
CAN・DAY・A・SORT☆36「宇宙船を手に入れよう!!」
今日も今日とて、ジテンくんとキャンディさんは、原付でびゅーん。宇宙を漂流…いやいや、観光中。
(・A・)
「うおー。そろそろ宇宙船ほちいな~」
( ◍_◍ )
「え~。いいぢゃんいいぢゃん。あたしとニケツで宇宙旅行~☆」
(・A・)
「いいんすけどね~。やっぱこう、宇宙に出たからこう、シュッ!と。宇宙船にズバババーンと乗ってみたい的なね~ところもあるでござんすよ~」
( ◍_◍ )
「…ん?なんじゃあれ」
前方に看板!!
(・A・)
「宇宙にこんな看板あんすね」
ききー。バイクがとまる。
(・A・)
「なになに??」
( ◍_◍ )
「新谷研究所、コノサキ200メートリャ」
(・A・)
「…メートリャってなんですか?」
( ◍_◍ )
「ここらへんの長さの単位じゃない?宇宙ってば
、一筋縄じゃーないから色んな単位ってのが出てくるワッキャなのよね~☆」
(・A・)
(メートルでよくないか?…)
腕を組み、もやもや吹き出しを吹き出したジテンくんの体がびゅううん!!音速と共に後ろに持っていかれそうになります!!
(・A・)
「いきなり走り出さないでくださいよ!!」
( ◍_◍ )
「おもしろそーじゃ~ん☆行ってみよーぜ~!!もしかしたらあーしらの宇宙船作って貰えっかもしんねーぜえええ!!」
(・A・)
「ええ!?とうとう夢のゴルバンティス号Markフィフスが現実のものに!?」
ほわわわ~ん♡顔を肥大化させ、目をうるうるさせながらのジテンくん。おててを組みながら、身を捩っております。あ、あらら。よだれ出てますよ?
( ◍_◍ )
「なんかよー分からんけど、叶うといいな、その夢…あちしの居ないところで」
(・A・)
「しょんなあああ!!一緒にいて!一緒にいてえええ!!叶えて!!見届けてええ!!」
( ◍_◍ )
「飛ばすぜ!!」
ぶんぶううあううう~ん
ジテンが流した太めの涙が流線を描く中、バイクは星空の中へと消えてゆきました。
きらり~ん☆
CAN・DAY・A・SORT
☆36
「宇宙船を手に入れよう!!」
(・A・)
「ちゅーす!!」
( ◍_◍ )
「ちゅーす!!」
ジテンとキャンディはス〇ムダンク的な入り方で、新谷研究所にIN!!
(・A・)
「誰もいねーみてーですね」
( ◍_◍ )
「そーだな。帰ろう」
日を改めましょう…そうだな…なる声が遠くなる中、新谷研究所内でぴかああああん!!2つの十字の光を宿らせるものあり!!
ぎぎがぴがぎが!! ぐごごごごごーー
それがニュ~ッと、先端食いさしバームクーヘン(もしくは視力検査のあれ)の様な手を伸ばし、がしんがしん!!とジテン&キャンディの襟を掴みます!!
(・A・)「わわ!!」( ◍_◍ )「わわわい!!」
うにゅにゅうううん!!と、それがしるしるしーるしる!!室内に戻ってええええ!!
がしんご!!がしんご!!
二人を椅子に叩き座らせました!!
しかもご丁寧に二人を伸びたしましま腕の部分で、ぐるぐる巻きにしております!!
( ◍_◍ )
「いてえええあたしのおしりが割れちった…」
(・A・)
「だいじょぶすか!!だいじょぶすか!!」
ジテンくんは顔を大きくして驚きます。
( ◍_◍ )
「元から割れてんだよ!!おめー何回も見た事あんだろ!!」
(・A・)
「ああ。あのおしりのことか」
( ◍_◍ )
「…どのおしりの事だと思ったんだか」
ぎぎ。ぎがぎか。
そんな二人のちちくりを見守る不穏な真四角シルエット。
「ヨウコソ ココ アラタニ ケンキュウ ドコロ へ」
(・A・)
「んあ!?なんだこいつ!」
ジテンくんが見つめる先程の影。それは白衣を着たような趣で作られているロボットでした。さりげに木綿的な何かで博士チックな髪の毛が綾取られています。…その質感、グーな出来栄えです。
( ◍_◍ )
「こいつがあちしらを引き込んだわけだな」
博士チックロボ
「ギギギ ホンジツ ノ ゴヨウボウ ハ ナンデショウ」
(・A・)
「ゴヨウボウ??」
( ◍_◍ )
「こいつあれか?客用ロボットか??」
(・A・)
「案内役的なノリですね?」
( ◍_◍ )
「ごよーぼーっつったらあれだろ!まず、ほどかんかい!!」
(・A・)
「そーだそーだ!!」
二人は、ふんすかぴっぴと頭から蒸気を繰り出して憤怒を表します!血管が浮き出たような、所謂怒りマークを何点かあしらっておりますが、実際に血管が浮き出ているワケではございません。ご了承の程を。
じたばたじたたとロボの腕の中で、暴れにはっちゃけるジテキャン達。
博士チックロボ
「アマリ アワテナイ デ クダサイ」
(・A・)
「びゃっきゃやろー!!これが慌てないでいられるかってんですか!!ねえ!キャンディさあん!!」
( ◍_◍ )
「ぐう」
と、キャンディさんは鼻からちょうちんを出して眠りこけております!!
(・A・)
「ひゃあ!寝とる!!鼻からちょうちん出して!!…ん?じゃない!!」
( ◍_◍ )
「なーんつってな!!あーしが出てたのは鼻ちょうちんじゃねえ!!口フーセンよ!!」
キャンディさんが口から膨らませた風船ーーそれでぷくりと空中に浮いてーー博士チックロボの方へとゆっくり近付いてゆきます!!
付近に吹き出した〝ぷくり〟の文字も、今にも割れそうなフーセンガムのような出来栄えで、やわやわピンクのつやつやピンクです!!
(・A・)
「どーなる!どーなる!?」
ジテンくんは空飛ぶキャンディさんを目で追います!!
丁度博士チックロボの真ん頭上に来たところで!!
〝ぱちん!!〟
と、文字と音がしたかと思うと、キャンディさんたら垂直落下!!何故か〝垂直落下〟!!と固めの文字が傍らに出現した為、ジテンくんからはーー
(・A・)
「んもう!!文字で見えない!!」
と、これまたふんすかぴっぴと、ひんしゅく状態です!
(・A・)【状態:ひんしゅく】
ずがどおおおん!!
(・A・)【状態:ひんしゅく】
「うおらああ!!どおなったんじゃい!!文字で見えんぞ!!」
その言葉と共に文字がうっすらーー消えてゆきます。
( ◍_◍ )
「へッーー終わったぜ…!!」
ジテンくんがそこを見るや、博士チックロボの頭がへこへこ凹んでおります!!
それもやむなきやんごとなき!!なぜならーば!!そこにキャンディさんのかかと落としが炸裂していたからです!!
( ◍_◍ )
「急転直下に終わらせちまったなーーわりいーー主人公を差し置いてーー」
むずむずむず。
( ◍_◍ )
「んが?」
博士チックロボ
「ぴー!!がああああ!!」
(・A・)
「うおおお!!煙吹き出してまんがな!!」
( ◍_◍ )
「それに電流迸る!!ってまんがな!!」
博士チックロボ
「がが!!ぴし!!がぴ!!ぴがあああ!!」
(・A・)「どーなる!どーなる!!」( ◍_◍ )
博士チックロボ
「ぴしゅう」
しるしるしるーー管のような伸びたロボの腕がそんな音を立てて収納されてゆきます。
(・A・)
「おー。落ち着いた」
開放されたじてきゃん。
( ◍_◍ )
「へん。あたしにかかりゃーこんなロボゴボウ、屁でもねーぜ」
と、鼻を指で弾いて格好をつけます。
(・A・)
「ろぼごごう?」
( ◍_◍ )
「とにかく、これといった博士もお留守なよーだし、帰ろーぜ」
(・A・)
「こいつが博士だった的なからくりはねーですかね」
( ◍_◍ )
「…たしかに博士チックではあったよな」
ぼばん!!
(・A・)
「安心も束の間ッ!!」
ジテンくんが驚く中、博士チックロボは再起動!!
博士チックロボ
「ががががががががあああああ!!」
( ◍_◍ )
「ーー来るぞ!!」
(・A・)
「ななななにがですか!?」
博士チックロボはジテン達に向けて、今一度腕を広げてみせる!!
てこてこてこてこ♪
~博士チックロボの本格的におでましだ!!~
博士チックロボの先制攻撃!!
博士チックロボは腕を叩き付けて来た!!
ひゅるり! キャンディは 身を躱した!!
ジテン「ぐべー!!」
ジテンは握り拳の下敷きになった!!
82のダメージ!!
ジテン「82のダメージって、オイラいったいいくつあるんすかHP!!」
ジテンは拳からにょきりと顔を出して息巻いている!!
キャンディの攻撃!!
キャンディの両の拳にじわりじわりと水飴状のエネルギーが集まってゆく!!
それが硬化して茶色を宿した!!
キャンディ「しゅっしゅ!!あいむちゃーんぴお~ん」
いつの間にかこれまた茶色のヘッドギアを宿し、スパーリングボクサーの様な風を呈したキャンディ!!
ととんとたんたんと小足でリズムを刻んでいる!!
と、電光石火のように博士チックロボの懐に飛び込んだ!!
キャンディ「弾けろ!!こおおおおおらぱんち!!」
《《《コーラパンチ》》》
エネルギー細工にコーティングされたパンチが博士チックロボを襲う!!
ぶおおおおん!!
67のダメージ!!
ジテン「だからこれどこにHP出てんのさ!!」
キャンディ「ノリだよノリ!!そんなに見たきゃあ心のテキストで見るのじゃ!!」
ジテン「はいいい!?」
キャンディ「まあ、そんな数値なんざ見えたところで何の意味もねえけどなああああああ!!」
2回攻撃!!
キャンディ「全ては感覚なんだよおおおお!!」
1.2.3!!キャンディによる左右左の三連撃!!
123のダメージ!!
ジテン「ちょうど!?」
キャンディ「おらあ!!」
89のダメージ!!(ジテンに)
ジテン「なしてええええ!?」
キャンディ「どしたあ!傍観者あ!!ずっとそんなん縮こまってるとずっとてめーの手番は回って来ねえぞおお!!」
ジテン「ひぎいいい!!かかっておられる!!かかっておられる!!ボクシング姿だからかな!?闘争本能むき出しモード!!」
〝すっく!!〟
ジテンは立ち上がる!!殴られるのが嫌だからのようだ!!
ジテン「じゃあおれもー!!」
立ち上がるジテンは、同じくキャンディ同様のステップを踏み出した!!
しかしどこか様子が違うようだ!!
ジテン「あのー。そのー」
ステップを踏みながら、顔をもちゃもちゃとやっている!!
キャンディ「…なんですかそれ」
〝ぶゆーん〟
キャンディから血の気が失せた!!
キャンディの姿は元に戻ってしまった!!
ジテン「今からお見せしますよ~はい~僕のパンチ~」
ジテンはモチャモチャと喋り出すととっておきのパンチを繰り出した!!
ジテン「輪島座あああああ!!」
キャンディ「って輪島功一かあああい!!」〝なつかしー!!〟
「てかそれ、輪島功一ってよりラビット関根座だぜええ!!」
しかし博士チックロボに躱されてしまった!!
キャンディ「おそいよおおお!!」
ジテン「…だってこーいうものまねでしょお!?」
キャンディ「おめーはだれと戦ってるのだ!!」
ジテン「じゃあ今度はガッツ石松座とか渡嘉敷座とか洒落こみたいところだけどーー」
ジテンの目付きが変わった!!
まるで守護霊でも召喚するかのような目元のカットインが入った!!
ジテン「主人公だし、カッコイイとこ見せつけちゃるかああああああ!!」
〝ぴかああああああああんん!!〟
発光!!
ジテンの体がまばゆい光に包まれる!!
星とりどりの十字光が描いたその星図はーー!!
ジテン「幕之内座あああああああ!!」
肩を低く落とし、くうんくうんと左右にムービング!!この軌道が描く次なる一歩はあれしかなかった!!
だあん!!だあん!!だあん!!
42のダメージ!! 68のダメージ!! 96のダメージ!!
肩元が描いた横たわる8文字ィィィィッ!!しかし攻め込んでいるのは挑戦者の方!!次々と撃ち込まれる拳の一撃!!連打連打連打ァァァッ!!撃ち込む事にダメージが右肩上がりに上がってゆくううううッッ!!
ジテン「うおおおおおおおッッ!!」
178のダメージ!!289のダメージ!!854のダメージ!!
肩元が描いていたのは8の文字ではないッ!!限界なきダメージ量!!この攻撃を意味した、無限大のマークだああああッッ!!
10876のダメージ!!
横っ面を引っ張たかれた博士チックロボがたまらず吹っ飛ぶゥウウウッッ!!これは起き上がれないッッ!!
〝かーんかーんかーん!!〟
ここでゴングだーッッ!!
~You Win~
ジテン達は博士チックロボを討ち果たした!!
(・A・)
「あ、勝った!!」
経験値を1688獲得!!
おっと!!
ひしゃげたブリキ板を手に入れた!!
へこんだトタン板を手に入れた!!
まがったネジを手に入れた!!
われたでんきゅうを手に入れた!!
すすけたICチップを手に入れた!!
のびきったくだを手に入れた!!
いちまいかけたプロペラを手に入れた!!
なにかのスイッチを手に入れた!!
なにかのボタンを手に入れた!!
ちぎれたコードを手に入れた!!
(・A・)
「よっしゃあ!!戦利品いぱーい!!これぞRPGの醍醐味~♪」
( ◍_◍ )
「いや、醍醐味てか粗大ゴミだろ。いらねーだろ、こんなもん」
しかしキャンディがそれらを捨ててしまった!!
(・A・)
「まってよおお!!おいおい仲間になる秀才キャラがそれを夜なべして直してくれますからあ!!」
( ◍_◍ )
「おみゃーは何の話をしとるんぢゃい」
げしっ。ジテンは足蹴にされた!!
(・A・)
「ひぐう」
( ◍_◍ )
「心配しなくてもウチらにはそんなおべんきょキャラ寄ってこねーから」
???
「なんじゃい騒ぞうしい」
(・A・)
「あ!イベント始まった!!てんぽいー」
これまた博士風の男が現れた!!しかしシワといいツヤといいリアルだった!!
やけにリアルな博士風の男
「ワシャ、人間じゃわい」
博士風の男はやっぱり人間だった!!
博士の付けていた名札がきらりと光った!!
( ◍_◍ )
「なになに??新谷鋼磁朗??」
荒谷鋼磁朗
「そうじゃ。わしがこのけんきゅーどころのご存知、新谷鋼磁朗(あらたにこうじろう)、その人ぢゃ」
つづく。
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