リグノであそぼう!①
前回のnoteで少し触れましたが「リグノ」のご紹介です。
リグノは0~2歳ぐらいの子どもととても相性のいい積み木です。
あそび環境コーディネーターとして保育園で活動を始めたとき、積み木は床で遊ぶものだと思っていました。
床の上で私がリグノをいろんな形に積んでみせると子どもたちが集まってきて一緒にあそび始めます。しかししばらくするとどこかに行ってしまう、もしくは手で積み木をぐしゃぐしゃと広げてあそびはおしまいとなる。
何度かそれを繰り返しある日、机の上にリグノを置いて椅子に座って遊ぶよう提案してみました。
すると子どもたちが以前より意欲的に積み木であそぶようになり、取り合いがなくなることはないですが頻度が減りました。椅子に座り机に向かうことで自分のあそぶスペースが明確になり、目の前の積み木に自然と集中できるようでした。どんなあそびにも言えますが、子どもたちがおもちゃに興味をもち、あそびに集中しはじめると自然と取り合いは減ります。今、目の前にある自分の世界に没頭し他の人がやっていることに意識が向かない瞬間が1~2歳児さんでもあります。
皆さんは体験したことないですか?この瞬間を見たくて私はあそび環境コーディネーターをやっているといっても過言ではなく、こういう瞬間を作るために現場に入っています。
とても真剣にあそびこむ姿を見ると声をかけるのもはばかれるほどです。そういう瞬間がくるにはおもちゃの数が重要です。リグノでしたら、1~2歳児さん一人に最低でも3~5個手渡せるぐらいあるといいでしょう。ちなみに数がありすぎてもあそびこめないので、最初から全部の積み木を出す必要はありません。手でぐちゃぐちゃと広げておしまいとなりがちです。子どもたちのあそぶ様子を見て積み木の量を保育士さんが調節することが必要です。あそぶ人数が減ってくれば積み木の数も減らします。どれぐらい増やしたり減らしたりするかは、子どもたちのあそぶ様子をとにかくよく見ているとわかるかと思います。上に積んでいくか、横に並べていくか、とにかく子どもが積み木を探しに行くことで集中力が途切れてしまわないように、量を調節したり子どもの傍にそっと積み木を置いたりします。そういうことが保育士の専門性につながります。
リグノを通して子どもたちはあることに気づきます。自分を中心にして上下、前後、左右に円柱が動くということです。リグノ本体の真ん中の穴を上向きに置き円柱を入れる出す、この動きは上下の動きです。
リグノ本体の真ん中の穴を正面に向きに置くと円柱は前後に動きます。真ん中の穴を横向きに置くと円柱は左右に動く、そして穴は見えなくなり面が見える。見えないところにも穴はあり円柱の動きは見える。一つの積み木で3通りのあそび方ができて、自分から見て物の動きには3つの方向性があると遊びながら子どもたちは認識します。それは物事の成り立ち、自分を取り巻く世界の成り立ちの一部を知ることにつながっているのではないでしょうか?真剣な表情でそっとリグノの中心の円柱を押す子どもの手先への神経の配り方。どこまで押せば円柱は落ちるのか?こうやって自分が持つ力の使い方、手先や体の使い方、自分という存在を学んでいくのではないかと思います。