お看取り時期のフットケア
高齢者施設に訪問をしてフットケアサービスを提供しています。
お客様の中には、施設で最期のときを迎える方もいらっしゃいます。
長く生活した環境で、慣れ親しんだスタッフに見守られてながら、施設でできる限りのことをして、最期は旅立ちます。
私の祖母も、本人の希望で病院ではなく施設で最期を迎えました。
祖母は「施設に帰りたい」と入院中に何度も訴えていたので私たち家族も、きっと祖母も満足をしていると思います。
お客様の中にも、訪問をするとその時期に入った方がいらっしゃいます。
お看取り時のフットケアは感謝を込めて
フットケア、入るべきか中止にするべきか・・・
もちろんお客様のお体の状態にもよりますが、私たちも、お世話になったお客様と最期のお別れをしたいです。
長いお客様だと、10年くらいのおつき合いになる方もいます。
月に一度だけですが、10年だったら120回もお体に触れ、お話を伺い、心を通わせてきた思い出があります。
ひとつ、ひとつ思い出しながら、旅立ちのお手伝いをしたいです。
先日、月に2度訪問している施設でのことです。
「今日はフットケアの予定ではないのですが、おそらく次回だと間に合わないかもしれないので、繰り上げて綺麗にしてもらえませんか?」
と、スタッフからお願いがありました。
手の爪、足の爪を整え、保湿をしました。お声をかけながら、ケアをしました。
今までのケアのことを思い出しながら、感謝の気持ちを込めて。
訪問再開でお別れ
コロナ感染予防で中止になっていた施設が再開をした時
やっと待っていて下さったお客さまに逢えると、喜んで訪問をすると、いつの間にかお別れとなっていた方の多いことに愕然としました。
足の爪の状態はどんな様子だったのだろう?
綺麗な足で旅立って欲しかった・・・
そんなことを思いながら、何人もの方に心の中で静かにお別れの挨拶をしました。
未だに訪問が再開にならない施設が数カ所あります。
みなさん、どうしているのか分かりませんが、足爪に不快がなく元気にお過ごしになっていることを祈るしかありません。
転倒予防だけでない、高齢者フットケア
高齢者フットケアの目的は転倒予防、介護予防が大きいところですが、そればかりではありません。
先日、1ヶ月訪問ケアが中止だった施設に訪問しました。
1番に伺ったお客さま、私の顔を見ると
「来てくれてありがとう。今日は早起きをしてお大師様に、お願いをしていたのよ」
と、涙が出るような嬉しい言葉をいただきました。
そして、感染予防対策中の生活のことを聴きました。
お話し相手もいない状況の辛さなどを、ケア中ずっと話されていました。聴きながら、私の仕事は足だけではなく、心のケアもしているのだと実感しました。
そのお客さまが、
「今日はとても良い日だった、地獄に仏のようでした。」
と、おっしゃったのが印象的でした。
コロナで施設に入居している高齢者の生活さえ、一変しています。
そんな生活の中の、少しの潤いになれたことが嬉しかったです。