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【008】東京−関西をロングドライブ 一般道vs高速道

 仕事で関西に行くことになったので、電気自動車(EV)でロングドライブ。ざっくり500キロ。ホンダeの航続距離は283キロ。データ上は充電一回でゴール可能だけど、それは錯覚。一般的な急速充電(30分限定)では空っぽから一杯にはできないので、走りながら継ぎ足す必要がある。時間がかかるのは覚悟して、東京の自宅を出発した。

 いい機会なので、一般道と高速道で所要時間や電費がどう違うのかも確かめてみたい。往路は一般道を中心に走ることにした。といっても渋滞は面倒。戸塚(横浜市)までは首都高を利用。そこから国道1号やバイパスを西へたどる。家を出たときに87%だった充電量は小田原でまだ56%となかなか順調だ。しかし箱根はやっぱり天下の険。上り坂でがっつり電気を食われ、箱根峠では35%まで急減していた。

 ただし、峠を超えればこっちのもの。EV乗りにとって、下り坂は充電スタンドと同義語だ。「回生ブレーキ」というお得な装置が、減速時に電気を貯めてくれる。静岡の三島まで下りていくと充電量は41%に回復していた。

 ずっと下り坂なら永久機関なのだが…そんなわけもなく、平地では順調に電気を消費。再び30%台となって「そろそろ充電場所を探さなきゃ」という気分に。ナビでスタンドを検索して、富士市のショッピングモールで1回目の急速充電。30分で85%に復活。

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 再スタート直後、せっかくだし三保松原を散策。ふらっと寄り道できるのは、一般道ならでは。静岡県内は信号の少ないバイパスが続き、スイスイ快適だ。2回目の充電は浜名湖近くの道の駅で。出発から約300キロ。やっぱり150キロぐらいで充電が必要になる。

 強制的にピットインさせられるわけだが、ドライブとしては健全なのかも。トイレを済ませて、コーヒーを飲み、あたりの景色をながめる。よく「連続運転は2時間以内で」と言われるけれど、この車だとそもそもぶっ通しで走るような真似もできない。

 名古屋が近づくと混雑してきたので、伊勢湾岸道で市街地を迂回。四日市で下りてショッピングモールで3回目の充電と夕食。西名阪道経由で宿泊先の奈良に着いたのは、出発から13時間後。そのうち1時間半が充電&休憩の時間だった。

 ちなみに復路は、大阪・梅田から東京・銀座まで新名神や新東名を使って高速だけで戻った。かかった時間は8時間強。やっぱり早いことは早い。充電スポットはSAに限られ、鈴鹿、浜松、駿河湾沼津で計3回。

 比べてみて面白かったのは、一般道の方が電費がよかったこと。内燃車だと高速道の方が好燃費のことが多いが、どうやらEVは高速走行が苦手らしい。これまで当然のように高速を使ってきたけれど、自由度の高い一般道の良さも再認識。なんなら充電のたびに温泉とか入りたい。

(夕刊フジ/2021.10.21)

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