【009】長野・白馬村に電気自動車が大集合
全国各地から電気自動車(EV)のユーザーが集まるイベント「ジャパンEVラリー白馬」が23、24の両日、長野県白馬村のエイブル白馬五竜スキー場で開催された。マイカーのホンダeで初参加してきたので、どんな様子だったかご報告。
主催はEVの普及活動をしている市民グループの日本EVクラブと白馬EVクラブ。年1回開催で8回目となった今年、ラリーの参加台数は60台となり、なんと昨年から倍増。コロナ禍からの回復という要素もあるはずだが、EVへの関心が高まっていることも見逃せないだろう。
ラリーと聞くと、悪路を突っ走るレースを連想する。でも本来の意味は、いろいろな場所から1カ所に集まることなのだという。この「ラリー」はまさにそれ。だからメーンイベントは会場で行われる催事でなく「EVで白馬まで走ること」。すなわち、それぞれの旅。私も東京から約280キロ走った。道中の充電は埼玉県本庄市、長野県佐久市、長野市で計3回。充電ロシアンルーレットは1回外れ(25kW)、峠越えで充電量低下の警告灯が点いたりもしたが、無事に到着できればすべて笑い話。ロングドライブは、思いがけないことがあったほうが楽しい。
会場に着いたら、車と一緒に記念撮影。順位はつかない。ゴールした全員が「EV普及アンバサダー」に認定される。最長距離を走ってきたのは、子連れで参加した津田龍春さん。山口市から日産「リーフe+」で約900キロを走破。途中で11回充電したという。住宅設備の会社を経営する津田さん、最近はEVがビジネスにつながってきたと話す。「自宅に太陽光発電パネルをつけた人は次にEVへの乗り換えを考え始める。逆にEVに乗り始めた人は自宅での太陽光発電に興味を持つようになっています」。なるほどと納得。一方、ゴルフカートのような超小型EVで神奈川から2日かけて到着した猛者もいて、こちらもみんなに囲まれて質問攻めにあっていた。
白馬村が主催する「白馬COOL CHOICEイベント」も同時開催され、内外のEV試乗会なども行われた。環境問題を考えるフォーラムには下川正剛村長も登壇し、昨年2月に行なった「ゼロカーボンシティ」宣言について報告。その実現に取り組む地元メンバーによるパネルディスカッションなども行われた。
イベントも刺激的だし、EVについて話せる同好の士と知り合えるのもうれしい。そう思ったのはきっと私だけではないはずで、会場のあちこちで談笑が絶えない。そして翌朝、参加したEVで村内をパレード。自分一台だとあまりクリーンさを意識しないのだが、ずらっと何十台も並んだとき、ほぼ無音で無臭なのにちょっと感動。やっぱりEVいいかも。
(夕刊フジ/2021.10.28)