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🟨 続・日本人の9割が知らないタイ飯 ⑰〜ナムギャオは意味深【前編】〜 🟨
ナムギャオを探そう
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カオソイ(ข้าวซอย)を提供する北タイ料理のお店でよく見かけるカノムチンナムギャオ(ขนมจีนน้ำเงี้ยว)はカオソイに比べると日本人にとってはかなりマイナーなメニュー。日本語(カタカナ)ではナムギャオ以外にナムニャオなどと書いたりする発音がイマイチ難しい。ちなみにWikipediaではナム・ヤオ
簡単に言ってしまえば、ナムギャオはトマトベースのサラッとしたスープの名前。具材はお店によってもいろいろだけど、豚の血を固めたゼリーのルアットムー(เลือดหมู)、柔らかく煮込んだポークスペアリブ、鶏のモミジが基本。肉類以外だとぶつ切りのトマト(煮込んでたり生だったり)、あとンギウ(งิ้ว)っていう謎の花のツボミが入ってる。
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お味の方はミネストローネのようにトマトベースの旨味が強いスープで、クセの強いタイっぽいハーブや中国スパイスも入ってない。辛さも日本人にとっては普通レベルと言いたいところだけどお店によってはけっこう辛かったりする。
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今回のお話は麺がカノムチンだけじゃなく他の麺を使ったナムギャオについても書いてくので以下ナムギャオ(น้ำเงี้ยว)と表記。ナムギャオのどこが意味深なのか、そもそもナムギャオってどういう意味なのかなどなど…今回は【前編】と【後編】の2回に分けて見ていきたい。
バンコクでナムギャオを提供するお店は大きく分けて2種類。1つは北タイ料理のお店でその多くは日本人にも大人気のカオソイも提供している。もう1つはカノムチンのお店。
カオソイについては以前の記事で特集しているので、ぜひご参照を。
北タイ料理の定番といえばカオソイ、ナムギャオ以外に豚のカレーのゲーンハンレーやハーブ入りソーセージのサイウアなんかがある。北タイは中国雲南に源流がある現在のタイ人と同じ起源があると言われる人たちがたどり着いた地。なので、雲南発祥の料理があったり、タイ人と同じ系統のタイヤイ(シャン)族の料理の影響を受けたメニューがあったりする。
バンコクじゃめったに食べられないカオフンもやっぱ雲南発祥のメニューで雲南、タイヤイ、北タイで主に食べられてる。カオフンも以前の記事で登場してるので参考までにどうぞ。
下の画像はアソークの巨大フードコート(タラート・ルアムサップ ตลาดรวมทรัพย์ )にある北タイ料理のお店のメニュー。大きく書かれてるのは上からカオソイガイ(鶏)、カオソイヌア(牛)、カノムチンナムギャオ、カノムチンゲーンキヤオワーンなどの麺類。その下には写真付きで北タイ料理が並んでる。英語でランナー料理と書いてある両側には北部料理、チェンライオリジナルなどの表記も見える。
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これも巨大フードコート(タラート・ルアムサップ ตลาดรวมทรัพย์ )にあるカノムチンのお店。カノムチンに合わせるスープを何種類か提供していてその1つにナムギャオがある。もちろんカノムチン専門店なので選べる麺はカノムチン一択。スープはお店によるけど5種類くらいは用意してある。ただしナムギャオがない場合もあって要注意。ナムギャオのように茶色のスープもあるので見分けがつきにくい場合もある。
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カノムチンも特集記事があるのでこちらの方もチェックしていただきたい。
カノムチンだけじゃないナムギャオ
カノムチン専門店でカノムチンナムギャオを注文しても麺の選択肢はカノムチン一択なのは当然。でも北タイ料理屋に行くとお店によっては他の麺を選べる場合がある。お店によっては選べないけど。
なんでナムギャオの麺が圧倒的にカノムチンが多いのか、いつからカノムチンが主流になったのかを示す記録は見当たらなかった。
ただし、もともとナムギャオにはカノムチンじゃない麺を合わせて食べていたという記録があったので以下の動画をご紹介。
このYouTube動画では“ナムギャオはビルマのシャン州に住むニャオ族の食べ物です…カノムチンをナムギャオといっしょに食べるようになったのは最近のこと”ってコメントしてる。動画に出てくるナムギャオの麺はカノムチンっぽくも見えるけど中細平打ち麺にも見える。
ビルマ?ニャオ族?ナムギャオは北タイ料理じゃないの?って件は【後編】で詳しく書く予定なので乞うご期待。
ナムギャオの麺とお店
ナムギャオの麺はカノムチン以外の種類があるのか食べ歩きしてみた。画像の下のキャプションに店名とGoogle Mapsのリンクを貼ってあるのでご参照してみたらと思う。
🔸カオソイ・ラムドゥアン
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バンジャークにあるこのお店は日本人にも人気のカオソイが有名なお店で本店はチェンマイにある。選べる麺はカノムチン一択。ナムギャオのスープに見慣れたカノムチンが入ってる。これはこれでスープに麺がよく絡んでいい感じだけどやっぱりカノムチンのコシはない。
🔸ホームドゥアン
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チェンマイ発の北タイ料理の人気店で場所がエカマイにあることもあり、いつ行っても日本人を見かける。基本的にはナムギャオはカノムチン一択らしいけどセンカオソイ(เส้นข้าวซอย)って呼ばれるカオソイに使う小麦粉麺で作ってもらった。個人的な感想としてはサラッとしたナムギャオのスープにセンカオソイはあまり絡まないのでイマイチだった。
🔸クイッティアオ シップソーンパンナー
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屋台に毛が生えたレベルの小さなカオソイ専門店。シップソンパンナーは中国雲南の地名だけどメニュー的にはそれっぽさはない。このお店はメニューの中にカオソイやカノムチンナムギャオ以外にクイティアオナムギャオがある。とは言っても、選べる麺はセンヤイのみで生麺の食感がいい感じでスープにもよく絡む。
🔸ジアンハイ
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普通にセンレック(เส้นเล็ก)なんだけどカノムチンに比べると麺にコシがあって好印象。ナムギャオのスープにもよく絡む。センレックはどんなスープにも合う。
でもカノムチン以外のナムギャオを提供するお店はこれだけじゃない。ここで紹介した以外のお店のナムギャオは【後編】にてご紹介。あと、ナムギャオの意味、起源、そしてオススメナムギャオのお店紹介などなども【後編】で。