一年が終わります。 この一年お世話になった方々、本当にありがとうございました。 博士論文審査会に向けて準備をしていた一月から今まで、短いようで、いろいろなことがありました。湿っぽくなると思いますが少し。 学位授与式のすぐ後に、祖母を亡くしました。病院に入っていましたが命に関わるような状況ではなかったので、本当に突然のことでした。 ばあばが亡くなったのは私が出演(?)したNHKドラマの放送のあった次の日でした。母から放送の日程を伝えてあったそうですが、今となっては、病室でドラ
「…ん」 ホットココアを片手に観測室に戻ってくれば、モニターに表示される観測画像に一本の光の線が横切っていた。 じっと見つめていれば次のデータに切り替わって、正常な星空が映し出される。 …飛行機か。 できればあんまり入ってほしくない。今観測しているデータはなかなか貴重なのだ。 今夜は空も晴れて、月もない星夜。絶好の観測機会だった。 *** 今夜の観測ターゲットは、最近見つかった、いわゆる「ハビタブル」な惑星の候補。「もしかしたらひょっとして、生物がいてもおかしくない
小さい頃は、夜景を見ることが好きではありませんでした。 ただの人工物の光を見てな〜にが面白いんだと、夜景を見てロマンチック!と色めく人々のことを、なんならちょっとバカにしていました。それより上、上!空を見上げてみなよと。夜景の光に押されながら、静かに瞬く星の光のほうがよっぽど見るに値するじゃないかと。 そして観測天文学を志して、一般の人じゃ人生でそう何度も見るものでもないような星空、たとえば天の川の光だけで走り回れるほど明るい星空とか、南半球のひっくり返った星空、六本木ヒ