鵟(のすり) 2007/11/28
それは星さえも見えない、まったく暗い夜のことだった。
あたりは当に漆黒で、防音壁でもあるかのように密閉されていた。
ぼくの利き腕は鳥のようなけものの足を二本、ぎゅっと押さえつけるように握っていた。
そこそこの重さがあると見えて、いつ暴れだしてもかまわないようバランスを保つために、少し腕は高く持ち上げていた。
そのけものの顔をちらりとみると、ちっちゃな野鼠のような顔つきに、ちょこんと鋭いかぎ状のくちばしが見えていた。
鵟のようだった
鵟はそのまんまるく爛爛としたちっちゃな目