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5000m 13分台出すまでの取組み~②2018年~2019年の練習編

前記事では13分台を出す前々年までの3年間の取組みを振返りました。

ここでは、学生時代のPB更新後、更なる記録更新に向け試行した2018年~2019年の2年間の取組みをまとめます。

結果的に、2019年11月に5000m 13分台、12月に10000m 28分台(ともに現PB)を達成します。

【各年度の主な取組みとポイント】

<2018年>

・社会人4年目。仙台に転勤となり再び生活環境が変化(通勤時間激減)
・時間的ゆとりができ、平日と休日で二部練習を開始。これに伴い週次〜年間レベルでの練習量が増加
・前年を上回る高い年間目標を設定。具体的には「秋冬シーズンに5000m:14’10切り、10000m:29’20切り」を掲げて練習を展開
・10000mの走力強化に向け、苦手意識のあった距離走やペース走等の有酸素系トレーニングを積極的に練習計画に組み込むようになる。この一環で夏~秋にかけてハーフマラソンに出場
・他方で、有酸素系トレーニング一辺倒にならないよう練習内容の比重(バランス)を考慮。状態把握のための基準の1つとして「どの時期であっても2000+1000を5’40-2’45でこなせる状態を保つこと」を意識
・秋冬シーズンに向けた練習上のマイルストーンとして3000+1000:8'30-2'45を設定。(5月時点で8’25-2’40、11月時点で8’25-2’44でこなす)
・月間走行距離は概ね350~430km程度
・シーズン通じて5000mに向けた練習を行い、以下7レースに出場。
 ▼4月の日体大記録会で14'13(ラップ:2'45-50-53-54-50)
 ▼6月の日体大記録会で14'30(ラップ:2'50-52-55-59-54)
 ▼7月の宮城県選手権で14'46(ラップ不明)
 ▼10月の日体大記録会で14'29(ラップ不明)
 ▼11月の日体大記録会で14'14(ラップ:2'46-51-52-54-48)
 ▼12月の日体大記録会で14'16(ラップ:2'48-51-53-55-49)
 ▼12月の平国大記録会で14'19(ラップ:2'49-52-52-53-51)
・秋冬シーズンの5000mに向けた練習を継続する傍ら、9月の全日本実業団1500mに向けた練習を同時に行い、以下3レースに出場。
 ▼5月の順大記録会で3'53(ラップ:61-62-62-46)
 ▼8月の東北選手権で3'58(ラップ不明)
 ▼9月の全日本実業団で3'59(ラップ:62-63-64-49)
・夏~秋の有酸素系トレーニングの一環で、以下のハーフマラソンに出場
 ▼9月の一関ハーフで70'02(ラップ:ave3'17)
 ▼10月の鶴ヶ城ハーフで69'30(ラップ:ave3'16)
・秋冬シーズンにおいて、5000mの練習と並行して10000mに向けた練習を行い、以下3レースに出場
 ▼10月の日体大記録会で29'43(ラップ:14'50-53)
 ▼11月の八王子ロングディスタンスで29'30(ラップ:14'38-14'52)
 ▼12月の日体大記録会で29'32(ラップ:14'43-14'48)
・総じて、
 ・10000mの走力強化に向けて距離走やペース走の練習頻度を上げたことに伴い、練習計画に占める有酸素系トレーニングの比重が高まる(月間走行距離増に寄与)
 ・全体的に練習量が増加する一方で、疲労対策に苦慮。特に夏〜秋にかけて計画通りに練習がこなせない状態に陥り、夏の鍛錬期(8~9月)からレース期(10~11月)への移行に苦戦
 ・移行期(9月下旬)において、前年に標準資格を得て出場した全日本実業団1500mは、終始状態の悪さが拭えないま当日を迎えることとなり、満足のいく走りができなかった
 ・年度当初の大幅な目標引上げを受けて、春〜夏にかけて練習の量(月間走行距離)と質(強度設定)を同時に高めていた。この間、練習負荷と休養がバランスしていなかった可能性あり
 ・年間通して各種目で一定の記録は残せたものの、5000mと10000mは年間目標未達となる。ピーキングの観点から、年間計画における目標レースの明確化が課題であることを再認識

【2018年11月 日体大記録会にて】

【2018年11月 八王子ロングディスタンスにて】

<2019年>

・社会人5年目。仙台転勤後の生活に慣れ、仕事と趣味(競技)の調和が最大限図れた1年。
・当初の年間目標は前年同様の設定。他方で、今後の伸びしろを感じていた10000mに対する思いが強くなり、日頃の練習において中~高強度の有酸素系トレーニングをより積極的に行うようになる(春~夏にかけてのペース走や距離走の頻度が増加)。この一環で夏のフルマラソンにも出場
・10000mの記録を狙う時期として、相性の良い秋冬シーズン11~12月を想定。この時、5000mのPB更新も視野に入れていたこともあり、練習の方向性として、「年間を通じて5000mの基礎走力を伸ばしつつ、夏~秋にかけて10000mに対応し得る有酸素能力を構築・強化する」ことを決めた
・秋冬シーズンの目標レースに向けて、これまで同様に高強度練習により状態・感覚を上げていくスタイルで対応
・上記に関連した練習計画上のマイルストーンとして、①10月時点で3000+1000:8'25-2'35、②10月の10000mで29’30を設定。(ともに達成)
・月間走行距離は概ね460km~630km。(7月に自身最大の月間走行距離630kmを達成)
・シーズン通して5000mに向けた練習を行い、以下10レースに出場。
 ▼4月の東北学連春季大会で14’27(ラップ:2’51-52-54-56-58)
 ▼4月の日体大記録会で14’21(ラップ:2’50-51-52-56-50)
 ▼5月のゴールデンゲーム延岡で14’24(ラップ:2’48-51-55-55-52)
 ▼6月の平成国際大記録会で14’10(ラップ:2’45-48-53-53-50)
 ▼7月のホクレンディスタンス千歳で14’29(ラップ:2’46-50-55-58-59)※転倒あり
 ▼7月の宮城県選手権で14’09(ラップ:2’45-49-51-54-48)
→描いたレースプラン通りの走りが出来、ここで初めて5000m 13分台を現実的な目標として捉えるようになる
 ▼9月の東北選手権で14’17(ラップ:2’48-51-53-56-48)
 ▼11月の順大記録会で14’07(ラップ:2’46-48-49-51-50)
→単独走ながら当時のSB更新。13分台を出すための感覚(余裕をもって3000m:8'20前後で通過し、以後のラップを2'50で刻むイメージ)を掴む
 ▼11月の国士館記録会で14’20(ラップ:2’52-53-54-53-45)※順大記録会と連戦
 ▼11月の日体大記録会で13’53”97(ラップ:2’44-42-45-50-50)
→最終組のナイトレースで、終始集中した状態を維持。3000m 8’11通過後も余裕あり。3600m以後で若干苦しさを感じたものの粘りの走りでラップの落ち幅を最低限(2’50/1km)にとどめることができた。
・秋冬シーズンおいて、10000mに向けた状態確認と記録を狙う目的で以下3レースに出場
 ▼10月の平成国際大記録会で29’22(ラップ:14’35-14’47)
 ▼11月の八王子ロングディスタンスで29’02(ラップ:14’26-14’36)
→雨風の悪条件ながら大幅なPB更新(当時)を達成。28分台を現実的な目標として捉えるようになる
 ▼12月の日体大記録会で28’58”06(ラップ:14’30-14’28)
→日体大記録会、八王子LDに続く3連戦目のレース。最高の状態ではなかったものの、時に先頭でペースを作りつつ、集団後方で体力を温存。終盤からビルドアップし、結果的にネガティブラップで28分台に滑り込むことができた(余談として、本レースは都道府県駅伝の選考がかかっており、選出にあたっては28分台の必達が求められていた。そうした緊張感もあり、ラスト2kmは意地の走りで2’50/1kmまで上げきることができたと感じている)
・夏~秋の有酸素系トレーニングの一環として、以下のハーフ、フルマラソンに出場
 ▼5月の仙台ハーフで66’39(ラップ:ave3'09)
 ▼8月の北海道マラソンで2時間33分(ラップ:ave3'37)
 ▼9月のシドニーハーフで65’52(ラップ:ave3'07)
・都道府県駅伝宮城県代表に選出される(補欠)
・某実業団から勧誘を受ける(辞退)
・総じて、
 ・年度当初から明確に5000m:13分台、10000m:28分台を目指していたわけではなく、これらは一連の練習やレースを経て、達成可能な感覚を掴み、現実的な目標として捉えるようになったもの
 ・練習面では、それまで不足気味だった中~高強度の有酸素系トレーニングを取り入れるようになった成果が表れ、エネルギー代謝の改善や回復力強化が図れた可能性が高い
 ・意識面では、従来の「練習効率を追い求める」姿勢や考え方が大きく転換。スピード系の高強度練習だけでなく、日ごろからペース走や距離走(LT強化等)を行うことの重要性に気づく(レース期の連戦をこなすための体力の土台(いわゆる"溜め")として機能)
 ・高強度練習を軸に組み立てるスタイル(狙うレースの1週間前に3000+1000レぺ、その後1週間かけての調整)が機能し、良い状態で目標とするレースに臨むことができた
 ・下半期に出場したレースの多くは良い緊張感があり、どれも集中して走れていた印象。記録を狙う上でのレース選びの重要性を痛感

【2019年7月 宮城県選手権にて】

【2019年10月 順大記録会にて】

【2019年11月 日体大記録会にて】

【小括】

・転勤等による環境変化に直面しつつも、基本的には過去3年間の経験や考え方をベースに競技を実践
・この間、記録的にも成長軌道を継続。自分自身に対する期待度も高く、挑戦的な目標を掲げるだけの高いモチベーションを維持
・練習環境の改善を受けて本格的な二部練習を開始。これが練習頻度の増加と月間走行距離の底上げに寄与
・この頃の練習内容は、それまでの1500~5000mに向けたインターバルやレペ(主に解糖系)に、10000m~ハーフに向けたペース走(主に有酸素系、LT)が加わるなど大きく変化。また、年間計画や練習計画の中でハーフやフルマラソンに取り組むようになったことで、これまで以上に練習量(月間走行距離目安:500km)意識するようになる
・有酸素系の高強度練習の実践・継続により、10000m〜ハーフまでの距離に対応し得る体作りに成功
・13分台を出した2019年度は、それまで苦手としていた春〜夏の時期に好調を維持。この間、夏の5000mを14'17でこなす他、フルマラソンを2時間32分で完走するなど、基礎的走力から個別のスピード能力まで高い状態を維持していた可能性が高い


続きは別記事にて。


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