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靑生ふゆ
2022年12月27日 10:01
三角帽子を引っこ抜き、床に投げて舌打ちを一つして、クラフト氏は起床した。 ペットのクラゲが百本足で水槽から捩り出て、寄ってくる。「やあやあ。パイをたらふく頂いたよ。」「そろそろドレスを変えたらどうかね。」 クラゲの服は嘗てオウロラ色をしていたが、今は生活に疲れて茸のかさのようだった。 クラフト氏は左手をつきながらゆっくり立ち上がり、窓際の自動演奏グリインのもとへ寄る。「あまりご機嫌で