ひとりごと

最近、芸能界で有名な方の自死が大きく報道されましたね。

私はその時彼と一緒にいて「え」と大きな声を出してしまい、彼がそれに驚いていたのを覚えています。

ニュース直後は「なんで」「悲しい」とかその俳優さんが出演していた映画のことなどを思い出してしばらくは流れてくるままにニュースを見ていました。とめどなく流れてくる悲しみの感情。Twitterに溢れかえる追悼メッセージ。でも街を歩けば普通に人が生活していることにひどく違和感を感じました。

でも、よくよく考えれば普通なことでした。

きっと今私が死んだって、私の大切な人が死んだって、街を歩く人たちにとってはなんてないことなんです。だって私のことを知っている訳じゃないから。目の前を歩いている人は大切な人を亡くした直後だか、死にそうなくらい辛いことがあったかってわからないし、考えもしないですから。

そう考えるとやはり芸能界の方や、知名度がある方は本当に影響力があるのだと改めて感じます。

彼のことは本当に有名な俳優さん程度の認識しかなくて、どんな人だったかあまり知りません。

日を追うごとに、自死ということもあり少しずつ報道も少なくなりました。それと同時に少しずつ頭が回るようになった私の中にあったのは「いいなあ」という感情でした。

仕事が辛いのも、コロナの影響で好きな人たちに会えなくなったのも一気に重なったのかもしれません。こんなこといけないと思うけれど「彼はきっともうゆっくりすることができているんだろうな、早くそこに行きたいなあ」などと考えてしまうのです。

私は恵まれていて、家族にも友人にも職場の方々にも彼氏にも愛されている自覚があります。大切にしてくださっています。私が死んだらきっと人生を棒に振ってしまう、心に傷を負って今までの生活を送れないようになる人が何人も想像できます。みんな優しいから。だから死ねないのです。それがなかったら絶対もう死んでいます。断言できます。

彼が亡くなってからずっとこの考えが頭の中にこびりついて離れないのです。

私は、私の周囲の人たちによって生かされています。彼を責めるつもりはありませんが、私の周囲の人たちには悲しんで欲しくはありません。できるだけたくさんの幸福に包まれて天寿を全うしてほしいのです。だから生きることにしました。

彼の頭にもこんな考えがあったのかな。幸せになってもらいたいけどそれ以上に辛かったのだろうな。ゆっくり休んでください。