🟧 犬も歩けばミャンマー麺に当たる② 〜タイヤイ麺専門店〜 🟧
増殖し続けるミャン麺屋
先日の『東洋経済』の記事でタイ国内のミャンマー人の数がタイの人口の10分の1がミャンマー人になったという記事があった。この記事の内容は博報堂グループのMedia Intelligence社の記事を引用してるけど、現在680万人のミャンマー人がタイ国内にいるらしい。タイの総人口が6,610万人なので人口の10%以上になるとのこと。実際街中でもミャンマー語をよく見かけるようになった。トイレの中の注意書きとか、携帯電話会社の店頭なんかは普通にミャンマー語で書いてある。
今年の6月に書いたnoteの記事でタイ国内のミャンマー人が198万人って書いたけど実はそれよりぜんぜん多いことになる。そりゃあ「犬も歩けばミャン飯に当たる」わけだ。
クロントイ市場がミャンマー化
感覚的なもんかもしれないけど、クロントイ市場ではタナカを顔に塗った人やロンジーを履いた人をよく見かけるようになった。そして間違いなくミャンマー語の看板をつけた飲食店が増えてきてる。市場の中だけでも毎月とは言わないけど隔月くらいでミャン飯屋が増えてる。
タイヤイ族のお店
クロントイ市場のミャンマー飯屋の多くは生鮮品市場の周辺に密集してるけど今回ご紹介するお店はちょっと離れた場所で周囲に飲食店もあまりないようなところにある。お店の主人に聞くと最近できたばかりらしい。お店の名前は『ダンゴック(ડુંગોગ)』。看板にはミャンマーのシャン州の「タウンジーのシャン料理」ってミャンマー語で書いてある。ちなみにタイ語では「タイヤイ料理」とだけある。料理名はミャンマー語とタイヤイ(シャン)語が併記してる。ちなみに黄色、緑色、赤色の地に白い丸が書いてある旗はミャンマー国旗じゃなくシャンの旗。
※シャン族はミャンマー領内のシャン州に多く住むタイ族系の民族でタイ国内ではタイヤイと呼ばれる。
メニューに書いてある内容はシャンカオスエの汁ありと汁なし、揚げシャン豆腐、シャン豆腐、シャン豆腐麺。クロントイエリアにあるミャン飯屋とは違ってタイヤイ系にかなり偏ったメニュー構成。
シャンカオスエに使うサンジーは独特のモッチリした食感のsサンズィーと呼ばれる米麺。ラオスのカオピアックセンやイサーンのクアイジャップユアンの麺に近い印象。店主はミャンマーから輸入してるというが本当だろうか。
シャン豆腐は中国雲南が起源の稀豆粉(えんどう豆)を使ったタイヤイ独特の豆腐でいろんな料理に使う。左が豆腐の元(豆乳?)を冷まして固めたもの。右はそのシャン豆腐を揚げたもの。ちなみに個人的には滅多に食べない。
トーフヌエ(တို့ဟူးနွေး)は冷まして固まる前の豆乳を熱いままシャンカオスエに掛けた麺料理。タイではカオフン(ข้าวฟืน)と呼ばれ主にチェンマイなどの北部で食べられる。詳しくは以前特集した『バンコク街飯三昧④』を。
🔸シャンカオスエ(汁あり)
メニューには汁ありカオスエ(ရေစိမ်ခေါက်ဆွဲ)って書いてあるけど出てきたのはサンズィーを使ったシャン麺(ရှမ်းခေါက်ဆွဲ)の汁あり。タイヤイではカオパットと言えばシャンカオスエを指すらしい。あっさりスープにモチモチのサンズィーがいい感じ。
🔸トーフヌエ(တို့ဟူးနွေး)
サンズィーに温かい豆乳(တို့ဟူးနွေး)をかけた「ポタージュうどん」的なメニュー。豆乳の上に甘めの黒醤油ソースが掛かってる。汁なし麺には辛子高菜のような漬物と味の素がたっぷり入ったスープがついてくるのが基本。
🔸カオスエ(汁あり)
店主のおばちゃんが食べてたものを注文して出てきたのが汁ありカオスエ。ミャンマー全土でカオスエと呼ばれてる小麦麺えを使った汁あり麺。サンズィーと比べるとモチモチ感がない。茹で過ぎたスパゲティのような食感。