【絵本レビュー】 『めをとじてみえるのは』
作者:マック・バーネット
絵:イザベル・アルスノー
訳:まつかわまゆみ
出版社:永岡書店
発行日:2019年7月
『めをとじてみえるのは』のあらすじ:
ベッドに入る時間だけど、この子は眠れません。パパに聞きたいことがいっぱい。どうして海は青いの? どうして葉っぱは色が変わるの? どうして鳥は南へ飛んでいくの?――パパの答えは奇想天外! 空想が広がるステキな答えです。
『めをとじてみえるのは』を読んだ感想:
子供って質問の塊ですよね。まあ生まれてきて数年しか経っていないので、何もかもが不思議にみえるのは仕方がないですけれど。うっかり気を抜いていると、思いがけない質問をされて返答に詰まることもあります。うまく切り抜けられた時には、心の中でそっと胸をなでおろします。
私が子供の頃もやはり質問をたくさんしました。あまりにも「なんで」が多かったので、父が色々な国の言葉で「なぜ」という言い方を教えてくれた覚えがあります。私がどこへ行っても質問できるようにという名目でしたが、実は質問から気をそらすための父なりの作戦だったのではないかと、母になった今は思います。
父は答えに詰まると、明らかに作った答えでしょうというような答えを返してきました。
私:「弟が欲しい」
父:「パパにはどうにもならないことだ」
私:「なんで」
父:「コウノトリが運んでくるからだ」
私:「この間保健の先生が来て話してくれたけど、赤ちゃんはコウノトリが持ってくるんじゃないってよ」
父:「なんだと? じゃあどうやってくるのか言ってみろ」
私:「それは。。。」
父:「コウノトリが運んでくるんだ」
ちが〜う!と私は心の中で叫んでいたけれど、大人の父が赤ちゃんがどこからくるのか知らないわけがないし、私を試していることもわかっていたけれど、私は保健の先生から聞いた話を父にいうことはできませんでした。はて、もし息子に聞かれた日にはどうしましょう。
一方母はちょっと違っていました。私が何か聞いても答えを作り上げることはせず、知っていることは教えてくれ、知らないことは「わからない」とはっきり言われました。反抗期の時は「ママ、頭悪いんじゃないの」なんて意地悪も言いましたが、母は動じずに「いや〜ん、本当に悪くなるからあんまり言わないで〜」という始末。私も笑うしかなく、結局自分で調べる羽目になりましたが、これって結果的に私にとっていいことですよね。母が意識的にしていたのかはわかりませんけれどね。
この絵本の中には質問がたくさんあります。あなたは答えがわからない時、何か面白い返答を作り上げますか、それともお子さんと一緒に答え探しをしてみますか。
『めをとじてみえるのは』の作者紹介:
マック・バーネット( Mac Barnett)
1982年、アメリカ、カリフォルニア州生まれ。
“Billy Twitters and his Blue Whale Problem”など、絵本のテキストを何作も手がける。本書で、2012年ボストングローブ・ホーンブック賞を受賞。アメリカ、サンフランシスコ在住。
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