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【絵本レビュー】 『はじめてのおつかい』

作者:筒井頼子
:林明子
出版社:福音館書店
発行日:1977年4月

『はじめてのおつかい』のあらすじ:


みいちゃんはママに頼まれて牛乳を買いに出かけます。自転車にベルを鳴らされてどきんとしたり、坂道で転んでしまったり、ひとりで歩く道は緊張の連続です。坂をあがると、お店につきました。お店にはだれもいません。みいちゃんは深呼吸をして、「ぎゅうにゅうください」と言いました。でも、小さな声しかでません。お店の人は、小さいみいちゃんには気がつかないみたい……。小さな女の子の心の動きを鮮やかに描いた絵本です。

『はじめてのおつかい』を読んだ感想:


一人でお買い物に行ったのって、何歳の時ですか。
私は幼稚園の時だったかな。住んでいたマンションの一階がコンビニで、父親がお店に電話してから私がおつかいに行く、というのが常でした。大抵はタバコで、もう少し大きくなってからは、おつかいのついでにアイスクリームを買うお金ももらって、レジのところでソフトクリームを作ってもらうのが楽しみだった。今は、親のおつかいと言っても子供にはタバコ、売らないんじゃないかな。

今4歳の息子は自立心がめっぽう強く、小さな時からなんでも一人でしたがる。最近はコロナの影響でレジに長い列ができていたり、マスクをつけたり外したりするのが面倒だったりすることもあり、最初のロックダウン時、当時3歳だった息子を一人で小さなスーパーに行かせました。目当てはピザ。店内は小さく、通路も入り口から出口へとUの字を書いておしまいなので、中で迷う心配はないのですが、それでも「店のものをむやみに触ったりしないかな」とか「うっかり壊しちゃったりしないかな」などと心配のタネは尽きません。ところが息子は堂々としたもので、落ち着いてゆっくりと通路を歩き、ピザの前まで来ると大きなガラスのドアを開けて、自分の欲しいものだけ取ると、さっさと列に並ぶではないですか。その間私と旦那は店のガラスに張り付いて息子の一挙一動を見つめていたわけですが、レジの人は私たちを知っているので、にっこり笑ってOKサインを出してくれました。

全く普通にピザを抱えて出てきた息子ですが、一体どう感じていたんでしょうね。

『はじめてのおつかい』の作者紹介:


筒井頼子
1945年東京生まれ。埼玉県立浦和西高校卒業。林明子とのコンビで「はじめてのおつかい」「あさえとちいさいいもうと」「いもうとのにゅういん」「おでかけのまえに」「おいていかないで」(以上福音館書店刊)などの作品がある。


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風の子
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