※この記事には映画『オッペンハイマー』の内容に対するネタバレが含まれています。未視聴の方、ネタバレを気にする方はご配慮ください。 どんなにくだらない映画でも人と一緒に映画を観るのは楽しい。観終わった後に感想を言い合えるからだ。つまらない映画を観て「つまらなかったねー」と言い合って共感し合うのは嬉しいし、意見が合わなくても価値観の違いを楽しむことができる。人と一緒に観る映画は楽しい。 しかしながら『オッペンハイマー』を観た時、僕は今まで抱いてきたこの映画という趣味に対する信
・中学校1、2年(2006〜2008) 兄がソフトテニス部だったのとその頃一番仲良かった友達がソフトテニス部に入るということで僕もソフトテニス部に入った。顧問の先生は理科の教師で眼鏡をかけて優しそうな見た目をしていた。ソフトテニスはいくら練習しても一向に上達しなかったが1年目と2年目の前半は平和で楽しかった。 節目になったのは2年の時、3年の先輩が引退して僕らの代が年長になった後である。それまで穏和な話し方だった顧問が年長になった僕らのあまりの弱さに態度を急変し、ドスの効いた
就活のために履歴書・職務経歴書を書いている。その度に嘘をつかなければならないことに大変なストレスがある。自己PRなどないし、仕事で学んだことなど一つもない。マトモに仕事ができた試しなどまずないのだから。唯一与えられた業務をきちんと全うできたと自信のある業務はレンタカーの回送ドライバーだけだがそれも給料が安すぎて先月で辞めてしまった。履歴書を書くのは自分の何もなさを再確認する行為で毎度しんどい思いをする。 あまりにもウンザリしたので企業には見せられない本当の履歴書を書くことに
映画原作紹介ということで『ノーカントリー』の原作小説であるコーマック・マッカーシー著『血と暴力の国』について映画と比較しながら紹介していきます。ネタバレありの内容となっていますので是非映画を観てからご覧になってください。 ・『ノーカントリー』紹介 映画『ノーカントリー』とは、偶然麻薬密売人同士の銃撃戦があった現場を発見したベトナム帰還兵のモスが、その場に残された200万ドルという大金を盗み出したことによりアントン・シガーという危険な殺人者を呼び込んでしまい、連鎖的に抗争に発
『ザ・バットマン』を観てきた。暴力シーンは期待してたほどではなかったが概ね満足した。以下良かった点を挙げていくことで何が魅力的だったのかを自分なりに整理する。 ・ゴッサムシティの治安が悪い ノーラン版ではまず組織的な犯罪がありヴィランがいて、それに焚き付けられて市民が暴動を起こすというトップダウンなお決まりの流れがあった。それに対して『ザ・バットマン』ではまず何にも依らず強盗をするシーンがあって、若者がサラリーマンをリンチするシーンがあって、彼らにとってそれが日常であること
スピルバーグ版のウエストサイドストーリーを2回目観てきた。直前に1961年のウエストサイド物語の方を観ていたからかそのすごさがより伝わって最後の方で死んでしまったトニーをジェッツとシャークスの両方のメンバーがお互いの対立を超えて協力して運ぶシーンでちょっと泣いてしまった。 スピルバーグの思想はリベラルだがその思想は世界に理不尽な暴力があることを前提に強固に形成されておりその辺にいるリベラルとは迫力が違う。1961年版では喧嘩のシーンなどそれでも暴力的な内容ではあるもののミュ