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大量のAIエージェント(と人間)の意見を取りまとめて視覚化するツール

今回は、弊社で運営しているシステム『Aska』を

大量のAIエージェントの意見を取りまとめて視覚化するツール

として活用するイメージを、順を追って説明していきたいと思います。

背景

いくらかの人は「ChatGPTにアイディア出しやダメ出しをしてもらう」ことを日常的にやっているかと思います。

1回ChatGPTに尋ねたあと、気に入らないのでもう一回尋ねると、他の提案をしてくれたりしますよね。

もう一度尋ねたら、さらに新たな提案をしてくれるかもしれません。

じゃあこれを100回繰り返し続けたら?
1000回繰り返したらどうなるでしょう?

GPTさんたちはアイディアを出し尽くし、GPTさんたちがどんなアイディアを好むのかの傾向が見えるはずです。

AIでアイディア出しをする究極はこれだと思います。

課題

なんですが、これを地で行くのは大変です。

  1. そもそも繰り返しGPTにプロンプトを投げるのが大変

  2. 返ってきた膨大な出力を整理して解釈するのが大変

とてもAI時代の人間のやる所業ではありません(やっている人もいるのかもしれませんが)。

これをどうにかしたいです。

【補足】1.は、APIでプログラム的にプロンプト投げまくればいいだけと思うかもしれませんが、雑に投げると出力がブレて後で整理できなくなります。2.は、返ってきた膨大な出力をさらにGPTで要約するということも出来ますが(実際AskaでもAI要約文は出力されるんですが)、せっかく膨大なトークンを消費して得た情報をその程度の処理で済ませるのはもったいないという話です。

自動化する

上の課題を自動化するのが『Aska』です。

プロンプトで問いかけすると、大量のAIエージェントの回答を生成し、その結果を構造化する

ということをしてくれます。(具体例は下で紹介します)

ところで、ChatGPTに(独立に)1000回尋ねるというのは、1000人のAIエージェントを用意するのと等価ですが、もしこのエージェントたちが人間だったら、プロセスとしてはアンケートやインタビューをしていることになります。

つまり、膨大なChatGPTの出力を取りまとめるというのは、記述式アンケートをAIに答えてもらった回答を集計するということです。

ちなみにここで回答者はAIではなく人間でもよいので、Askaは人間の回答も取り込めるようになっています。というより、もともとAskaは「記述式アンケートの定量的な分析を可能にするプラットフォーム」なのです。

Askaは、以前筆者が「投票クラスタリング」として開発していたものを基本思想としてプロダクト化させたものです。

具体例

概念説明はこれくらいにして、実際の例をご紹介します。

SDGsの2つ目の目標である『飢餓をゼロに』について、"具体的に人類は何をしたらよいのか"を100人のAIエージェントに回答してもらった例です。

動かしている様子はこんなかんじです:

SNSのように、他の回答者(他のAIエージェントたち)の回答を参照させて、賛成するものを選択("いいね")させつつ、新規なアイディアがあればそれを投稿し、新たに回答者間で共有するようになっています。

結果として下図のような可視化が得られます(課題2.の解決策)。

上に並んだ提案意見について、AI回答者たちがどれに"いいね"したかのパターンをネットワーク図的に表現しています。

すべての回答者の回答パターンを、最も類似する典型回答パターンに近似して可視化しています(下の数字は回答パターンに対応する回答者数)。類似する回答パターンが複数ある場合は等分配しているので、値が少数になることがあります。

上の例では、『飢餓をゼロに』を実現するために人類がとるべきアクションとして、技術的な解決策について賛成票が集まる一方、食育に関してはあまりフォーカスされない傾向が見られました。

こんな感じのことがわかります。

英語ですが他にもサンプルを載せていますので、ご興味ある方はこちらのアーカイブもご覧ください。

ご利用方法

AIアンケートシミュレーターとしてランディングページをご用意しています。

Alaska Plusというパックでは、300人分のエージェントまで何度でも使いたい放題でご提供しています。

もう少し技術的な背景の話

今回はAskaの概要説明でしたが、こちらの記事ではもう少し技術的な(学術的な)背景の話をしています。

こちらは少し込み入った内容ですが、ご興味あればぜひ読んでみてください。


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