなー


一ノ瀬:え…//


○○:なんか最強コンビって感じじゃん!


一ノ瀬:う、うん…そうだね!


「コンビ」か…

まあそうだよね…なに期待してるんだろ…


一ノ瀬:ありがとね!楽しかった!


○○:うん…こちらこそ!ありがと!


一ノ瀬:じゃ、じゃあ友達待ってるから!ばいばい!


○○:う、うん…


これでいいんだ…

アプローチしたいけどそんな勇気出ない…

これが私らしいんだ…



○○:ねえ!待って、美空ちゃん!


一ノ瀬:な、なにかな…大塚くん?


○○:この一週間、美空ちゃんとLINEするの楽しかったんだ…だからさ…


これからもLINEしてもいいかな?



一ノ瀬:え!//


○○:声大きいよ、美空ちゃん!//


一ノ瀬:わ、私は嬉しいよ!LINEしよ!


○○:良かった…// じゃあまた次の英語の授業で!


一ノ瀬:うん!






こうして私と大塚くんは頻繁に連絡を取り合うようになった

互いのことを聞きあったり、実現するか分からないけどどこに行ってみたいなんて話もしてみたり…

どんどん近くなる距離に私はとても嬉しく思っていた

これ所謂「付き合う前が一番楽しい」ってやつなのだろう

ほんとに今が楽しいんだ…そう思える…



そんなある日彼からこんなにLINEが届いた



『イルミネーションの点灯式見に行きませんか?』










前髪は大丈夫か…服の皺が大丈夫か…化粧は大丈夫か…

家から何千回も確認して来たけどやはり今でも心配になる

彼との集合時間が近くなると胸がギュッと苦しくなる

でもこの感覚も今は少し心地よく感じてくる…




○○:おまたせ!待った?


一ノ瀬:待ってないよ!


○○:良かった…美空ちゃん、今日も可愛いね?


一ノ瀬:え!// 嬉しい…//


嬉しいけど…今日も?

普段から…いややめよう…

考えるだけでなにも手につかなくなってしまいそう…


一ノ瀬:今日は夕方集合ってことは…


○○:先にイルミ見に行ってその後ご飯行こうかなって…


一ノ瀬:いいね!


○○:じゃあ行こっか?はい!


大塚くんは私の前で手を広げる


一ノ瀬:??


突然のことで私はパニックになる…


○○:恥ずかしいから…早く握って…//


一ノ瀬:あ、うん…


大塚くんって優しくてふわふわした雰囲気で中性的な感じだったけど、手は大きくて意外とゴツゴツしてる…


一ノ瀬:イルミって近いのかな?


○○:うん!結構近いよ!


一ノ瀬:楽しみだな!


○○:今日はいっぱい楽しんでもらいたいな!








一ノ瀬:まだ何もついてないねー


○○:まあ点灯式はこれからだからねー


一ノ瀬:どのくらい綺麗なのかな…


○○:俺も見に来たことないからなー…楽しみなんだよね!



私たちが大きなクリスマスツリーの前に着いたのとほぼ同時に点灯式が始まった

クリスマスにふさわしい音楽と歌で会場は神秘的な雰囲気に包まれる

こんな空間に大塚くんといれることが幸せに感じる…


トントン


大塚くんは私の肩をつつき耳元で囁く


○○:そろそろ灯火されるかな? ボソッ


音楽が終わるタイミングでクリスマスツリーと一帯の木々に明かりが灯る


○・一:き、綺麗…

ハモって2人で笑いをこらえる

そして隣の大塚くんはほらねと言わんばかりのドヤ顔でこちらを向く

無邪気な君が可愛くも感じてくる…

そんな君が…


一ノ瀬:好き…


○○:え?//


一ノ瀬:あ…//


○○:今…


一ノ瀬:私ね大塚くんのこと…○○くんのこと好いとーよ?○○くんはどげんね?


○○:…//


一ノ瀬:ねえ…○○くん…答えて?


○○:そんなの好きじゃなきゃ今日誘ってないよ…// 俺も好き…だから付き合って欲しい…ダメかな…?


一ノ瀬:よろしくお願いします…//


○○:こちらこそよろしくね、美空?


一ノ瀬:呼び捨てはずるい…//



このあと2人は仲良くご飯を食べに行ったとさ…




fin






普段からのご愛読ありがとうございます!

アスパラです!

大学の講義との兼ね合いもあり、更新が1ヶ月ほど止まってしまいました…

これからは少しずつペースを取り戻そうと思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします🙇‍♀️


さて今回のヒロインは一ノ瀬美空ちゃんでした!

少しねじ込んだ感もありますが、方言女子って良いですよね…

少し方言で告白されたい願望何でものあったりなかったり…(あ、私にはないです…)


ご覧頂きありがとうございました!

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