書いていなくても存在する

「思っていれば伝わる」ことと「行動しなければ伝わらない」の両極端でよく揺らいでいる気がする。

SNSが当たり前になったからか「書いていないこと」は「思っていないこと」となりがちなことに抵抗を感じるし、バンバン言うのではなく一度咀嚼する「間」のようなものも、どうしても人の想像力には必要な気がしてしまう。
器用に言葉にできず一度心の中に留めた感受性がなかったものになるはずがなく、確かに思って心にじっくり浸透したものは、むしろ多ければ多いほどその人の人間的な魅力として外に醸し出されてくるような気がしてならないのだ。

ただ、言葉にしなければ思いが形とならないのも確か。

ぼんやりした思いに形を与えてやれるのは言葉。それを外の目に触れさせるような行動。そうして初めて自分の思いが具現化して誰かに届き、変化が起きる。かもしれない。

だから結局、言葉にはしたい。
うまく言葉になってくれず心に留めた思い達も、それが時間と経験を重ねることによって練り上げられ、他の思いと化学変化を起こし、ある日突然あの時とは違った思わぬ形で表現されるかもしれない。

焦らずに待ちたい。人の目に触れていなくても、心の震えたことがなかったことになるはずがないのだから。
自分の中に存在していることをしっかり信じて、書かれていなくても存在している思いが自分の何かを作り上げていると思って、せめてこのくらいの文章にはしておこう。

と思った次第です。