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【絵本レビュー】 『だいくとおにろく』

再話:松居直
絵:赤羽末吉
出版社:福音館書店
発行日:1967年2月

『だいくとおにろく』のあらすじ:

昔、あるところにとても流れの速い大きな川がありました。どんな橋をかけても流されてしまうので、村の人は困りはて、腕のいい大工に工事をお願いしました。
しかし、引き受けてはみたものの大工も本当に作れるのか、心配になってしまいました。そんなとき、大きな鬼があらわれて、「おまえの目玉をよこしたら橋をかけてやる」と言います。次の日、川へ行ってみるとどうでしょう。おどろいたことに、りっぱな橋が半分できていたのです……。


『だいくとおにろく』を読んだ感想:

読み聞かせでは昔話ってあまり人気がないんです。最近の絵本に比べて、痛々しかったり、結末が悲しかったりするのが理由なのかなとも思います。私が子供の頃は、「まんが日本昔ばなし」は必ず見ていたように思いますが、うちの息子に見せた時はあまり興味を示してくれませんでした。

それでも読んでみたこの絵本。鬼が橋を作った代わりに大工の目を要求します。もうそこからして痛い。借りは身を以て返せということなのでしょうが、もうちょっと優しくてもいいじゃないですか。ただ実生活ではね、借りはどうしたって返す羽目になるんですよね。

面白いなと思ったのは鬼の名前。鬼を扱った絵本は色々あるけれど、鬼はいつも鬼で、名前を聞いたことがありません。鬼は何人もいるのだから、みんなが鬼では不便ですよね。なんで鬼には名前がないんでしょう。「鬼たち」じゃ失礼ですよね。


『だいくとおにろく』の作者紹介:

松居直(まついただし)
児童文学者。1926年、京都府生まれ。同志社大学卒業後、1952年福音館書店の創業に参画し、編集部長、社長、会長を経て、1997年より相談役。1956年月刊物語絵本「こどものとも」を創刊し、編集長として赤羽末吉、長新太、堀内誠一、安野光雅、加古里子、中川李枝子ら多くの絵本作家を世に送り出す。絵本『ももたろう』『だいくとおにろく』『ぴかくんめをまわす』(福音館書店刊)など著書多数。


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風の子
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