転勤族妻だからこそ、つなぐ!4児の母はせまり流”恩送り”活動~全国各地で子育てシェアの共助サポート~
ご主人の転勤に伴い、名古屋→横浜→埼玉→札幌→福岡と3~4年ごとに家族で転居する4児の母「はせまり」こと長谷川麻里子さん。2012年11月にAsMamaの共助サポーターとして認定後、全国各地で活動を継続。AsMamaシェア・コンシェルジュ・アワード2020では、地域の方たちの頼り合い子育てのHub役として「子育てシェア友つながり数」九州地区1位、全国8位の実績をおさめました。
― はせまりさんが活動をはじめようと思ったキッカケは何でしたか?
横浜に引っ越すタイミングで、名古屋時代の友人に「子育て仲間ができるから参加してみたら?」と教えてもらったのがキッカケで。引っ越し早々、AsMama主催の交流イベント「託児付きセミナー」に子どもを連れて参加してみました。
当時は3人の子育てにいっぱいいっぱいで(現在は4人)、子育てしかしていない毎日。ですが、自分と同じ3児のママが、イベント運営スタッフとして子連れで働いているのを見て「こういう働き方もあるんだ!」と衝撃を受けました。
最初は「子どもを預けられて、有益な話も聞けてラッキー」くらいの気持ちで参加したのですが、帰る頃には「私もシェア・コンシェルジュ(当時ママサポ®)になりたい!!」と思い、すぐに応募しました。
▼NHK『ゆうどきネットワーク』にて自宅託児の様子が放映(2014年)
― 普段はどんな活動をなさっていますか?
シェア・コンシェルジュは、つたえる・つなぐ・あずかる、3つの活動を、ひとつでも組み合わせでも自由に選べます。私は今、つなぐ活動を主にしており、月に数回、リアルやオンラインで交流会を開いています。
子育て中の方どうしや、頼りたい人と頼られたい人がつながり、子育てシェアできる関係性を深められる機会づくりです。
リアル交流会は「ママのほっとタイム」と称し、福岡の親子カフェを会場に実施。現在は感染症対策のため定員4組と少人数制にしていますが、そのぶん全員とゆっくり交流できるのが、かえってイイ感じ!
また、オンラインでのおしゃべり会も開催しています。オンライン開催は地域を問わず、全国から参加者を受け入れられるのが特徴です。
シェア・コンシェルジュになると、共助コミュニティアプリ「子育てシェア」のユーザーにお知らせを配信する限定権限が付与されるのですが、「ユーザー分布マップ」を見ながら、シェア・コンシェルジュが少なそうな地域にもあえて発信しているんです。そうすると「登録したんですけど、うまく使えなくて・・・」という方が参加してくれることも多くて。そういう方たち同士を自分が媒介となってつないでいます。
こうした小さなご縁つなぎの交流の機会、場づくりを、リアルとオンラインの両方で繰り返し継続することで「子育てシェア友つながり数」が増えたんです。交流会に参加した方が、シェア・コンシェルジュになってくれることも!
▼シェア・コンシェルジュ研修@福岡/人材の育成もサポート(2021年)
― はせまりさんはいわゆる転勤族ですよね。周囲に知人もいない見知らぬ地域で、どのように活動を立ち上げているんですか?
まず、転居が決まった時点で「引っ越し先のエリア名+子育て」等のキーワードでSNSを検索し、興味のある活動をしている方をフォローします。その際、自分のプロフィールも「●年●月、●●エリアに転居予定」としておくと、返信をいただくことも多いです。
次に、引っ越し先では当然のことながら、転居手続きのため区役所等に足を運びますよね。その際に、地域の子育てマップや児童館やサークル等の案内チラシをひと通り持って帰るようにしています。地域情報のインプット用です。すぐに連絡しなくとも、たまたま近くを通りかかった際など「そういえばこの辺に、こういう活動している団体があったはず」と。
たとえば、ちょうど先日も博多区に出かけたときに「県がやってる”福岡子育てマイスター”の事務局ってこの辺だったかな」と思い出して。ドキドキしながらもアポなしで訪問、事務局の方とお話してきました。その方が後日AsMamaに電話問い合わせをくださったと、社員の方から報告が!シニアの子育て支援とAsMamaの子育てシェア、何か協働できないか相談していると聞きました。
知らない場所を訪れて話をするのには少し勇気が要りますが、それでも足を運んで会話をしたからこそ、つながることもあります。自分のアンテナに引っかかったものは、紙でもSNSでも全てチェックするようにしています。
転居後、半年間くらいは、自分と家族の生活のセットアップをしながら、興味のあるイベントや交流の場に足を運んで、つながりを作ります。同時に、子どもと児童館へ行く、自分が行きたいカフェへ行く等の日常の生活を”イベント化”して発信するなどの種まきを開始します。
たとえば「●月●日XX児童館で親子であそぼう」「●月●日XXカフェでおしゃべり交流会」みたいに。
発信しても最初はそんなに返信もないですし、イベントへの参加もないです(笑)。それでも「子どもと児童館へ行って楽しかった!」「素敵なカフェでお茶できてよかった!」と、たとえ自分以外に参加者がいなくても、やったことがマイナスにならないように工夫をしていますね。
交流イベントを企画・開催しようと思うと、会場を借りて、コンテンツを考えて、集客をして、と頑張りすぎてしまう傾向がありませんか?
でも、最初から頑張りすぎると、参加者が少なくて会場費が回収できず自己負担が発生したり、発信しても誰も反応をくれなかったときに、しんどくなってくじけてしまいがち。慣れるまでは「参加者がゼロだっていい、自分が楽しかったらそれでいい」という内容にするのがシェア・コンシェルジュ活動の一歩としてはオススメです。
これをやり続けていくと、「なんだろう?あの人、何かよく発信しているな」と見付けてくれる人が出てきます。そうすると、次第に参加者が集まるようになり、なんとなくつながりが広がっていくのです。そして、面白いことに3年目くらいで、つながりの輪がドンッと広がるタイミングもやってくるんですよ。
ちなみに、私の活動のポイントは、外出するとき常に「子育てシェア」のチラシをカバンにいれておくこと。どこかで誰かが興味をもってくれたときに、「あー、うまく説明できなかった」ということを無くすためです。
実は私、交流会等でも「子育てシェア」やシェア・コンシェルジュ活動について、あまり積極的にPRしていないんです。その代わり、興味をもってくれた人に出会ったら、すかさず説明するようにしています。
#はせまり流・転勤族妻のシェア・コンシェルジュ活動4つのコツ
①転居が決まったら「エリア名+子育て」等でSNSを検索しフォロー
②興味のあるイベントにまずは足を運んで、つながりづくりの種まき
③参加者ゼロでも自分が楽しめるイベントからスモールスタート
④接点チャンスを逃さない!チラシは常にカバンにイン
▼「子育てママを孤立させない」ための居場所「来mamaルーム」にて、北海道で活躍する元気ママとして紹介(2019年)
― 転勤族以外の方の参考にもなりますね。“無理せず、自分も楽しむ”が、持続可能な活動のポイントかもしれません。最後に、はせまりさんにとって、シェア・コンシェルジュはどういう存在か教えてください。
私にとっては、ライフワークであり、助けてくれる誰かとつながっている「お守り」のような存在ですね。また、「恩送り」も意識しています。
自分の子どもたちが小さい頃、たくさんの人たちに助けられてきました。それこそ、電車で子どもがぐずった時に、年配の方に席をゆずっていただいたり。そうした小さな御恩をその方に直接返すことはできなくても、違う誰かにそのぶんの恩を送っていく、ということを心掛けています。
北海道に住んでいたときには、最大震度7の大きな地震を経験しました。幸いにも我が家は無事だったので「子育てシェア」で発信をしたことがありました。
「大丈夫ですか? 片付けするときに子どもがいて大変とか手続きのために外出したい等、お困りのことがあったらお子さまを預かりますので、いつでも声をかけてくださいね」
そのときは特に誰からも依頼はこなかったのですが、だいぶ後になってから、たまたまお目にかかった人に「地震で不安な気持ちでいっぱいだったとき、あの発信に救われました。何か困ったことがあれば、この人に頼ればいいんだと心強かった」と言っていただき、すごく嬉しかったんです。
私の活動も、こういう人たちのお守りに少しはなれているのかな?と思うので、どこに転居しても、その土地で「子育てシェア」を通したつながりづくりを続けているのかもしれないですね。
▼AsMama認定シェア・コンシェルジュ
長谷川麻里子さん(はせまり)
埼玉県新座市出身、4児(中2、小6、小4、年長)の母
名門女子中高にてバスケ三昧。大学では物理専攻、応援団チアリーディング部。卒業後はシステムエンジニアの卵になるも、夫の転勤に伴い退職。名古屋、横浜、埼玉、札幌、福岡と全国を転々としながらシェア・コンシェルジュ活動に従事。
好きな言葉は「やれば必ずできる」「頼まれごとは試されごと」「起こることはすべて良きこと」
《あなたも子育てシェアやシェア・コンシェルジュに参加しませんか?》