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CAN・DAY・A・SORT☆25
(・A・)
俺の前方に聳える黒地蔵ーー一体全体なんでこんな事にーーと考え出しても答えは出なくて、やるべき事はただのひとつ。
「俺がッ!!俺自身の手でこの先の道を照らし出そうとする事だッ!!」
と、俺は次に打つべき手段を決めていてそう叫ぶ。
「ティラノサウルス座ああああああ!!」
ーー所謂かめはめ波のポーズで以てそこに宇宙のパワーを宿して光り輝く星座となりて敵に体当たりする技だ。俺はこれで地球に降り注ぐ巨大隕石を撃破した。ーー体当りで以て。でも、本当は光線を出したかったんだ。
そこから降り注ぐ、かめはめ波のようにーー
俺はそのままの体勢でどす黒く輝く黒地蔵に突撃する。ーーが、その途中で、
『やっぱこええええよおおおおお!!』
と叫ぶ。怖かったからだ。
『だってこんなん絶対俺もやばいもおおおおん!!』
『だってだって!黒いオーラの元凶でしょおおお!こんなもん踏み込んだらやばいってえええ!!!』
と、次の瞬間に俺は突撃している。黒地蔵を突き抜けて。
怖かった事は本当に怖かった。俺は心底こいつに突撃するのは怖かった。だからこそ、フェイントになる。俺はこの宇宙に出てきてそろそろ気づき出している。
心が読める者前提の戦いについて。
俺が心底怖がって、心底心底心の髄まで怖がってみせる事によって、相手にこいつは怖がっているーーそんな風味を見せる事。これもひとつの戦い方なのだ。
俺の恐怖を俺自身が利用する事。
それって恐怖を克服した事になるのではないだろうか。
みたいな感覚をうっすらーーでも、多分そうなんだろうなって思いつつUターン。俺が突き抜けた場所にはぽっかり穴が空いているけど、でもうぞうぞうぞ~とそこが恐るべき速さで収縮修復してゆく。
ーーまるで俺の肛門のような動きだなと思う。括約筋。って、生死を賭けた戦いの時に何をこんな事をーーなんて頭に過ぎるけど俺はそれでいいと思う。
だってこれって余裕があるって事なんだから。シリアスな場面でシリアスに感じてどうするって思う。お前が思う時、シリアスはよりシリアスになるのだ。シリアスも過ぎればギャグになるぞーーって俺は好きなゲームのキャラクターのセリフで聞いたことがある。
だったら初めからギャグとして動けばいい。ギャグ前提の動き。
そういう発想が心に。そして身体に自由を与える。
その瞬間に俺はふあっと。ほんの少しだけ肩の荷が降りたように感じた。宇宙が俺の肩からそれをひっぱってくれたのだろうか。そんな風に思う。
次の瞬間、俺は驚いた。
黒い地蔵が大きい地蔵が、俺の目の前に迫ってきていた事もそうなんだけど、それを俺のティラノサウルス座が撃退していた事。
しかも、俺の体は動いていない。体全体でぶち当たってではない。俺の掌から。
ティラノサウルス状の光が唸りを上げて突撃していたのだ。
CAN・DAY・A・SORT
CAN・DAY・A・SORT
『ぐがあああああああああああああああおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああおおおおおおおおおおおおおお』
という猛りをもった咆哮に俺は耳を塞ぐ。
「え!?これ、俺が撃ったの!?」
と、俺は俺が信用ならない。前にも一度ティラノサウルス座をビーム状にして撃った覚えもある。あるっちゃあるのだがーーそれはいったい何時の事だっただろうかーーただの記憶の混濁かな。夢で見ていたとか。でも、俺はその、夢にまで見ていたティラノサウルス座の完成系を間近に見ている。
なんか主人公らしくーー初めて主人公っぽく自分の事思えてきたなーと思う。
やっと主人公らしい動きが出来た。働きが出来た。
そんな心の余裕から俺はするすると懐からある物を取り出す。これは独りでにじゃない。そうしたかったからだ。
俺のカラダにタスキが掛かる。〝本日の主役〟ーーそう書かれたタスキだ。俺はこれをつけてもいいと思った。今日の俺はこれをつけるべき人間だとすら思う。
俺はティラノサウルス座を受けて霧散する黒地蔵を見てそう思った。
CAN・DAY・A・SORT
CAN・DAY・A・SORT
黒き大地蔵が消えたその瞬間、俺の後ろから声がする。
「なにか掴んだかね」
(・A・)
と、相変わらず知っているくせにこちらにそれを、在処を尋ねてくる。
「はい」
地蔵
「申してみよ」
(・A・)
「…光線が打てるようになりました」
地蔵
「ほう。たったそれだけの事か。うちゅーー」
(・A・)
「はい、それでも俺にとっては大躍進な出来事です」
そういって俺はすっとクラッカーを取り出し、パァンと弾けさせる。
地蔵
「ふむーーして、それは何故か?貴様には分かるか?」
(・A・)
「うーん。なんつーんでしょ。自由?ってか、諦め?とも違うんだよな~」
地蔵
「ーーお前はそれでよかったと思うか?」
(・A・)
「いあ、わーかんないっす」
と俺は首を傾げる。
はやくキャンディさんに逢いたいなーー
と、ふとキャンディさんの事を考える余裕がぽっかり。あーなるほど。俺がさっき言ってた事か。
辿り着いていた事なのか。
(・A・)
「きっとこれ、心の余裕ですね」
そう。さっき俺が辿り着いた境地。その麓。これから俺はこれを、この道を歩んでゆくのだろうか。でも、歩まなくてもいい。すらいいのだ。こういう境地があると分かった時点で。ジテンーー俺の名前だ。
地蔵
「そおう。けだし。心の余裕こそがこの宇宙の最大のぱぅわ~」
(・A・)
「と、今の俺はそうしたいって事ですね」
地蔵
「左様作用!!副作用に反作用!!視点(支点)力点」
(・A・)
「作用点!!」
と俺はつんざく。
地蔵
「そこまで分かっていればもうーー」
(・A・)
「俺はこれをスペースと呼びます」
地蔵
「うん?なぜ?なにゆえそれに言葉を宛てがう?」
(・A・)
「人に説明する為です。ーーあ、てえのは多分建前で、俺がこれを忘れたくないからです」
地蔵
「そのどちらでもああるッ!!」
(・A・)
「うへえええ!!」
と、伸びてきた錫杖を体をくねらせて避ける。が、二段目横薙いいい!!いでええええ!!こ、こしがあああ!!
「俺が今、そう呼びたいと思ったら呼びます!!そう呼びたくなくなったら呼ぶのやめます!!」
地蔵
「そう。それこそが余裕。余裕があるからこそ、貴様は己が体から光を放つーーいや、離す、手放す事が出来たのじゃ」
(・A・)
「なんか、仏教の世界みたいですね」
ーー執着を捨てよとか一様に言ってくるけど。
地蔵
「それで救われる者がおるのである。まあ、わしは好かんがのぅーうっひっひ」
(・A・)
と、地蔵は悪い顔になる。さすが黒きオーラを纏う者ーー
「地蔵さんは黒きオーラの元凶ではありませんね」
地蔵
「なぜそう思う?」
(・A・)
「僕がそう思うからです。宇宙人は心で考えるので」
と、俺は胸をどんと叩く。これはキャンディさんの受け売りだが、ようやく自分のものになってきた気がする。いや、自分でこうだって意味を与えたような気がする。
地蔵
「お前はお前で考えて選べる人間であるな」
(・A・)
「そっすね。最近思います。俺、多分、教徒側じゃなくて教祖側の人間です」
地蔵
「ーー悪い教祖にはなるなよ」
(・A・)
「それってどんな人です?」
と、返すがてら俺は腰を低く落としている。
地蔵
「ーーお前自身の心で考えい!!と、殴る手筈ではあるが、お前は分かっているようじゃ」
(・A・)
んで、俺は構えを解く。そこに〝ぽかり〟
「いでええええええええ!!」
地蔵
「油断するでない」
(・A・)
そういって地蔵はこの宇宙を一周してきたのか、俺の背後にまでだるんだるんに伸びた腕を掃除機のコードのようにして回収する。
「余裕と油断は紙一重ええええええ!!」
地蔵
「黒きオーラは余裕なき者には見えない」
(・A・)
「え?」
ーーなんでこのタイミングで大事な事言うのおおおおお??なんだよそれすげえ大事そうな事なんだけどおおおお!!俺、タンコブにバンソーコ貼りながら聞く話かねえええ!!と、俺は自分の頭に出来たタンコブを根元から折り曲げ、口を手で持ちのように伸ばして〝ふーふー〟しながらそれを聞く。
地蔵
「それがお前の流儀なのであろうな」
(・A・)
「いえ?違いますけど?」
とふざける。ーー今度こそ避けてやる。
地蔵
「もうお前に殴るような錫杖は持ち合わせておらん」
(・A・)
そういうと地蔵は持っていた錫杖をぱっと消した。代わりに俺に白い布を差し出した。
「なんすかこれ」
地蔵
「もってゆけ。いつか使う時が必ず来るーーとは限らんが、お前さんは自力で使い方を見つける人間である。からして~ぇ、持ってゆけい」
(・A・)
と、地蔵は俺にそれを掴ませる。とりあえず、白タオルの代わりに頭に巻いとくか。
地蔵
「ひょほほ。かわいいやつよのお」
(・A・)
「はい。なんか、地蔵さん、おじいちゃんみたいな感じがしてきましたのでーーあ、そおう俺が思いたいだけです」
地蔵
「ーーなるほどのう。ならばワシもそれに引っ張られ、お前にはおじいちゃんらしく振る舞う事になるのじゃろうなあ」
(・A・)
と、おじいぞうちゃんはこの止まった夜空を見上げる。して、おそらく次に来るのはさっきの話の続き。
地蔵
「左様。黒きオーラは余裕のない者には見えない。自らで己の黒い部分を見ることを塞いでいるからじゃ。自分の黒い部分を見ないようにしていると、外にある黒きオーラも自ずと見えなくなるものじゃ。
そういう者は、黒きオーラにもつけ込まれる」
(・A・)
と、俺はそこでいつぞやのキャンディ&ユッキン&ジャングルマンを思い出す。黒いオーラに付け込まれ、操られたもの。ーー一見余裕綽々に振舞っているけれど、あいつらはあいつらで認めたくないものがあって、見たくないものがあって、焦りみたいなものがあるのだろうか。どうしても叶えたい物とか。
そう考えていると実に愛おしい。だって俺もそうだから。今はたまたま心に余裕が生まれて、少しばかし俯瞰で宇宙からみんなの事を見られているだけだから。
そう。だからスペース。宇宙で空間。俺はどうやらこういう言葉遊びみたいなもんで、一個くらい何かしら掛かってないと納得できないらしい。性分。生き様。遊び様。
地蔵
「いつも心にスペースを持っておけ。そこは余白でない。そこを遊ばせておくことによってのみ、お前はお前でいられるのだ」
(・A・)
「師匠。それは無理な相談です。それは絶えず固定的で流動性を捨てること。それはすなわち生き物でなくなることと同義ですから」
地蔵
「うむ」
(・A・)
「でも、その感覚を覚えやすく、そして思い出しやすくする事は出来ます。それがスペース。名付ける事です」
地蔵
「…」
(・A・)
ーーおじいぞうちゃんは何も言わない。何も言わないのでーー
「もう一度手合わせしてくれませんか?」
地蔵
「ーー死ぬぞ?」
(・A・)
「ーー元より承知ーー」
「ーーだよんぼよんのぼろべひょ~ん!!」
と俺は付け加え叫んで飛びかかる。
ーー今度は俺のルールで。ノリで、勢いで戦う。
(・A・)
「貴様の正体は俺の影よおおおお!!ぐわははっははあ!!それは!そりはッ!!こっ!!心の弱さよおおおおお!!」
と言って俺は自らの心臓をストレートでぶち込む。
「いでええええ!!いでえよおおおお!!」
地蔵
「ーー」
(・A・)
「うわああああん!違うのかよ違うのかよおおお!!」
と俺はじたばたする。してーー
「あの、すみません、動揺して貰わないと、ここは」
地蔵
「そういう手筈はわしのような地蔵には効かん」
(・A・)
「ちぇえっ」
と俺は立ち上がる。なんだよ、なんだよーー良い手だと思ったのになーー
地蔵
「よい手ではある。不規則ちくりん奇天烈な動きは、時に見る者の心、目を射止めるであろう」
「しかし、それに溺れるなーー」
(・A・)
「う、るせえ」ーーと俺は言ってやる。
「俺の流儀にてめえみてえな動けぬ地蔵が口出してくんな」
「くやしかったらかかってこいよ、メーン??」
と、俺はべろをべろ~む。中指ぼっきーんと煽るけど、等の地蔵は何の動揺も見せて来ない。
地蔵
「うむ。実に面白き戦い方じゃ。ーーそれで何処まで行けるか試してみなされ」
(・A・)
「分かったらとっととかえ」
ーーそこで俺は目を覚ました。
(●>●)( ◍_◍ )〇 〇𐭅
「おーどうした~??」
(・A・)
「うおう!!未だ執着せし者!!」
( ◍_◍ )
「ああ?なんだおめえ。オラよくわかんね〜けどムカムカしてくっぞ」
と、あちしは指ポキポキぃ~
(・A・)
俺は飛び退いて、みんなを見る。そしてその背後で瞬き続ける星の光。宇宙の光。この瞬間も絶えず瞬き続ける光。
俺はちらりと足元を見るがそこに地蔵の姿や、欠片も無い。
「ありぃ~ここに地蔵ありませんでしたかあ??」
と、おふざけポージングでみんなに聞いてみよっかなと思ったけど、多分それは答えは帰ってこない。
地蔵は俺の中にいた。そして居る。今はそれだけでいいのです。
(・A・)
「ほんなら行きまっせええええ!!」
〝ずばびゅん!!〟
俺は足に渦巻きを携え起こして走り去る。着いてこれまい。くくくーーと後ろを振り向くが、もうふつーにそこに着いてきてるみんな。
あれ?そういやズモモも黒いオーラ見えてるよなって思うけど、やっぱこいつタダモンじゃねえ。こいつもこいつで強いんだ。だって盾になるもんだからな。なんとなくだけどそう思う。こいつは人の盾になる事を選べる星物なんだって。今はね。
CAN・DAY・A・SORT☆25おわりんこ
ワーイ三{☆えぴろうぐ☆彡}ソレー
(・A・)
この日、僕は僕の戦い方、そのひとつの卵の原石であのーーまあいいっや、赤ちゃんみたいなものを獲得したような気がする。
ーーというか、あの卵、なんなんだろう。えんにちで獲得したやつ。温めてみようかな。
![](https://assets.st-note.com/img/1720159603265-X2oKriCDoy.jpg?width=1200)
ここから今回物語の残滓および星の屑の欠片たちきらきらきら~り✨
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巨大な黒地蔵がボクを飲み込む。地蔵の御業を魅せる地蔵。黒き頭頂、災いとなりて己が降りかかる。
ジテンは闇を纏いし黒地蔵を討ち果たす事が出来るのか?
ジテンはばよいーんという擬音を繰り出し、敵から遠のく。ばっくんばっくんとバク宙しながら敵から遠のく。
ひょひょいと回る。ひょひょいと回って地蔵が繰り出す黒き渦巻きをその身に沿わす事を許さない。
闇の魔の手、影の魔の手が己に伸びることを許さない。
今、ジテンが生み出す回転の性は、夜を誘う、闇を纏いし黒地蔵の好きにはさせないのだ!!
今、俺が生み出す回転、その性は夜を誘う闇の羽衣を徹底的に拒んでやるのだ!!
(・A・)
「やってやるぜ!どたまに来たぜ!!」
ジテンはグルグルと回り続けながらに、闇を払う。まるで魔法の独楽。聖なる独楽である。あるのかないのか分からないが、邪を払う破魔独楽である。一旦、くくくと紐を解かれた独楽のようにしてジテンは光と共に敵に突撃してゆく。
ーー何の光か。
無論。
星座の光だ。
彼の立ち昇るところには無数のヒカリ。無数のヒカリがきらきらきらりと渦高く登っているのだ。
地蔵の
てらてらてらりと僕を誘う。僕は黒い地蔵に連れられてーブラックホールの彼方へと。
僕を誘う地蔵の調べ。
僕を試すは黒を侍りし黒地蔵。
キャンディさんの蠱惑の瑞々しい穴ーー僕を誘う黒き魔穴。
ーー僕はまたそこに入る為にーー
そこに還る為に戦うんだーー!!
これを下品と呼びたければ呼べ。下卑と呼びたければ呼べ。
これが俺の世界観だ。
男の願いで生き様だあああああ!
男が帰るべき場所
(・A・)
「ああああっと!!ここでジテン選手、蠱惑的一撃いいい!!」
心の余裕。
貴様はなんとよぶ?
余裕ーースペースです。俺はこういう、なんか言葉を引っ掛けないと納得出来ないんですよね。1個ぐらい意味がかかってないと。
ーーそれがお前の流儀であるか。よろしい。
黒いオーラは執着がある者には見えない。己でそれを塞いでいるからだ。
自分の黒い部分を見ないようにしていると、外にある黒きオーラも自ずと見えなくなるものじゃ。
そういう者は、黒きオーラにもつけ込まれる。
と、俺はそこでいつぞやのキャンディ&ユッキン&ジャングルマンを思い出す。黒いオーラに付け込まれ、操られたもの。ーー一見余裕綽々に振舞っているけれど、あいつらはあいつらで認めたくないものがあって、見たくないものがあって、焦りみたいなものがあるのだろうか。
そう考えていると実に愛おしい。
いつも心にスペースを持っておけ。そこは余白でない。そこを遊ばせておくことによってのみ、お前はお前でいられるのだ。
(・A・)
「もう一度手合わせしてくれませんか?」
地蔵
「ーー死ぬぞ?」
(・A・)
「ーー元より承知ーー」
「ーーだよんぼよんのぼろべひょ~ん!!」
と俺は付け加え叫んで飛びかかる。
ーー今度は俺のルールでノリで、勢いで戦う。
(・A・)
「貴様の正体は俺の影よおおおお!!心の弱さよおおおおお!!」
と言って俺は自らの心臓をストレートでぶち込む。
「いでええええ!!いでえよおおおお!!」
地蔵
「ーー」
(・A・)
「うわああああん!違うのかよ違うのかよおおお!!」
と俺はじたばたする。してーー
「あの、すみません、動揺して貰わないと、ここは」
地蔵
「そういう手筈はわしのような地蔵には効かん」
(・A・)
「ちぇえっ」
と俺は立ち上がる。なんだよ、なんだよーー良い手だと思ったのになーー
地蔵
「よい手ではある。不規則ちくりん奇天烈な動きは、時に見る者の心、目を射止めるであろう」
「しかし、それに溺れるなーー」
(・A・)
「う、るせえ」ーーと俺は言ってやる。
「俺の流儀にてめえみてえな動けぬ地蔵が口出してくんな」
「くやしかったらかかってこいよ、メーン??」
と、俺はべろをべろ~む。中指ぼっきーんと煽るけど、等の地蔵は何の動揺も見せて来ない。
地蔵
「うむ。実に面白き戦い方じゃ。ーーそれで何処まで行けるか試してみなされ」
ーーそこで俺は目を覚ました。
(・A・)
この日、僕は僕の戦い方、そのひとつの卵の原石であのーーまあいいっや、赤ちゃんみたいなものを獲得したような気がする。
ーーというか、あの卵、なんなんだろう。えんにちで獲得したやつ。温めてみようかな。
巨大な黒地蔵がボクを飲み込む。地蔵の御業を魅せる地蔵。黒き頭頂、災いとなりて己が降りかかる。
ジテンは闇を纏いし黒地蔵を討ち果たす事が出来るのか?
ジテンはばよいーんという擬音を繰り出し、敵から遠のく。ばっくんばっくんとバク宙しながら敵から遠のく。
ひょひょいと回る。ひょひょいと回って地蔵が繰り出す黒き渦巻きをその身に沿わす事を許さない。
闇の魔の手、影の魔の手が己に伸びることを許さない。
今、ジテンが生み出す回転の性は、夜を誘う、闇を纏いし黒地蔵の好きにはさせないのだ!!
今、俺が生み出す回転、その性は夜を誘う闇の羽衣を徹底的に拒んでやるのだ!!
(・A・)
「やってやるぜ!どたまに来たぜ!!」
ジテンはグルグルと回り続けながらに、闇を払う。まるで魔法の独楽。聖なる独楽である。あるのかないのか分からないが、邪を払う破魔独楽である。一旦、くくくと紐を解かれた独楽のようにしてジテンは光と共に敵に突撃してゆく。
ーー何の光か。
無論。
星座の光だ。
彼の立ち昇るところには無数のヒカリ。無数のヒカリがきらきらきらりと渦高く登っているのだ。
地蔵の
てらてらてらりと僕を誘う。僕は黒い地蔵に連れられてーブラックホールの彼方へと。
僕を誘う地蔵の調べ。
僕を試すは黒を侍りし黒地蔵。
キャンディさんの蠱惑の瑞々しい穴ーー僕を誘う黒き魔穴。
ーー僕はまたそこに入る為にーー
そこに還る為に戦うんだーー!!
これを下品と呼びたければ呼べ。下卑と呼びたければ呼べ。
これが俺の世界観だ。
男の願いで生き様だあああああ!
男が帰るべき場所
(・A・)
「ああああっと!!ここでジテン選手、蠱惑的一撃いいい!!」
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