🟨 日本人の9割が知らないタイ飯⑦ 〜カオソイがやってきた〜 🟨

ASOKE CHANNEL

2024年8月17日 07:06

原体験はパンティッププラザ

大昔､友だちに美味しいカレーラーメンがあると誘われてパンティッププラザの2階のフードコートに行った｡鶏のドラムスティックと揚げ麺が載った妙に甘い不思議なラーメンだった｡

これが人生初カオソイ｡当時バンコクでカオソイを出す店などほとんどなくてチェンマイ名物だってことも知らなかった｡

最近ではタイへ来る日本人旅行者は激減してるのに､相変わらずのタイ料理人気のおかげで日本人の間でも認知度が高まってきたらしいタイの麺料理カオソイ｡しかもカオソイの本場がタイ北部のチェンマイってことも知られるようになってきた｡

日本のサイトの特集記事を見てもパッガパオ(ガパオライス)みたいなトンデモカオソイは見当たらないし正常に浸透してるような印象｡

カオソイは雲南から来た？

日本人だけじゃなくチェンマイに来る外国人観光客に大人気のカオソイ｡まあまあ知られた話だと思うけどカオソイは中国雲南の発祥って言われてる｡雲南といえばタイ人発祥の地シップソンパンナー(シーサンパンナ西双版納)があるところ｡

じゃあ雲南のカオソイってどんなメニューだったんだろうとか｡どういう道筋でチェンマイにたどり着いたんだろうとか気になってしまう｡ちなみに雲南にはカオソイってメニューは存在しない｡

雲南料理で麺ものといえば最近日本でも｢ガチ中華ブーム｣のおかげで知名度がアップした過橋米線｡(※)食べたことないけど｡

過橋米線がチェンマイに伝わってカオソイになったのかというとそうでもない｡｢云南米线｣で検索してみてもカオソイっぽいのは出てこない｡｢クリアスープ+米麺の過橋米線｣と｢ココナツカレー+小麦麺のカオソイ｣は見た目からしてもぜんぜん別物｡じゃあカオソイと同じ小麦麺ってことで云南面条を検索してもそれっぽいメニューはやっぱり引っかからない｡

→雲南の麺料理について調べようかと思ったけど…食べたことないメニューばっかだったので今回はやめることにした…

ちなみに雲南からタイにカオソイが伝わった経路についての書き方が日本語版とタイ語版で微妙に違うのが面白い｡

日本語版: チェンマイをはじめとするタイ北部と、ルアンパバーンをはじめとするラオス北部で広く食べられている麺料理である。初めミャンマーからラオス北部に伝わり、その後ラオス北部からタイ北部に広がった。

タイ語版: カオソーイの起源は、中国雲南省からタイ北部、ビルマ、ラオスに移住してきた中国人イスラム教徒でもともとカオソーイにはココナッツミルクが含まれておらず、そう呼ばれていた。
※Google翻訳ママ

カオソイはラオスから来た？

これも知られた話だけどラオスにもカオソイ(ເຂົ້າຊອຍ)ってメニューがある｡ເຂົ້າຊອຍで検索するとチェンマイのカオソイとはぜんぜん違う見た目のカオソイが出てくる｡麺は小麦麺じゃなく米麺だ｡しかもスープはココナツカレーじゃない｡ビジュアルも担々麺と勝浦タンタンメンくらいくらい違う｡

下の画像は以前ラオスのビエンチャンに行った時にラオスカオソイを食べたことがある｡ショッピングモールのFood republicってフードコートで食べたんだけどあまり印象にない｡ようするに美味しくなかった｡

カオソイはミャンマーからやって来た？

これはあまり知られてない話だけど､ミャンマーの中のシャン族(タイ語でタイヤイ族)の麺料理にシャンカオスエってメニューがある｡個人的にミャンマー料理にハマったキッカケがこのシャンカオスエ｡

シャンカオスエとはシャン(族)のカオスエって意味｡でもってカオスエとは､タイ語のカオソイと同じ意味で米=カオ(ข้าว)+切るとか伸ばすって意味のソイ(ซอย)のミャンマー語｡

ちなみにミャンマー料理店のメニューはタイ語並記のお店も多いけど､シャンカオスエ(カオソイ)のタイ語表記がめちゃくちゃだ｡ขาวขอยไทยใหญ่(カオソイタイヤイ=タイヤイ風カオソイ)､ข้าวซอยใต้(カオソイタイ=南部風カオソイ)､เข้าซอยไต(カオソイタイ=たぶん誤表記)､ข้าวซอยไตย(カオソイタイ=タイ風カオソイ)などなど｡