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【セミナーメモ】ラグビースタジアム観戦者調査からファン創造戦略を探る

【概要】

日本スポーツマネジメント学会第24回セミナー

(東京会場:2019.07.31 早稲田大学)

オープニングアドレス
原田 宗彦 氏(早稲田大学教授、JASM会長)
調査報告
松岡 宏高 氏(早稲田大学教授、調査プロジェクトリーダー)
パネルディスカッション
パネラー:
 竹内 哲也 氏(日本ラグビーフットボール協会マーケティング部部長)
 田村 一博 氏(ラグビーマガジン編集長)
 松岡 宏高 氏(早稲田大学教授、調査プロジェクトリーダー)
モデレーター:
 原田 尚幸 氏(和光大学教授)

http://www.e-jasm.jp/seminar/se024.html

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原田先生

社会貢献活動が、ファンクラブ会員を増やす
ASKHRN)→どの程度のコスト(人的・金銭的・時間的)にたいしての効果があるのか?
Jリーグは、今はブランド力がすでにある状態で行なっている
ではそこまでにかけたコストに学ぶべきでは

ASKHRN)実業団=企業のため
プロ=なぜ地域のため?
なぜプロ化が是なのか?
NTTコミュニケーションズシャイニングアークスなどは、会社ラグビーという文化がすでにあり、そちらに振り切って最適な施策をした上で、プロじゃないとだめだ。という判断なのか。ゴールをそのスポーツの発展と考えた場合、そこもフラットに考えるべきではないかと感じている。

松岡先生
P8-性別観戦率

_性別観戦率

ASKHRN)女性のファン比率が高い→アイドル的存在?選手がアイドルになるように(背が高い・スリムなどの要素はあれど)施策をし、効果が出たのか、選手の要素がはまっただけなのかそして女性ファンが多いのは昔からか


P9-平均年齢

_平均年齢1

ASKHRN)そもそもスポーツ観戦の平均年齢が高いという点メガクラブではインバウンド含めて若い人がいるのでは?トッテナム・ウエストハムは平均年齢高い印象があったおじさんが好きなものを、若い子は好きにならない?


P12-チケット入手方法

2019-12-31 15.37のイメージ

ASKHRN)配布チケット率を見て愕然。また、2015RWCの翌シーズンの動員は追えてないが、配布チケット率を考えると集客が上がっていても売り上げはあがっていないってこと?


P15-ラグビーのファン度

_ラグビーのファン度

ASKHRN)トヨタのファン率の低さ=企業動員・企業配布チケットってこと?動員で3万人集められる対戦相手によっては動員がないと1000人とかになる=チームの実力?その状態でプロ化を目指すのは、通常の起業などに置き換えて考えると…しかし、3万人集めても対収容人数に対して70%…


P26-観戦理由:全体平均

_観戦理由

ASKHRN)観戦回数や観戦動機を見ても、ラグビーファンはチームではなくラグビーと深くコミットしてるという結果に思える=地元のチームが不調でも観戦をやめないなぜ地域密着なのか?→その辺りの文献を勉強必要


P27-観戦理由:試合別に見た上位4つの比較

_平均年齢2

ASKHRN)秩父宮の金曜夜開催のサラリーマン率の高さ観戦しているサラリーマンの楽しみ方→秩父宮に関しては、アクセスも含め代替ビアガーデンの可能性を感じる 野球のナイターゲームの動員状況から得るものがありそう


P30-応援チームへの所属意識

_応援チームへの所属意識

ASKHRN)応援チームへの所属意識は、他のスポーツと比較してどうかスポーツへ帰属しているのか、チームに帰属しているのか


P34-35-W杯チケット申込

2019-12-31 15.37のイメージ (5)

2019-12-31 15.37のイメージ (6)

ASKHRN)額・枚数共に多い→ラグビーという競技にコミットしている人が多い 4年に一度ではない、一生に一度である。のコピーが響く


P39-まとめ

2019-12-31 15.37のイメージ (7)

ASKHRN)友人が、ラジオからファンに流入(→事前情報がある状態)ラジオで言っていた内容が試合を見て理解できるオールドファンのぼやきが面白い別の友人は見方がわからない様子で、年内のリピートなし


P58-ファン歴によるセグメントでの分析

2019-12-31 15.37のイメージ (8)

ASKHRN)ライブなどのエンタメ5000-7000円などは高いと思わない

ラグビー2000円は、費用対効果良いということから来場されているのかと。


◎モデレーターからの質問

●チケット価格帯について

協会マーケティング部部長竹内さん)→日本代表VSアルゼンチン戦から、価格を徐々に上げていった経緯がある価格感を変えていかないといけない、という危機感から


●応援チームについて

協会マーケティング部部長竹内さん)神戸製鋼が多い

→明らかにダンカーター効果

ASKHRN)カンフル剤の継続性


●企業動員について

協会マーケティング部部長竹内さん)→トヨタの動員はパンチがある

ラグビーでは特定のカードで動員をかけるのは普通


●他のスポーツでは調査が会場に紐づいている印象がある

浦和レッズは埼スタ、のような

ラグマガ田村さん)神戸製鋼・静岡はホーム感強いサニックスなどはホームアリーナもあるけど、そうでもない


●女性の観戦理由

協会マーケティング部部長竹内さん)

女性の観戦理由で、スタジアムでのイベントグルメが楽しいという点

ラグビーは正直スタグルしょぼい。だから可能性あるのかなと

ASKHRN)1ファンの感想としては、スタジアムでのイベントの方が引きつけてると思う

試合後のファンサービス。ハンドボールリーグでもあって、サッカーより選手に近づけるという点で、女性ファンに売りになると思っていたが選手の知り合いがプレゼントを渡しながら談笑などしていて、そうゆう意味では厳しかった。しかしラグビーの場合は、明確にプロとしてファンサービスをしてもらえる。遠い存在の選手が近くでサービスしてくれるということに、非常に価値がある


●男子バレーボールの女子ファンの多さ・女子バレーは男子が多い

ASKHRN)→異性としての魅力を感じて入り、スポーツを理解してハマるしかし選手が引退して、次の推しができなかったら観戦を辞めてしまう可能性もある対して、ラグビーはチームよりも競技にコミットしている可能性が高いので離脱率が低いのではないか。それはラグビーの優位性なお、周りも含めた実体験として、ラグビー選手の体型は女性に敬遠されがちだが、ラグビーに深くコミットしてしまうと他のスポーツ選手に男らしさを感じにくくなる傾向がある→他のスポーツへの移動が少ない



ASKHRN)以下全体を通しての思考メモ

プロ化に当たって、そもそもJクラブの一組織に入る、という方向性

ヨーロッパの総合型スポーツクラブピッチの共有・同日開催

既存のファンに倍金を出させるのか可能性があるセグメントに投資するのかに関しては、後者の方の方向性に意識がある印象を受けた



◎関連)松岡先生の"ファンマネジメント研究の必要性"を読んで

P136

プロスポーツにおいてファンを獲得、確保するためのマネジメントにおいては、ファンのスポーツチームに対する心理的なコミットメントが鍵を握っているようであるという文章に対して、今回調査対象であったラグビーはプロスポーツチームではないものの、チームに対する心理的コミットメントがない(競技にはある)と読み解ける数字は、普段仕事としてチームライセンス商品に関わり、国内外のラグビーチームのライセンス商品を自身で色々着用実験を日々する中での心理、試合会場で感じてきたもの…いずれも肌感覚で根拠としては弱いが、合致する。


P140

購買まで外部情報の獲得が必要ないまたは、外部情報を得る方法を知っているため早い加えて、情報収集方法が確立されておらず、不利益を被った経験のあるファン(限定、マニアックな商品が売り切れてから、数年後に知るなど)は、その後情報環境をかなりがっちり構築すると考えられる。イコール、意図的に不利益が生まれる状況を生み出すことは、戦略としてありである。ラグビーのように、チームより競技にコミットメントが強い場合、限定数で商品を企画する→ラグリパというラグビー界のポータルサイトに掲載→不利益を得た人は、何故買えなかったのかの反省の中でラグリパへのアクセスを日常化することで解決を図る→ラグリパに載った商品をする人が増える→その業界内でラグリパで紹介されたものはメジャー扱いとなる→人と同じが嫌、マニアック好き、コアファンでありたいインサイトがある人は、よりそれらを満たす商品を求めて各チームに情報獲得の網を広げるという仮説を考えた。


P142

スポーツファンのチームに対する心理的コミットメントは、消費意思決定にポジティブな影響を与える→競技にコミットメントしているのがラグビーと観戦者調査が示している・チームにコミットメントするファン・競技にコミットメントするファン→有効な施策が異なる、ということ
ラグビーブランドに置き換えた場合…

カンタベリー→競技にコミットしたブランド

アシックス・アディダス・リバーサル・アンダーアーマー・BLK・スズキラグビー…何にコミットしているか

サッカー(J)の場合、サプライヤーに対する愛が強いとの説


以下、原田教授によるオープニングアドレスのスライド

***カメラの調子が悪く資料価値がないため、最後に添付

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