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【033】実証トライアルに参加 V2LでEVをキャンプと防災に活用

 電気自動車(EV)ならではのオートキャンプとは−−。先日、新潟県三条市で開かれた「EVオートキャンプ実証トライアル」にホンダeで参加してきた。内燃車との違いやメリット・デメリットを確かめてみようという試みだ。

 あいにくの雨模様だったが、スノーピークHQキャンプフィールドに集まったEVは「ホンダe」と日産「リーフe+」が2台ずつ、さらになんと発売前のヒョンデ「IONIQ5」も2台。加えて三菱「アウトランダーPHEV」も参加した。

発売前のIONIQ5
キャンピングカーを引く強者LEAF

 キーワードは「V2L」。車から家電製品に電気を取り出すことだ。内燃車の起動用バッテリーの電気を使う装置(インバーター)も存在するが、EVの場合は、はるかに大容量の走行用バッテリーを利用できる。明かりをつけて、炊飯器で米を炊き、電子レンジで調理しつつ、お湯を沸かす。というような、自宅に近い電化生活も可能。もちろん器具を車に積めれば、だけど。

 トライアルでは、ウェーバーの電気BBQグリル「パルス」が大活躍した。スマホのアプリが焼き方まで指示してくれるハイテク機器。1300Wとかなりの電力消費だが、EVにつないだニチコンの可搬型給電器「パワー・ムーバー」は、1500Wが3口まで同時に出力OK。分厚いステーキ肉をばんばん焼く隣で、ホットプレートもオン。ソーセージや野菜が焼きあがる。炊飯器でご飯も。

V2L経由で電気BBQグリルを利用

 個人的には、キャンプではあまり快適でないことも楽しかったりするので、便利だからいいとは言わない。でもキャンプ場で電源付きサイトを選ぶ人なら、EVキャンプも選択肢だろう。なんなら冷蔵庫も洗濯乾燥機も使えてしまう。アイデア次第で楽しみ方が広がりそう。

 主催したのは充電インフラ整備を手掛ける日本環境防災という会社。同社は災害などの時に非常用電源としてEVを活用するレスキュー組織「パワーエイドジャパン」の組織化に取り組んでいる。社長の本郷安史さんはこう話す。「まずは、EVから電気が自在に取り出せるということを知ってもらいたい。普段はキャンプでいろいろと楽しめて、何かあった時には非常用電源として被災地の救援に役立てる。そういう存在だと認識してもらいたいですね」

 ホンダeも、なにやら頼もしく思えてきた。

スノーピークHQキャンプフィールドのシンボル

(夕刊フジ/2022.4.21)

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