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🟨 続・日本人の9割が知らないタイ飯 ④〜まるでポタージュみたい〜 🟨


カオフンをめぐる冒険

カオフン(またの名をトーフヌエと言うけどこれは後ほど)に出会ったのはいまから4年前の2020年、パンデミックの最中にチェンマイ旅行に行ったのがキッカケ。
チェンマイ行ってカオソイ三昧とかサイウアでビールとかありがちすぎだと思ってて、バンコクにないチェンマイ名物を探してたところカオフンって麺料理を見つけた。
※ 文中、単にカオフンって書いた場合は麺料理のカオフン(カオレムフン)ウンを指します。

実際に現地に行ってからはネット情報を頼りにGoogleMapsを駆使しながらチェンマイの街中を歩きまわってお店を探した。その時のことはYouTubeにもアップしたしnoteにも書いてあるのでどうぞ。

タイ屋台メシでは経験したことないくらいマイルドでホッコリした味わい。結果的にこの3泊4日のチェンマイ旅行でカオフンを4杯食べたおかげで、カオフンの魅力にハマってしまった。


ラチャダで大発見

チェンマイで「カオフンを探す旅」を終えてバンコクの戻ってからもカオフン探しは続いた。バンコクでカオフンに出逢えるにはどこに行ったらいいのか。まずは北タイ料理を調べてみたけどカオソイ、ナムニャオはあってもカオフンはなかなかない。唯一あったのはラチャダの「ランバイブア」のみ。そこで「ランバイブア」に行ってバンコクで初めてのカオフンを食べた。

「ランバイブア」

北タイ料理屋にないってことはタイヤイ料理か雲南料理を探すしかないと思ってたところ、ランバイブアを出て帰る途中、「雲南餐廳」の看板を発見。そしてお店の窓に貼ってあった写真になんとカオフンがあった。これがバンコクで2杯目のカオフン。

「阿珠姐雲南餐廳」
窓にカオフン(稀豆粉)の写真が!
稀豆粉 50฿

その次の週、「お礼参り」のつもりでランバイブアにカオソイを食べに行こうとしたところ、隣のお店のファサードに「雲南菜」の文字が。お店の前にいた店員さんにカオフンあるか恐る恐る聞いてみたらあるとのこと。ランバイブアへのお礼参りはすっ飛んで入店。これがバンコク3杯目のカオフンになった。

「首都小吃」
壁に稀豆粉の写真

犬も歩けばミャン飯に当たる

じつはチェンマイに行く前からミャン飯(ミャンマー料理)、特にミャン麺にハマってた。特にお気に入りだったのがシャンカオスエ(ရှမ်းခေါက်ဆွဲ)。そうシャンカオスエはその名の通りタイヤイ(シャン)族のメニュー。チェンマイで食べたカオフンもタイヤイ系のメニュー。
そこでいつも行ってたミャン飯屋でカオフンがあるかどうか聞いてみることに。でもタイ語が完璧じゃないミャンマー人スタッフにオーダーしても通じない。写真を見せながら説明する。この時初めてカオフンをミャンマーではトーフヌエ(တို့ဟူးနွေး)って呼んでることを知った。

ここが初めてカオフンを
食べたミャン飯屋「RUBY」

このあとカオフンを求めてバンコク中のミャン飯屋を巡るようになってカオフンを巡る冒険はミャン飯屋巡りになっていった。


カオフンとは?

カオフン(ข้าวฟืน)はカオラムフン(ข้าวแรมฟืน)の略で、ひよこ豆(稀豆粉)をすりつぶした粉をお湯で溶いて火にかけてポタージュみたいにとろみが出るまで煮込んだものがカオフンの素。ひよこ豆以外にピーナッツ、グリーンピース、米粉を使う場合もある。カオラムフンの語源は「カオ=米(ข้าว)」+「中国語の涼粉(チャンフェン)()」で、特に雲南の涼粉はカオフンにそっくり。

ポタージュ状のカオフン(左)と
豆腐状のカオフン(右)

これを温かい状態で麺類に掛けて麺料理として食べるカオフンウン(ข้าวฟืนอุ่น)、冷まして固まったものを切って豆腐やくず餅のようにして食べるカオフンイェン(ข้าวฟืนเย็น)、切ったものを揚げたカオフントート(ข้าวฟันทอด)がある。

カオフンウン
カオフンイェン
カオフントート

チェンマイのカオフン屋台の看板には左からカオフンウン(ข้าวฟืนอุ่น 稀豆粉)、カオフンイェン(ข้าวฟืนเย็น 豌豆粉)、そしてカオソイヤム(ข้าวซอยยำ 涼伴麵)って書いてある。

チェンマイのカオフン屋台の看板

カオフンとトーフヌエ

2020年にチェンマイで食べたカオフンは全部で4軒。このうちタイヤイ(シャン)族のお店が2軒、雲南ムスリムのお店が2軒。チェンマイのカオソイ屋も伝統的なムスリム系のお店が目立ってたけどカオフンのお店はそれ以上に伝統を守ってるお店が多い印象。

カオフンもミャンマーのトーフヌエ(တို့ဟူးနွေး)も元をたどれば雲南系中国人が起源。これはこのnoteにも書いたカオソイと同じ経路。ラオスやミャンマーのカオソイがチェンマイカオソイとはかなり違うものになってるのと違ってカオフンは雲南系のお店でもタイヤイ系のお店でもほぼ同じだ。

チェンマイでカオフン体験をしてからバンコクに戻って雲南系やミャンマーレストランのタイヤイ系カオフンを食べてみたときにほぼ同じカオフンが出てきてかなり感心した。

左からチェンマイ、雲南系、ミャンマー系のカオフン

バンコクに数あるミャンマーレストランのどこにでもカオフンを提供してるわけじゃない。あったとしてもモヒンガーに使うようなカノムチンで代用してあったりする。タイヤイ独特のモチモチ食感のサンズィー麺のカオフンが食べたかったらタイヤイ系のお店を探す必要がある。

サンズィー麺

バンコクのカオフンいろいろ

🟧 北タイ系

🔸ランバイブア

ランバイブア

日本人にも人気の北タイ料理店。ここに来る日本人はほぼみんなカオソイを注文するらしい。ここのカオフンは色が黄色くない。メニューによるとひよこ豆じゃなくピーナッツだった。

🟧雲南系

🔸阿珠姐雲南餐廳(閉業)

チェンマイで食べたカオフンとほぼほぼ同じカオフンだった。麺はカノムチンみたいな細麺の米麺。中国料理用か?唯一の違いといえば仕上げに花山椒をかけてること。

🔸首都小吃(閉業)

ここのカオフンもチェンマイで食べたカオフンと同じだったけど麺はシャンカオスエ(シャンヌードル)のサンズィーようなコシあり太米麺。仕上げにハーブのディルが珍しい。

🟧 タイヤイ(シャン)系

🔸Laxmi

Laxmi

それまで小汚い雑貨屋兼業のようなミャン飯屋しかなかった プラカノンに初めてできたまあまあきれいなミャン飯屋。麺はシャン麺。

🔸Taimao Shan Restaurant

Taimao Shan Restaurant

ラチャダ通り唯一のミャンマー(シャン)料理店。このお店ができる前は上記の雲南料理店「首都小吃」だった。奇しくも同じ場所の違うお店でカオフンを食べるという不思議な体験。

🔸သူကြီးသား
Burmese Food Villa

သူကြီးသား Burmese Food Villa

プラトナームにあるミャンマー食堂。シャンカオスエもメニューにあったりしてタイヤイ系のお店かと思いきや、ここのカオフンはモヒンガーみたいな極細米麺を使ってる。


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