薪火と炭火のちがい
薪火に興味はありますか?
「薪焼き」で話題のお店の影響か、最近よく取引先の飲食店さんからも問い合わせをいただきます。
「薪火ってどうなんすか?」
「炭火とどう違うんすか?」
薪火と炭火の違いなんて言われても、香りとつき方、燃焼温度、必要な燃焼設備などなどいろいろな点で大きく違います。
燃焼の仕方だけとっても180度違います。
なので、今回は「熱の伝わり方」に焦点を絞って書いておこうと思います。
熱の伝わり方はどう違うのか?
薪火と炭火はどちらも「木」を使っています。
が、炭になっているのとなっていないのでは燃焼の仕方が大きく違います。
なので、食材への熱の伝わり方が正反対になります。
薪火はどんな調理に向くのか?
■厚みのない(薄い)食材の場合
薪火でも炭火でもどちらでもいいかもしれません。
ただ、薪火は燃焼温度が高いので食材は焦げやすくなります。
■厚みのある食材の場合
もし食材に熱を入れたいなら、炭火一択です。
薪火では厚みのある食材に熱を入れることは難しいです。
■水分・脂分の多い食材の場合
この場合も食材に熱を入れたいなら、炭火一択です。
薪火では水分や脂分が抜けるまで熱が入りません。
逆にカツオのワラ焼きみたいに表面だけに熱を入れたい場合は、薪火が向いてますよね。
まとめ
スペインのエチェバリの影響?
キャンプでの焚火の一般化の影響?
薪火が注目を集めることは嬉しいことです。
私も焚火は大好きだし、ワイルドな香りは最高です。
ただ、薪火と炭火では食材への熱の入り方が正反対です。
使う食材の性質や欲しい焼き上がりに合わせて、どちらか選びたいですね。
■料理通信さんの「薪火」に関する記事
今回参考にした文献
①『熱学入門』 藤原邦男 兵頭俊夫 東京大学出版会
②『4つの要素がわかると料理は最高に美味しくなる 塩、油、酸、熱』 サミン・ノスラット 世界文化社
Writer:
ホンダタロウ/炭火研究家 @HIROBIN
ふだんは備長木炭の生産→流通→消費のうち、
「流通」を担っています。
世界の伝統文化・アート・JAZZが好きです。
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