一台のスピーカーで、生活が潤いつつある話。
自宅にスピーカーを迎えた。
それまでiPhoneSEで垂れ流していた音楽が、2万円台のスピーカーに引越しした。SONOS Oneという。当然ながら反響が段違いで、粒が立っていて美しい。ただただ耳に良い。
これまでも愛していたはずの音楽たちに、やっと住み心地の良い住処を与えることができたような気分でいる。
自分の心身も存外反応してくれて、最近いまひとつだったメンタルが少しは保たれるような感覚がある。
まあ所詮は感覚に過ぎないし、朝を迎えればちゃんと(また朝がきたな…)と沈んだ気持ちに戻りはするが、スピーカーから流れる音楽の響きで、一日の隙間をどうにか埋められている。ただし音が心地よくて家から出たくなくなるという難点もある。
多少に過ぎないけれど、心を磨かれているような感覚だ。
2年ほど前から一人暮らしを再開した。古くて天井の低い、小さなワンルームに住んでいる。
ちょっとしたインテリアではどうにもならないほどいかにも平成初期な内装の物件に、コストパフォーマンスとして満足はしてもいわゆる「暮らしの質」なんてものを上げようなんて思えなかった。
洗濯機に乾燥機能はつけなかったし、浴室乾燥機も追い炊き機能もない。
特別暮らしに不満はない。それに不便でもなんでもないが、あまりに古くて安っぽい部屋に、やれ家具家電を格好つけたって仕方ないだろうと思ってやり過ごしてきた。
ところが、どういうわけかSONOSを我が家に迎えてしまった。
そしてこのたった一台のSONOSによって、QOLは段違いに上がった。それは常に音楽ばかり聴いていて、もはや単なる依存症だった私だからこそかもしれない。
テレビもつけなくなって、やらなければいけない作業も捗りやすくなった。これまで、どういうわけかテレビは見ないのにテレビの雑音を意味もなくつけていた。若干HSPの気があるため、テレビの雑音も外の喧騒もつらいときはつらいのだ。それでも、予期しない音を入れるより幾分かマシでわざわざつけていた。100のストレスより60のストレスを選んだ結果であり、当然、しんどい。
私は、聴きたい音楽を、心地よい音で取り入れることで、さらにストレスの軽減をはかることに成功したらしい。
日常の自宅作業風景。見た目は狭苦しいが本人は満足。
今ここで伝えたいのは、SONOSは良いスピーカーだとか、音楽は良いぞとか、そういったことではない。もちろんそれも思っているけれど、それはまた別途書きたいと思う。
自分が好きなことに対しては、毎日の小さな繰り返しを大切にしようということ。それは私にとって音楽を聴くことだったので、スピーカーを迎え入れて本当に荒んでいた毎日が潤った。
料理が好きな人なら、包丁にお金をかけるかもしれない。あるいは、良い包丁は高価だから、定期的に包丁研ぎをする時間を設けたらそれは自分の心までも研ぎ澄ますかもしれない。
他のどんなことをさぼっても良いから、かけるところをひとつ決めてみてほしい。
ちなみにSONOS Oneは2台持つとステレオ再生が可能となり、ただでさえ最高な音が最高を突き抜けることだけお伝えします。
この子の魅力は、また今度。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?