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共同創業者間の資産配分の考え方〈1〉|資産配分は仕事の対価ではない

本シリーズのテーマは、スタートアップの資産配分です。

共同創業者に、どのように、どのくらい会社の資産を渡すことを約束するのが良いのでしょうか。

本シリーズ(全2回)は、長年多くのスタートアップを見てきたY Combinatorの元CEOのマイケル・サイベル氏が、資産配分(equity split)について基本となる考え方やよくある間違いについて解説した動画を基にしています。

第1回は、資産配分の基本となる考え方についてご紹介します。


📍 資産配分に関するキーポイント

  1. 資産配分はモチベーションを最大化するツール

  2. Vesting and Cliffという方法

  3. 解雇する度胸を持て



1. 資産配分はモチベーションを最大化するツール

「資産配分は寛大に設定せよ」
とサイベル氏は言っています。

不均等な資産配分だと、共同創業者たちのモチベーションが下がるからです

スタートアップにとって共同創業者たちのやる気がなくなってしまうことが最大のリスクです。

ついつい資産配分は、その共同創業者は成し遂げた仕事やスキルの対価として考えがちですが、そうではないということです。

スタートアップにとっては
これからどれだけの仕事が待っているのか、
これまでの仕事がどれくらいの価値があるのか、
まともに見積もることはできません。

だからこそスタートアップの資産配分は「将来の成功への見返り」であり、それは共同創業者のモチベーションのためのものということです。

同様に、離脱する共同創業者が配分を過剰に持ってしまうと、残ったメンバーのやる気を削ぎ、会社の成功を妨げる可能性があります


共同創業者の重要さ

公平な分配は、創業チームのモチベーション、結束、長期的な成功に直接影響します。この決定が適切でないと、早期の離脱や内部対立に繋がるリスクがあります。

Amazonのジェフ・ベゾスやMetaのマーク・ザッカーバーグのように、一人の創業者が長期的に会社にとどまる場合、「その人物には共同創業者よりも圧倒的に多くの配分が与えられるべきだ」と考えるのは一見合理的です。

しかしスタートアップにおいては最初の4〜6年が非常に重要であり、この期間が事業の生死を決定します。多くの価値創造がこの初期段階で行われ、同時にこの期間中に大多数のスタートアップが失敗に終わるのです。

初期の共同創業者は、事業を軌道に乗せるためのエネルギーと活力を提供します。彼らの貢献がなければ、会社は「ゲームに参加することさえできない」のです

だからこそ、創業者は資産配分を「慎重に保有する」視点ではなく、「共同創業者を最大限にモチベートするためのツール」として利用すべきだと、サイベル氏は強く主張しています。


次回は具体的な配分方法についてご紹介します。
次回もお楽しみに。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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