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ゲームマーケット2020秋での設営の話〜みんなの設営編(1)〜
当初はひとつの記事でまとめる予定だったんですが、思いのほか長くなってしまったので2回に分けることにしました。
発端は完全な思いつきなんですけど。
明日からのゲームマーケットで「うち設営こだわったよー!」ってサークルさんいらっしゃったらぜひ覗いてみたいので教えて欲しいです!前に設営にこだわった話をnoteに書いたんですが、今回は設営にこだわってるみなさんをご紹介する記事書きたいなと…。https://t.co/rBKR7wvGeO
— 宮本アシタ@バンソウ-デザインストラテジスト (@miyamoto_asita) November 13, 2020
ゲームマーケットで注目されるべきはもちろんゲームそのものであることは疑いようがないわけですが、「売り方」にも注目してみたらまた新しい発見であったり、様々な人にとっての参考になったりするんじゃないかなと思ったのでした。
そこで会場をふら〜っと回って「すばら(しい)〜」と思ったブースの写真を撮らせていただいたので、この場を借りてご紹介したいと思います。意識するべき設営のポイントと、それを巧みに実施されていたサークルさんということでご紹介しますね。
自社のブース運営をしながら隙を見ての徘徊であったこともあり、すべてのブースを見て回れたわけではありません。限られた時間の中で僕がたまたま気づくことができて、且つ写真を撮らせていただけたサークルさんと、そして上記ツイートに「見にきて〜」と暖かくコメントを下さったサークルさんのまとめとなります。ご紹介できなかったサークルさんは、春にもやるのでぜひお声がけください!
設営ポイント1:自分たちの「色」を決めてみる
最初にイメージカラーを決めてしまうことで、設営にグッとまとまりが出てきます。イメージカラーをきちんと設計できているブースは、見た目も綺麗で洗練されている印象を受けました。
テレゲーム研究所さんは多数のゲームを取り扱っていましたが、イメージカラーが強いので不思議と全体としてはまとまって見えます。パーカーも2色デザイン違いであるのが良いですね。衣装作るの大事ですよ!
MIYABI GAMESさんも同じく黄色ですが、什器(棚)を黒にすることでカラフルなゲーム達を束ねています。このようにメインカラーの他に、サブとなる色を決めておくと表現に幅が出てきますね。
Groundingさんは街コロカラー。代表作があるサークルさんは、その代表作をそのまま自分たちの色にしてしまうのアリです。認知度はパワーです。
マッチダンディズムさんも「代表作カラー」パターン。とにかくわかりやすいというのが強みです。お揃いのTシャツかわいい。
Cygnusさんはネイビー。木製品を取り扱っていることもあり、ネイビーという色のチョイスは和の職人感があり絶妙です。
Cygnusさんからはたくさんお話を伺えたので、次回記事で改めてご紹介させていただきます!
FoUNtainさんは正確には「色」ではなくパッケージのテイストになるのですが、この方向性を引き続き突き詰めていくということであれば、間違いなくこの赤色がFoUNtainさんのブランドカラーとなることでしょう。
設営ポイント2:背中で語る
多くのサークルさんが取り入れているように、ブース背景にタペストリーを置くのは定石です。サークル名であったり、新作の紹介であったり、目的に応じてデザインは変わってくるかとは思いますが、背景があるだけで「ちゃんとしている感」が強くなります。
妄想ゲームズ☆さんは派手派手〜!けれどベースカラーが黒ということもあり、悪目立ちはしないんですよ。周回すると必ず目に入ってくるので、集客効果は結構あると思います。
ソウキタカさんは同じ派手でもまた少し違って、ゴリ押し感があります。縦長バナーを効果的に使って、面で訴えてきてますね。背景の情報量が多い一方で、前面のブースカバーは情報をシンプルにすることで、絶妙なバランスが成り立っています。
雅な作品を作られている「ななつむ」さん。何を告知するでもない、世界観重視の和柄の背景というのが粋です。
背景ではないですが何気に「すばら〜」なのが、ブース番号の表示!運営から渡されたブース番号の紙を貼っているサークルさんが多い中、自前で用意するところが世界観へのこだわり感じます。これは真似したいポイント。
設営ポイント3:商品の飾り方を工夫してみる
パッケージを積んで、実物を広げる。それだけでも良いのですが、少し手間をかけて「飾る」と印象的なブースになります。
とどのつまりさんはカードをアクリル板に挟んで展示していました。コンポーネントをテーブルに広げると、平面で高さが足りないので目立ちづらかったりするんですよね。浮かせる(ように見せる)ことで高さを出す、素晴らしい展示アイデアです。
Friedegg Gameさんはパッケージの特性をフルに活かした見せ方。もはやここだけデザフェス。透明なビンだから横から中身見えるし、しかもその中身が果物みたいな見た目で可愛いので、高さを出してあげればそれだけで映えてしまうという賢い設計。
インベードさんは木のパネルにカードを貼り付けて展示していました。コンポーネントのデザインに自信ある方は、ぜひこの「パネルに実物貼って立てる」形オススメです。
写真見ての通り、全体の色彩バランスも素晴らしいです。パネルを目立たせるのではなく、パネルにあるコンポーネントが目立っている、という理想の状態ですね。
ましうさんは高さを使った見せ方がすごく上手でした。写真右手は立体の切り抜きパネルになっていて、高さ・大きさ・情報のシンプルさとどれをとってもお見事です。
写真左手の雛壇も1段1商品になっていてわかりやすかったです。新作と過去作の見せ方がメリハリ効いてます。
PLAY MARKETさん(を中心とした合同出展)のブース。ここはポップがめちゃくちゃすごくて、雑多であることを強みに変えた素晴らしい例。くじらだまさんが作られたみたいです。
そんなこんなで、こっちで全部やるから!ってしたのが1週間前。土日は丁合で潰れたので、やり始めたのは月曜から。1週間もないやんけ!!
— くじらだま (@kujiradama) November 16, 2020
そこから全15作品のポップとコンポーネント集とおしながきを作り始めたのです。ほんとはインスト紙芝居も作る予定だったけど間に合わんかった… pic.twitter.com/1exFf3dJ69
見た目が楽しいから、それだけでなんか引き寄せされちゃいます。
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というわけでいくつかのブースを紹介させていただきました。次回は「世界観を打ち出す」「誰もやらないことをやる」「お声がけくださったサークルさん」の3つをご紹介したいと思います。
前回記事ではバンソウのブースについて書いていますので、こちらも読んでもらえると嬉しいです。