ASKY0182

安全保障や国際情勢、軍事関連について気ままに書きます。 サイト→ https://kaiyoukokubou.jp/

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最近の記事

フィンランド、スウェーデンのNATO加盟で詰むロシア

NATOは戦力強化へ2022年2月に始まったロシア=ウクライナ戦争ですが、その理由のひとつとして言われているのが、ウクライナのNATO加盟を阻止したかった点です。 ウクライナが加盟すれば、NATOはロシア本国に隣接することになり、これ以上の「東方拡大」を防ぎたかったのは事実でしょう。 しかし、この戦争の影響でそれまで中立だったスウェーデンとフィンランドが新たにNATOへ入りました。では、この両国の加盟はどのような結果をもたらすのか? まず、両国とも武装中立政策を支えて

    • 中国のA2AD戦略が目指すものとは?

      米軍を近づけず、自由にさせず中国共産党が統治における正統性を保つうえで、民主政体が統治する台湾島を放置するわけにはいかず、軍事力の増強・近代化も台湾統一に向けた動きとされています。 そして、台湾侵攻となれば、アメリカとの衝突が避けられず、これを想定した軍事戦略「A2AD」を推し進めてきました。 「Anti-Access(接近阻止)」「Area-Denial(領域拒否)」の2つからなる同戦略は、簡単にいえば台湾侵攻時に米軍を寄せつけず、自由に行動させないことを目指したもの

      • なぜロシアの軍事力・経済力は持ちこたえているのか?

        ソ連時代の莫大な遺産ロシアによるウクライナ侵攻は予想に反して長期消耗戦となり、ロシア軍はすでに10万近い兵士と3,000両以上の戦車を失いました。他の装甲車や火砲、航空機も合わせれば、その損害は「特別軍事作戦」としては明らかに許容範囲を超えています。 一方、西側諸国との関係は完全に破綻しており、国際的孤立によって北朝鮮のご機嫌を伺うまでに落ちぶれました。もちろん、中国や中東・アフリカ諸国、中央アジアなどとの関係は決して悪くないものの、侵略行為を表立って支持してくれている国

        • 日本とオーストラリアが準同盟関係になったわけ

          根深かった対日警戒感日本は同盟国・アメリカのほかにも、イギリスやオーストラリアとの準同盟化を進めていますが、特に後者との相思相愛ぶりは近年の日本外交の特徴ともいえます。 両国は同じ「東経135度の友人」として蜜月関係を築いていますが、じつは日豪関係は戦後しばらくはそこまでよくありませんでした。 第二次世界大戦中のオーストラリアは、北部都市のダーウィンを空襲されたり、対岸のインドネシアまで日本軍が迫るなど、まさに本土手前まで敵が攻めてきた感じでした。 このとき感じた恐怖

          NATOとは何か?その加盟国や条件について解説

          米の関与、露の牽制、独の抑制ここ数年でよく話題になるNATO(北大西洋条約機構)ですが、それが実際にどういうものなのかについてはあまり知られていません。 まず、NATOの歴史は1949年までさかのぼり、その実態は加盟国同士で守り合う軍事同盟です。北大西洋条約の第5条に定められた防衛義務に基づき、加盟国の誰かが攻撃されたら、全員で参戦・反撃する「集団防衛」の仕組みになります。 そして、発足時はソ連を仮想敵としたほか、そのソ連率いる東側の軍事同盟「ワルシャワ条約機構」と対峙

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          自衛隊が災害派遣で重宝される理由とその能力

          自己完結で負担をかけず災害大国・日本に住んでいる以上、人生で一度は大規模災害に見舞われる可能性が高いわけですが、そのとき頼りになるのが自衛隊の災害派遣です。 もちろん、警察や消防なども災害救助を行い、自衛隊に劣らない活動実績をあげてきました。しかし、これら組織と自衛隊の間で決定的に違うのが、自衛隊は被災地に一切の負担をもたらさない点です。 誤解なきように書いておくと、警察や消防も被災地にとっては欠かせない存在であって、いわゆる一般的な負担(迷惑)にはなりません。 ここ

          自衛隊が災害派遣で重宝される理由とその能力

          同盟復活?日本・イギリスが進める準同盟関係の未来

          安保協力の本格化日本がアメリカとの同盟強化を進めるなか、近年は「準同盟関係」ともいえる国も増えていて、その筆頭がオーストラリアとイギリスです。 イギリスについては、歴史の授業でも習ったように、日英両国はかつては同盟関係にありました。その後、太平洋戦争で敵同士になったものの、日英同盟終了からちょうど100年が経った現在、再び似た関係になろうとしています。 たとえば、日英両国は食糧・弾薬、軍事施設などを融通し合う「物品役務相互提供協定(ACSA)」、共同訓練時の諸手続きを簡

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          どうなる?ロシア=ウクライナ戦争の行方について

          失敗した斬首作戦・短期構想2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、プーチン大統領がもくろんだ短期的な電撃戦ではなく、2年以上にわたる長期消耗戦になりました。 本来の特別軍事作戦は首都・キーウをすばやく落として、ゼレンスキー政権を瓦解させる「斬首作戦」が狙いでした。その後は親露政権を樹立させるつもりだったようで、ロシア指導部は10日ほどで作戦目的を達成できると考えていた節があります。 実際にはロシア軍の一部がキーウ近郊まで迫りながらも、ウクライナの反撃を受け

          どうなる?ロシア=ウクライナ戦争の行方について