【036】韓流EVの秀逸なデザインと充電性能 IONIQ 5試乗
EV界にも韓流ブーム!? 韓国ヒョンデの電気自動車(EV)「IONIQ 5」を試乗する機会をもらって、東京・原宿から千葉・犬吠埼まで、往復約350キロのロングドライブを楽しんできた。
なんといってもデザインがいい。金属のカタマリみたいなルックス。一目で「あの車」とわかるインパクト。内装も丁寧に作り込まれていて、趣味の道具としてかなり秀逸。
ただし全長約4.6メートルと大柄なので市街地や狭い道はやや不向き。早々に高速道路に乗ることにした。同社広報から借りたのは「Lounge AWD」という四輪駆動。パワフルなモーターが2.1トンの車体をぐいぐい加速させる。安定感抜群。クルーズコントロール(運転アシスト)も使いやすい。
バッテリー容量は72.6kWh。フル充電からの走行距離は公称577キロ。電費を気にしないで走れそうだ。目指したのは犬吠埼。途中で天然素材革職人の辻榮亮さんと合流する。この車を予約中の辻榮さんは、SNSで「IONIQ 5 情報館」を運営する事情通。助手席でレクチャーしてもらいながらのドライブとなった。
充電性能が先進的なのだという。欧州で進む電圧倍増にも対応。日本の充電インフラが今後どう進化するかは不明だが、現状でも最速クラス。今回は途中で10分だけ急速充電をテストしたが、しなくても350キロを楽々走り切れただろう。週末ドライブには十分なレベルだ。
独特なのはデザインだけでなく販売法も。ヒョンデは横浜に直営拠点を設けるが、販売店網は持たずにオンラインで車を販売。全国各地の修理工場と契約してアフターサービスを行う。米テスラと似た方式だ。
発売されたばかりの「IONIQ 5」、日産「アリア」、トヨタ「bZ4X」(リースのみ)と兄弟車スバル「ソルテラ」の4車種は、同じSUVタイプで価格帯も近いガチンコ対決。韓流EVがどこまで存在感を示せるか注目したい。
(夕刊フジ/2022.5.19)