マチネ と ソワレ
マチネ(Matinee)とは、昼の公演。 フランス語で「午前中」。
ソワレ(Soiree)はフランス語で、夕方、日が暮れた後の時間のこと。
演劇の世界で、昼夜2公演する場合に、昼のがマチネ、夜のがソワレと呼ぶ場合があるのですが、鬘(かつら)をかぶってやるようなお芝居の世界ではあまり言われない。歌舞伎や踊りの公演では聞いたことがない言葉です。
大衆演劇では12時開演3時間、17時開演3時間というようなセットになっていたら、12時が昼の部、17時が夜の部と呼ばれる。
フランス語で呼ぶのは、ミュージカルとか前衛的な演劇でやってる人が多いかなと感じます。宝塚なんかでもそうかもしれません。
ま、マチネにいける人は昼から劇が見れる優雅な人種なので時間の制約はあまりないのかもしれません。一方、ソワレに行けるかどうかは昼間に勤め人をやっていて、仕事が終わって劇場に行く人もあることでしょう。
17時開演では、17時に仕事が終わる人は間に合いません。都心の劇場まで1時間かかるのなら18時開演なら間に合っても、17時開演ではどうしようもありません。
ただ、3時間やるのなら18時にすると終演が遅くなるとか、ご飯をどこで食べるのか?の問題が出てきます。3時間あるような公演は幕間があってその間に弁当が出てくる歌舞伎座や南座の世界ならともかく、大衆演劇で2部制で、その間にご飯。というのは難しいなぁと思います。
ソワレの語感で「夕方」で陽が残っている時間帯なのか、とっぷり日が暮れて夜の帳がおりてから開演なのか?といえば、夕焼けの残る外界の中開演するような思いがあります。
飯も食わずに、酒の一杯も飲まずに演劇場のオーディエンスに加わるというのは、「飲まず食わず」ででも劇を見たい。という強い意志の観客を呼ぶような気がします。
落語の定席である繁昌亭では、昼席、夜席と呼ばれています。朝席とか乙夜というのもあるようですが、やはり近郊近在の17時終わりのサラリーマンが18時の席に行けるというような時間設定のようです。
大阪城ホールで音楽コンサートというような場合、一日に2公演ある方が少ないので、開演時間をいつにするかだけの問題になるのでしょう。あまり遅くなると帰れない。になってきます。
野球のナイターが18時ごろに始まるというのもありますが、野球の場合必ずしも全部通しで見ないと理解できないことはないので、途中の出入りはできるんだろうなと思います。
大相撲は、マチネだけの公演ですね。18時には必ず終わります。
芝居を見るというのは 余裕のある人民の趣味であり、応援する役者がいるのかいないのかにもよりますし、演目が何だから見るのか? 何でもいいのか? いろんな観客がいることでしょう。
松竹や松竹芸能、吉本興業では マチネ・ソワレとは言ってないだろうなと感じます。 東宝とか交響楽団の皆さんが言いそうな言葉だなと思いました。