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音と振動で体感する、芦北の秋     あしきた花火祭り2024の舞台裏に迫る

芦北では毎年11月に芦北町商工会青年部が主催するあしきた花火祭りが行われています。先月11月3日に行われた本花火大会では、今年も芦北町の河川敷を舞台に大きな花火が上がりました。

今年よりライブ配信も始まりましたので、ぜひご覧ください。

あしきた花火祭りはお昼ごろよりイベントが開始し、地元のバンドや太鼓、ご当地アイドルのライブなどがステージを盛り上げました。通常の花火大会よりも会場と打ち上げ場所が近く、参加者はダイナミックな音や振動を感じることができました。

今年度の花火大会について、主催である商工会の綱田さん、一川さんにお話を聞いてきました。

商工会 青年部長 綱田 圭吾様
普段は畜産・飲食店を運営する傍ら、青年部長として活動。地元・芦北のために何かしたいと考えていたところ、学生時代から付き合いのある仲間に誘われ青年部部長として活動を始める。

商工会 理事 事業委員長 一川大輔様
普段は介護福祉事業・NPO法人を運営。青年部の活躍に期待を寄せ、メンバー集めや活動のアドバイスなど精力的に活動。

──復興祭後、初となる「あしきた花火祭り」だったかと思いますが、いかがでしたか?

綱田:
令和2年の7月に水害があり、その夏に予定されていた祭りは開催できずにいました。水害により芦北町民は精神的に落ち込んでおり、なんとか町民のみんなに元気になってもらいたいと始まったのが11月の復興応援花火大会です。今回は復興祭後、初となる「あしきた花火祭り」でしたが、酷暑を避けて11月に開催することとなりました。

──町の方々の反響はいかがでしたか?

 一川:
芦北の花火の特徴は、通常の花火大会より会場と花火の打ち上げ場が近い点です。そのため、花火の音や振動がダイレクトに感じられる点が魅力のひとつになっています。会場から離れた場所で花火を上げていた時もありましたが、もっと近くで感じて欲しいと考え現在の位置になりました。

──花火大会で苦労したことを教えてください。

 一川:
今回は商工会内外の協力を多数得られました。
4月に計画が始まってから、地域の方々にもお店や出典ブースの企画を行っていただきました。女性や若い方の参加も多く、今までよりも地域全体が大会に向けて協力しようという雰囲気がありました。しかし、関わる人数が増えた分、やり取りの齟齬が起こる部分があり、今まで以上に密なコミュニケーションが求められたことが苦労した点でしょうか。とはいえ、多くの人の意見を取り入れることができたおかげで去年まではなかったオムツ変えができる場所が設置されたり、助産師の資格を持っている人たちが常駐し、産後ケアを行う場所もできました。難しい部分ではありましたが、その苦労をした分より地域の実情に沿った大会が開催できたのではないかと思っています。

綱田:
本当にそうですね。商工会は男性ばかりなので、女性視点での不便さや不安になかなか寄り添うことができずにいましたが、今回皆さんの協力を得ることでより良い大会になったと思います。私が苦労したと感じる点は、花火のコストが4割増しになったことにより協賛していただける企業を増やす必要が出てきたことです。今まで、花火大会の協賛は大体決まった企業の方にお願いしていたので十分な資金が集まるか不安な思いを抱えていました。しかし、実際に協賛を依頼してみたところ、企業の方もこの花火大会に期待をかけてくださっていて芦北を盛り上げるためにと快く協力してくださいました。芦北の皆さんの思いの強さと、協力してくださる企業の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

青年部の方々が当日の朝に打ち合わせをする様子

──来年に向けて一言お願いします。

綱田:
来年は芦北花火大会が20周年を迎え、節目の年となります。今までは町内で完結していた祭りでしたが、来年は規模を大きくし、町外の全国の人たちからも協賛していただきながら全国に芦北の良さを発信していきたいと思っています。他の地域と一体になって盛り上げていき、関係人口を増やしていきたいですね。

 一川:
大変な部分もありましたが、芦北の中でも大きなイベントに携わることができて今は達成感でいっぱいです。来年は内部の体制も変化すると思いますし、さらに全国の皆さんに喜んでいただけるような花火大会にしていきたいと思っていますので、県外の方も来年はぜひ足を運んでいただければと思います!

──ありがとうございました。

今年も多くの人々の協力と情熱によって成功を収めた「あしきた花火祭り」。芦北の空に咲いた大輪の花火は、地域の活力と温かい絆を象徴していました。来年は20周年という節目を迎え、さらに規模を広げた大会が計画されています。芦北の魅力がより多くの人々に伝わる機会となりそうです。次回の開催も、地域全体が一丸となって新たな感動を生み出してくれることでしょう。ぜひ足を運んでみてください。