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🟨 続・日本人の9割が知らないタイ飯⑮〜NET FLIXでブレイクした焼きそば〜 🟨
変な名前のメニュー
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クイティアオパットゴゲー(ก๋วยเตี๋ยวผัดงอแง ※長ったらしいので以下パットゴゲー)ってメニューを聞いたことある日本人はまずいないと思う。自分的にも一昨年に初めて知った。キッカケはアソークのTopsのフードコートにあったおススメメニューのPOP。
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その場では注文しなかったけど後で調べたら2023年のNETFLIXで話題になったタイ映画『HUNGER』の中で登場したメニューだった。ちなみにパットゴゲーのゴゲー(งอแง)とは「子どもがぐずる」という意味らしい。映画の中では主人公が勤めるファインダイニング系の超高級レストランで提供されるメニューと対象的なコンフォートフード的な小道具として登場する。
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これは食べとかなきゃって思って次の日にTopsに行って試食してみた。感想としてはパットシーイウのようなクイティアオクアガイのようなタイの焼きそば系にありがちな油っぽいメニュー。
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とは言っても味付け自体はやや甘めながら濃すぎずとっつきやすい一品だった。映画『HUNGER』の中でも主人公の実家は街場の大衆食堂でパッシーイウが名物メニューだった。
クアガイとかが好きならすんなり馴染める味と食感。幅広米粉麺に違和感を感じないで食べられる人なら絶対気にいるはず。特にセルフで味付けしない限り辛さもないから日本人にも馴染みやすいと思う。
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レシピとか具材とか
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パットゴゲーの食材を調べてたらwongnai.com にレシピが出てたので以下に転載。調味料以外の主な具材はタマゴ、クンチアン(中国ソーセージ)、豆腐、干しエビだけのかなりシンプルな内容。食材の少なさだけじゃなく作り方も簡単で記事のタイトルにも“所要時間はたったの10分”って書いてある。まさに映画『HUNGER』の中に出てくるレシピだ。っていうか映画を観ながらレシピを考えたんじゃないかと思うような内容。たぶんそうだと思うけど。
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幅広麺 150グラム
タマゴ 2個
クンチアン 135グラム
黄豆腐 100グラム
干しエビ 60グラム
XOソース 大さじ3杯
海鮮醤 大さじ3杯
タオチオ 大さじ2杯
ネギ(お好みで)
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パットゴゲーの起源?
パットゴゲーを検索してもこのメニューがいつ頃からあったのかとか、どこで始まったのかなどの記録は出てこなかった。特に固定されたレシピはなく冷蔵庫にあるありあわせの材料で作ったって記述があったりする。子どもがぐずった時にありあわせの材料で焼きそばを作ったことが名前の由来ってことらしい。
実際、映画『HUNGER』のヒット以前にパットゴゲーを知ってる人がどれだけいたんだろうと思ってしまう。
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ヤワラーにパットゴゲーの発祥と言われるお店(屋台)があるので行ってみた。お店の名前は『ジェーベン パッギーガウ(เจ๊เบญผัดงี่เง่า)』。ここはパットゴゲーの発祥のお店とも言われるけどパットゴゲーってメニューはなない。実は店名にあるパットギーガオ(ผัดงี่เง่า)ってメニューがパットゴゲーの起源(?)らしい。ギーガオの意味はバカとかそんな感じでなんでこんな名前になったんだろ。
映画に出てくるパットゴゲーにくらべるとエビが入ってたり、大ぶりの豚肉や肉団子があったりかなり豪勢な内容。お値段も120฿(最近100฿から値上がりしたらしい)と屋台メシとしてはかなり掟破りに高め。
味付け的にはパットゴゲーとほぼ同じ調味料な感じで美味しゅうございました。
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『ROZA』とのタイアップ
ちなみに映画『HUNGER』を販売促進に利用したメーカーがある。それはトマトケチャップやイワシ缶でも有名なタイでNo.1のソースブランド『ROZA』を展開する調味料メーカーHi-Q Food Products。
そのキッカケは広告会社『Wunderman Thompson Thailand』が持ち込んだ『HUNGER』とのコラボ企画。映画のオンエアに合わせてパットゴゲー用のソースを新開発して販促キャンペーンを展開する内容。
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この販促キャンペーンはスーパーマーケットなどの店頭キャンペーンだけじゃなかった。たとえばスーパーマーケットの『FOODLAND』では併設のレストラン『Took Lae Dee』で期間限定のポップアップメニューを売り出す内容も含まれてた。
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https://www.instagram.com/p/CraUvrTr0um/
スーパーマーケット以外にもキャンペーンが展開された。パタヤの高級リゾートホテル『Centara Grand Mirage Beach Resort Pattaya』ではやはり期間限定でパットゴゲーをポップアップメニューとして扱うキャンペーンを実施した。お値段は275฿という4つ星価格だったけど。また『MBK CENTER』でも特設ポップアップショップをオープンするなど様々な展開があった。
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こんな一連のキャンペーンを見てると広告会社が仕組んだ映画と連動した販促戦略そのものだけど一部の店舗ではいまでもパットゴゲーを提供してる。
以下にパットゴゲーを扱ってるお店をご紹介するけど不思議なことにどのお店もレシピは同じで各店独自のアレンジはない。しかもパットゴゲーメニューの扱いもポップアップメニューだったり、『HUNGER』の公開の頃に提供し始めたり映画の人気にあやかった便乗商法な印象が強い。
🟧 パットゴゲーいろいろ
🔸Kanom Pakkad Jae Kia
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Youtubeでご紹介したカノムパッカードのお店でもパットゴゲーを提供してた。このお店は炒めもの系のB級メニューが得意らしく他にもパッタイやクアガイなんかもある。
🔸Toh Klom ร้านโต๊ะกลม
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バンナー方面で数店舗展開する軽食食堂。カオパットやパッガパオがメインらしいがクアガイやパッタイなど焼きそば系メニューもある。
🔸KUA
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以前クアガイの時にご紹介したお店にパットゴゲーがあったので注文してみた。クアガイはかなりのレベルだったけどパットゴゲーは乾麺みたいな食感の麺でモッチリ感は少ない。
🔸Phon Nam Nueng พรแหนมเนือง
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ウボンラチャタニが本店のイサーン風ベトナム料理のお店。なぜベトナム料理店にパットゴゲーなのかは不明だけどある程度ちゃんとした調理スタッフがいるお店らしくお味は上々。
🔸Wat Tan Hor Fried Noodles
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いま話題のバンタットン通りのお店。焼きそばやチャーハンなど炒め物がメインで、パッシーイウやゴイシーミーなどの定番メニューの中にパットゴゲーがあった。
🔸Tops Flavour ท็อปส์รส
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アソークのロビンソン地下にあるTopsフードコートの中のお店で提供中。こういう普通のフードコートでパットゴゲーを扱ってるのは珍しい。